女性活躍推進の施策が進められる中、社内で共に仕事をしている女性社員とのギャップを感じていないだろうか? 「管理職にはなりたくない」「まだまだ男性社会」などの女性たちの本音はよく耳にする。
そうした文化を変革するために、先日、経済産業省後援で、ビジネスに革新をもたらす女性管理職を表彰するアワード『TIGER WOMAN OF THE YEAR 2022』が開催された。その実行委員長である株式会社コトラの代表、大西利佳子氏と、審査員を務めた女性の社会進出を後押しする活動を行っている株式会社ポピンズの代表、轟(とどろき) 麻衣子氏に、現状の施策と現場のギャップを埋めるためにやるべきことについて意見を聞いた。
進む女性活躍推進、現場とのギャップ
社内で女性活躍は推進されているが、周囲の女性社員たちは実際、出産・育児などで忙しく、そもそも出世欲が見られず、ギャップを目の当たりにしているビジネスパーソンは多いのではないだろうか。
厚生労働省の女性活躍が推進される一方で、日本ではまだまだ女性管理職は少ない現状がある。
2022年4月30日時点の「第5次男女共同参画基本計画における成果目標の動向」によれば、「民間企業の雇用者の各役職段階に占める女性の割合」について、「係長相当職」は2019年の18.9%から2021年の20.7%へと上昇しているが、2025年の目標30%にはまだ遠い。「課長相当職」については、2019年で11.4%、2021年で12.4%、2025年目標は18%。「部長相当職」については、2019年で6.9%、2021年で7.7%。2025年目標は12%である。
実際、ハイクラス転職支援や人材コンサルを行う大西氏は、現場を目の当たりにして、女性はリーダー経験を積む機会が少ないと述べている。
「TIGER WOMAN OF THE YEAR」実行委員長
大西 利佳子氏(株式会社コトラ 代表取締役社長)
そんな大西氏が本アワードを開催しようと思ったのは、現場でスキルやポテンシャルが埋もれている女性を目の当たりにしてきた経験から。女性管理職を増やし、ロールモデルを作ろうとしている。
大西氏と轟氏に、女性活躍推進に関する現状と理想とのギャップについて、解決の糸口を聞いてみた。