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現役大学生ライター・佐々木チワワさんに聞く歌舞伎町の魅力と人間学

2023.01.21

歌舞伎町を拠点にフィールドワークをしているライターの佐々木チワワさん。15歳から歌舞伎町に通いつめてきた。

2021年、トー横キッズを取材した記事が話題となり、『「ぴえん」という病』(扶桑社、価格820円+税)を上梓。歌舞伎町に集まる若者の価値観について紹介したこの本は、発売直後に重版となった。そしてこのほど、初のエッセイ「歌舞伎町モラトリアム」(KADOKAWA発刊、価格1500円+税)が発刊された。新刊書では歌舞伎町のホストクラブを舞台にした恋愛に関する内容が中心となっている。今回は歌舞伎町の魅力やホストに学ぶ恋愛事情について聞いてみた。

書かなかった濃い体験もたくさん

――佐々木さんはじめまして!初のエッセイを書く上で何が一番大変でしたか?

佐々木さん 普段の原稿に比べて、短くまとめることが多くて苦労しました。普段の記事や前作は、すっきりと全てを書くことが求められましたが、エッセイだとあえてすべてを書かずに余白を持たせることでより共感してもらったり、呼んでくれた方々それぞれの思い出と重ね合わせてもらったりと、楽しみ方に幅を持たせられたかなと思います。

あとは当時の辛い思い出とか恋心を思い出したり、自分自身執筆しながらしんどくなるシーンはいつもより多かったのかなと思いますね。

――この本は佐々木さんが実際に出会った事件や出来事を、リアルに紹介していますが、本書で紹介できなかった出来事もありましたか?

佐々木さん あまりに生々しい話はカットしてます(笑)

あとは依存気味になってたホストとの話とか。書こうと思うとワードがえぐいな……というものもあったので。

それから、当時指名していたホストさんたちにも、今横には今の彼を応援している女の子がいて、その人たちの物語を自己満足で邪魔したくないので、ネガティブなものは書かなかったです。

アフターブッチされて朝まで涙枯れるくらいまで泣いたり、あと映画「愛がなんだ」っていう片思いの男のセフレとして都合よく振り回され続ける女の子の映画を、半ば自虐的に担当ホストと観に行く約束をしたのですが、2時間まるまる遅刻されて。映画の内容と自分を重ね合わせて大号泣して、その2年後に当時の彼氏と家でその映画を観ていたらトラウマで過呼吸になったりはありました(笑)シンプル可哀想なだけで、エモくはないから書けなかったですこれは。

フットワークの軽さと体力勝負

――今は歌舞伎町にどのくらい通っているのでしょうか?

佐々木さん 学校は現在週に3回で、仕事の関係などで全部行けているわけではないですが、歌舞伎町が活発になるのは夜なのであまり問題ないですね。むしろ学校帰りの方がわざわざ身支度しないでいいので楽です。多いときで、週6くらいで通っています。

ホストクラブに毎日行くわけではなくて、シーシャバーでボーっと考え事をしたり、街を歩いたり。ご飯だけのときもあったり様々です。ただ、飲みの誘いがひっきりなしに来るのはあるかもしれません。新宿に行く予定があったら、「チワワ歌舞伎町居そう」と連絡をしてくれる人が多くて……。

一番遅くてこの前朝6時にアラームをかけていて、携帯が鳴ったのでアラームを止めたつもりが酔っぱらった知り合いからの電話で(笑)、4時起きで4時半には歌舞伎町でテキーラ飲んでました。

その日は10時からテレビのお仕事があったので、6時すぎに飲み会が終わった後、一人で朝ホスにいって時間をつぶして9時くらいまでホストにいってから現場に行きました。フットワークの軽さと体力に助けられているな、とは思います。

――佐々木さんにとってそれほどまでに魅力的な街である歌舞伎町ですが、なぜ歌舞伎町なのでしょうか?

佐々木さん みんな裏切られたり嘘をつかれてきた人たちで、傷ついてきたからこそ表面的な優しさが染みる街。そして連絡すればだれかしらに会えたり、店に行って孤独から逃れられるのに、誰かといても完全には孤独からは逃れられなくて、ネオンと音楽がうるさいからこそ、そこが際立つのが好きです。

そして全員歌舞伎町という街の住人感があるので、なんというか共通の街の飲み方とか文化を共有していて、話が早い。歌舞伎町の飲食店の店員さんのよっぱらいのいなし方とか、凄いですよ。そういう接客業の感情労働とか、ホスピタリティに敬意を持っているところも、好きです。

ホストに学ぶモテる男は何が違う?

――佐々木さんが出会ったホストの中で一番、女性にモテる男性とはどんな人でしたか?どのぐらいモテて、どんな点が魅力的だったか詳しく教えていただけますか?

佐々木さん うわーー!難しいい!!たくさんの人の顔が思い浮かびました。でもそうですね、皆に共通するのはカリスマ性があってぶっ飛んでる人か、相手の求めている距離感とか対応を察知して関係を築ける「関係性のプロ」なところでしょうか。

そして極力自分のストレスにならない範囲で最大限のパフォーマンスをしている人がやっぱり売れているし、ヘルプとか従業員にもモテている印象です。男にモテる男は女にもモテているかなと。

――そのナンバーワンホストに、一般の男性が学ぶとしたらどんな点だと思いますか?

佐々木さん 清潔感とかそういうのは最低限なのと、甘い言葉に下心が滲み出ていないところが魅力なのかなと思います。

普通の男性が女性を口説く、となると最終ゴールはセックスだったりするわけじゃないですか。そうなると言葉の節々に性的なものがあったり、そういうのに女性は敏感だと思うんです。

けどホストって身体目当てじゃなくてお金目当てだし、容姿やスタイルを褒めるのは接客であり稼げる目安。性的な空気を含まずに女性を褒めるというのは最初はすごく大事だと思います。

まぁ歌舞伎町はそうやって女として消費しないからホストに惚れて、女として見られないから病んでる子もいるのですが……。

――最後に、佐々木さんが歌舞伎町を卒業する日は来ると思いますか?その理由も教えてください。

佐々木さん 無理だと思います!(笑)。

まだまだ地元というか帰ってきたなぁと感じてしまうので。誰も自分の知り合いがいなくなったら違うのかもしれませんが。この7年で同じ歌舞伎町でも遊ぶ人も、行く店も、お金の使う場所も変わりました。でもこの街には通い続けていて。街そのものが好きなんだと思います。時折人がうるさいなとかなんか汚いな、と思うんですが。それでもほかの街にいると恋しくなるので。まだまだこの街の知らない世界を味わい続けたいです!

――ありがとうございました。

新刊書「歌舞伎町モラトリアム」では「無駄金という貴方へ」という文章が寄せられているので紹介したい。

“「ホストクラブに通っていて、そんな大金を使って、無駄じゃないですか?」と聞かれることがある。そんなときはこう返すことにしている。

「逆に今まで生きてきて、大金をかけてでも手に入れたいものや、味わいたいもの、行きたい場所はなかったんですか?悲しい人生ですね」

私達はホストを指名して、幸せを感じる一方で、時に泣かされて、時に病んで、時に生きている意味を問い直す。

 そのくらい、自分の人生を揺さぶってくれるものに出会える人はどのくらいいるだろうか。不幸も幸せも、その感情の起伏すべてを買っているのだ。お金を払ったら絶対幸せになれるなんて、そんなのクソくらえだ、つまらない。

 清濁併せ呑んで、今日も私たちはこの街で紙切れみたいにお金を使う。“

著者/佐々木 チワワさん
2000年生まれ。慶応義塾大学 湘南藤沢キャンパス(SFC)在学中。10代から歌舞伎町に出入りし、フィールドワークと自身のアクションリサーチをもとに「歌舞伎町の社会学」を研究する。歌舞伎町の文化とZ世代にフォーカスした記事を多数執筆。2022年1月に発売された『「ぴえんという病」』(扶桑社)は発売すぐに重版がかかる人気ぶり。
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文/柿川鮎子

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