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都心で帰宅困難になったらどうする?災害が起きる前に知っておきたい「一時滞在施設」の存在

2023.01.26

2022年5月、東京都が首都直下地震の被害想定を10年ぶり見直ししたことで首都直下地震の不安が高まっている。帰宅困難になったときには群衆雪崩が起きるリスクもあることから、無理に帰宅しようとせず、一時滞在施設を利用することが推奨されている。

そこで、一時滞在施設とはどんな場所か、対象施設、そして帰宅困難になった場合の情報発信を行う民間企業の取り組みを紹介する。

一時滞在施設とは?

まずは一時滞在施設とは何か、どんなものが提供されるのか見ていこう。

●一時滞在施設の定義

一時滞在施設とは、大地震等による帰宅困難者が待機できる場所を提供することを目的とした施設のこと。

東京都防災ホームページによれば、大地震が発生した後、およそ72時間は、救命救助活動を通じて1人でも多くの命を救うことが最優先となる。そのためには帰宅困難者の一斉帰宅を抑制し、大渋滞により救急車等が到着できないといった状況を防止することが重要となるという。

勤務先など、身を寄せる場所にいる際に大地震に遭ったときは、その施設で安全にとどまることが基本となるが、移動中など屋外で被災した帰宅困難者については、一時滞在施設で待機することが求められている。

つまり一時滞在施設は、待機場所のない徒歩帰宅困難者が、一時的に休憩や滞在することを目的とした施設だ。

帰宅困難者とは、災害時に外出している人のうち、「近距離徒歩帰宅者(近距離を徒歩で帰宅する人)を除いた帰宅断念者(自宅が遠距離にあること等により帰宅できない人)と遠距離徒歩帰宅者(遠距離を徒歩で帰宅する人)を指す。

一時滞在施設では、可能な範囲で水道水、トイレ、食料、毛布(ブランケット)も提供する。

他の施設との違い

一時滞在施設は、災害時帰宅支援ステーションや避難所などと混同しやすい。そのため、用語の違いを確認しておこう。

出典:「東京都帰宅困難者対策ハンドブック」

まず大きく異なるのは設置時期。一時滞在施設は発災から最大3日間程度まで。それに対して、避難所は2週間程度まで設置される。また、一時滞在施設は避難する場所ではなく、あくまで帰宅困難者等の受け入れのために設置される。対象施設は公共施設だけでなく、集会場やビルのエントランスホール等も含む。

「災害時帰宅支援ステーション」は、災害時に帰宅困難者の徒歩帰宅を支援するため、可能な範囲で水道水、トイレ、地図等による道路情報、ラジオ等で知り得た通行可能な道路に関する情報などを提供する施設となる。

会社員はオフィスで一時滞在の検討を

基本的に、会社員の場合、自宅よりオフィスが近い場合にはオフィスでの一時滞在を検討しよう。

防災減災危機管理アドバイザーの吉田亮一氏によれば、基本は企業として帰宅困難者を作らないことが重要だと述べる。

企業は自社での一時避難場所を確保し、近隣の救命ボランティアとして企業防災組織を結成し、訓練をすることが求められる。備えは最低、三日以上の飲料水・食料の確保をしておき、社員がコンビニ・スーパー等へは行かないように準備する。地域の指定避難場所・避難所(地域住民専用)へは避難をしない。地域指定避難所・避難場所へは、避難所・避難場所の運営ボランティアとして協力をすることが求められる。

●企業が行うべき事前の備え

1.各自治体から発信される情報を確認する。
2.企業防災組織を結成する。
3.企業防災備品の備蓄をしておく。
4.地域・学校と協定を結ぶ。

一時滞在施設を探す方法

仮に会社からの帰宅途中に大地震が起きて電車が止まってしまい、徒歩でも自宅に帰ることができない状況になったとする。その場合、一時滞在施設に身を寄せることが選択肢として挙がる。探すにはどうすればいいか。

●東京都内の一時滞在施設

都内の一時滞在施設は令和4年7月1日現在、1,213か所(446,694人分)。都立の一時滞在施設については、一覧情報のほか、「東京都防災マップ」で位置情報を確認できる。

東京都防災マップイメージ

具体的な場所としては、千代田都税事務所や東京交通会館、お台場海浜公園、三田高等学校などが指定されている。

都内では、都立施設のほかにも、民間事業者による民間一時滞在施設もある。民間事業者の意向により、事前に情報を公表していない施設がある。その場合には他の情報源を当たる必要がある。

東京都の首都直下地震の被害想定

実際、帰宅困難者はどのくらい出るものなのか。

東京都が令和4年5月25日公表した「首都直下地震等による東京の被害想定」によれば、東京都市圏内から都内に流入する人のうち、帰宅困難者となる人は昼12時に最大となり、415万1,327人と想定されるという。

東京都市圏外からの流入者は37万4,621人(国内から34万5,324人、海外から2万9,297人)と想定され、すべての人が帰宅困難者となることから、合計で最大452万5,949人の帰宅困難者が発生すると想定される。

今回の想定では、帰宅距離10km以内の人は全員が帰宅可能としているが、被災状況によっては帰宅に危険が伴い、帰宅困難に陥る可能性もあり、帰宅困難者数が大きく増加する可能性があるそうだ。

三菱地所の取り組み~丸の内ビジョンに一時滞在施設の満空情報などの表示

民間企業も、帰宅困難者への一時滞在施設へ速やかな情報案内を進めている。その一つが三菱地所の取り組みだ。

これは災害時の情報連携プラットフォーム「災害ダッシュボード Beta」の実証実験のひとつにあたる。東京駅周辺の丸ビルや新丸ビルなどのほか、丸の内エリア内にある大型モニター約100台に、首都直下地震を想定した情報を丸の内ビジョン全台に放映する。

●具体的な表示内容について

一時滞在施設の満空情報イメージ

千代田区等が発信するTwitter情報を自動連動し、一時滞在施設の満空情報を官民連携で提供する。

その他、エリア巡回バスが災害時に負傷者等搬送、バスの位置情報・車内映像を情報連携や、災害時に丸の内ビジョンを遠隔操作で非常放送に切り替えることも行う。

一時滞在施設の開設状況などを表示する仕組みについて、三菱地所の同プラットフォームの担当者は実施の経緯を次のように答える。

「当社は、丸ビル等に設置のデジタルサイネージで、東日本大震災の時にNHKを放送して、多くの避難者・帰宅困難者への情報提供を行ってまいりました。災害ダッシュボードは、発災時に、広域情報(NHK)と、ローカル情報(千代田区、周辺鉄道他)を同時に提供する媒体として2017年度から実証に着手し、機能検証~実装検討を進めているものです。
開発の背景は、避難者・帰宅困難者の特定エリアへの集中・混雑回避を促すためです。エリア全体でこれら施設の開設情報提供が有効と考え、電子地図上に開設施設のピンを立て、その電子地図URLをQRコード化し、個人のスマホへの情報提供を実証して参りました」

帰宅困難となった際に、丸の内ビジョンを確認することで、電子地図上に一時滞在施設が掲載され、QRコードで地図URLを取得できるので、自身のスマホで確認し、近場の施設へ足を運べる。

いつどこで大地震が起きるかは誰もわからない。一時滞在施設にお世話になることもあると考え、知識を持っておくことは有効といえそうだ。

【監修】
吉田亮一氏
防災減災危機管理アドバイザー、YY防災 代表。
平成18年・茂庭台五丁目町内会防災部長
平成19年~23年・茂庭台五丁目町内会総括防災部長、総務省消防庁防災アドバイザー 登録制度へ宮城県から登録(平成21年から7年間の登録)、東日本大震災茂庭台中学校指定避難所責任者(平成23年3月11日から17日間)
文部科学省実践的防災支援事業への協力(平成24年から)、YY防災ネットを設立。平成23年・24年度仙台市立茂庭台中学校評議委員、平成24年・25年度仙台市立愛宕中学校評議委員、平成24・25・26・27年度栃木県教育委員会防災委員、総務省消防庁災害伝承10年プロジェクト語り部、おひさま保育園理事長
平成8年~令和元年・地域ガードボランティア、登下校時見守り
平成18年~現在。仙台市立芦の口小学校防犯巡視員
https://blog.canpan.info/youich/

【出典】
東京都「首都直下地震等による東京の被害想定(令和4年5月25日公表)」
三菱地所プレスリリース「災害時の情報連携プラットフォーム「災害ダッシュボード Beta」実証実験実施」

取材・文/石原亜香利

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