経済産業省の分析によると、コロナ禍で販売額が増加した業種は「飲食料品小売業」と「ペット・ペット用品」だという。これはコロナ禍のテレワークにより在宅時間が増えたことで、ペットと接する時間の増加や、コロナ禍における癒やしを求めて新たにペットを飼育する人が増えたため。
コロナで新たに猫と暮らし始める人が急増
ペットの中でも特に増えているのが、猫。犬と違って散歩の必要がなく、室内飼いが基本のため飼育が楽なイメージがあることも理由のひとつだろう。だが予備知識なしに猫と暮らし始めると、猫の予想外の行動に振り回されてかえってストレスが増えてしまうことも…。
「もっと猫のことをよく学んでから引き取ればよかった」と後悔している人や、そうならないために、きちんと予備知識を身に付けてから猫を引き取りたいと考えている人におすすめしたいのが、「ねこ検定」試験へのチャレンジだ。
これまでに1万7000人以上が受験している「ねこ検定」ってどんなもの?
ねこ検定とは、猫のことをより広く、深く知り、猫との時間を豊かにしてもらうことを目的に、「日本出版販売」という会社が中心となり2017年3月にスタートした検定試験(現在は検定部門を「ニッパンセグモ」として分社化)。猫好きの聖地である猫本専門店「神保町にゃんこ堂」の特別協力のもと、問題を作成していて、今年3月に6回目の試験が予定されている。
第5回までの受験者数はのべ1万7124人。初級~上級まで3段階の試験があり、それぞれ公式テキストが書店で販売されている。
筆者の個人的な感想を言わせてもらえば、ねこ検定の試験勉強の最大のメリットのひとつは、猫好きにとって「公式テキスト」が圧倒的に面白い、ということ。筆者はこれまでに2匹の猫と暮らし、猫関連の取材も多く、それなりに知識はあるほうだと思っていたが、それでも「知らなかった!」と驚く事実が盛りだくさんで興味がつきなかった。
猫飼いはもちろん、猫と暮らしたことがないけれど猫好きな方、いつか猫と暮らしたいと思っている人なら、このテキスト1冊をすみからすみまで読めば1年間は楽しめそう。そして読み込めば、きっと自分の実力を判定したい気持ちになるだろう。
公式テキスト『ねこ検定 公式ガイド BOOK 初級編 新版』(税抜き1400 円※以下同)模擬問題50問付き、『ねこ検定 公式ガイド BOOK 中級・上級編 新版』(1500 円)模擬問題50問付き、サブテキスト『ねこの法律とお金 増補改訂版』(1700 円)・2022年10 月 7 日に全国書店で3冊同時発売。
「ねこ検定」が気になっている人のために、その概略をざっくりと解説しよう。
■ねこ検定の素朴な疑問①…どんな人が受験しているの?
獣看護師さん、猫と暮らしている方、猫カフェ店員など。男女の比率は女性の方が多い(女性67%、男性33%)が、延年男性の受験者が増えている。年代は30代が最も多い(35.1%)、次いで40代(21.6%)、50代(18.1%)、10代(16.7%)。
■ねこ検定の素朴な疑問②…検定に合格するメリットは?
受験経験者へのアンケートによると、この検定試験の勉強を通じて「よりねこの気持ちが理解できるようになった」と答えた人が89%。85%が「ねことの暮らしや日々に役立っている」と答えている。
ちなみに合格者には、「合格認定証」や「認定カード」などの合格特典が進呈されるが、今回から中級・上級を100点満点で合格した人に対して特別な「満点合格認定証」がそれぞれ進呈される。
■ねこ検定の素朴な疑問③…初級・中級・上級の目安は?
初級は「ねこのパートナーレベル」。ねこにストレスを与えることなく、一緒に過ごすための知識を問う。
中級は「ねこのスペシャリストレベル」。ねこの一生に責任を持ち、お互いに幸せに過ごせる知識を問う。
上級は「ねこのマスターレベル」。ねこの行動や気持ちを理解し、ストレス予防や医療にも精通する知識を問う。
■ねこ検定の素朴な疑問④…どうやって受験するの?
前年までは全国5都市での会場で試験が行われていたが、2023年から会場での検定に加え、スマートフォンやタブレットでの自宅受験も可能になった。自宅でも気軽に検定試験を受けられることで、一気に受験者が増えそうだ。
※試験場所や受験料など詳しくはねこ検定公式サイト参照