『おでんの日』という記念日をご存じでしょうか?数ある記念日のなかでも、あまり耳なじみがないという人も多いかもしれません。ここでは、『おでんの日』が制定された経緯やおでんにまつわる豆知識、ご当時おでんなどについて紹介します。
おでんの日っていつ?
『おでんの日』という記念日があること自体、知らない人も多いでしょう。ここでは、おでんの日がいつ、どういった経緯で作られたのか、そしておでんの日を制定した『越乃おでん会』について紹介します。
おでんの日は2月22日
2月22日は『おでんの日』です。このおでんの日は、新潟県の『越乃おでん会』という団体が記念日として制定し、日本記念日協会において認定・登録がされている記念日です。
なぜ2月22日なのか疑問に感じた人もいるかもしれません。ぐつぐつとじっくり煮込んだおでんを食べるときに、『ふーふーふー』と息を吹きかけて食べますが、おでんを冷ます一連の動作である『2(ふー)・2(ふー)・2(ふー)』が由来となっています。
おでんの日を制定したのは「越乃おでん会」
おでんの日を制定した『越乃おでん会』は、新潟県にある市民団体です。新潟のおでんのPRや新潟らしいオリジナルのおでんを開発したり、全国おでん合戦といったイベントも催したりと、おでんに対する熱い思いを多くの人に伝えたい一心で活動を続けています。
もともとおでんの日は、新潟のラジオ番組『クチこみラジオ越後じまんず』内で、新潟で新しい記念日を作りたいという企画から生まれたもので、2007年に企画が成功し、無事記念日として制定されました。
2月22日には、越乃おでん会を中心として、新潟のおでんだけではなく各地のご当地おでんを全国にPRし続けています。
おでんに関わる記念日は他にも
実はおでんの日は、2月22日だけではありません。おでんの日に関わるその他の記念日について二つ紹介します。
10月10日は「紀文・いいおでんの日」
おでんの日に関わる記念日の一つが、10月10日の『紀文・いいおでんの日』です。ちくわやはんぺん・さつま揚げなどのおでんの種を販売している株式会社紀文食品が、おでんのおいしさや魅力を世の中の多くの人に伝えたいという思いから、2016年に制定しました。日本記念日協会においても同年認定・登録されています。
10月10日になった由来は、10月ごろから鍋物シーズンに入ることと、『いい(1)・お(0)・でん(10)』の語呂合わせからきています。
10月5日は「みそおでんの日」
おでんの日にまつわるもう一つの記念日は、10月5日の『みそおでんの日』です。みそおでんの日は、こんにゃくの製造を行っている、株式会社ヨコオデイリーフーズが『田楽みそおでん』を多くの人に知ってもらいたいという思いで制定しました。
田楽みそおでんは、おでんの元祖ともいわれ、群馬県で古くから愛されてきたおでんの一種です。
またヨコオデイリーフーズは、本社がある群馬県内に『こんにゃくパーク』という施設を運営しています。2022年にはみそおでんの日に合わせて、10月1日から30日まで期間限定で、人気の『月のうさぎ 田楽みそおでん』の食べ比べができるイベントを開催しました。
※2023年1月25日時点の情報です
参考:【こんにゃくパーク】10/1より、みそおでんの日イベント開催|株式会社ヨコオデイリーフーズ
おでんにまつわる豆知識
ここからは、おでんにまつわる豆知識について紹介します。おでんの誕生の歴史や、関東と関西のおでんの違いについて見ていきましょう。
おでんの歴史
おでんはもともと『田楽』がルーツとなっています。田楽とは、平安時代から行われていた楽舞のことで、田植えの時期に豊作を祈願するため行われていました。
室町時代・安土桃山時代になると、豆腐を串に刺し焼いて調理を行う『豆腐田楽』が広まり、これがおでんの起源とも呼ばれ、多くの人に親しまれます。江戸時代になると、田楽のバリエーションが増え、なすや豆腐・こんにゃく・魚などの田楽が楽しまれるようになりました。
明治時代に入ると、汁気がたっぷりと入ったおでんへと変わっていきます。大正時代には出汁も変化し、これまでは関東の濃口しょうゆだけだったのが、関西圏では薄口しょうゆの出汁も親しまれるようになったのです。
昭和に入ってからは、屋台や居酒屋などで庶民が楽しめるメニューとなり、現代に至ります。
関東・関西のおでんは違う?
関東のおでんと関西のおでんは、出汁の味付けが異なります。
関東のおでんでは、濃口しょうゆをベースで使い、昆布・かつお節で出汁を取り、みりん・酒で味を調えていきます。また関東のおでんでは、ちくわぶやはんぺん・すじなどが人気の具材となっており、特にちくわぶに関しては、関西のおでんには見られない関東だけの具材なのです。
一方で、関西のおでんは薄口しょうゆを使うのが一般的で、昆布とかつお節で出汁を取るのは関東のおでんと共通しますが、関西では塩で味を調えます。また、関西ではおでんのことを『関東煮(かんとだき)』と呼ぶことがあるそうです。
おでんの日には「ご当地おでん」がおすすめ
ここまでおでんの日に焦点を当て解説をしてきましたが、おでんの日には熱々のおいしいおでんを食べるのがおすすめです。おでんの日に食べてみたい、静岡と小田原のご当地おでんについて紹介します。
静岡おでん
まず一つ目のご当地おでんは『静岡おでん』です。静岡の郷土料理で、色の黒い出汁で煮込み、黒はんぺんや大根・卵・すじなどをすべて串に刺して食べるスタイルです。
静岡おでんは、静岡県内の駄菓子屋でも販売されており、地元の人は子どものころから親しみ深いおでんであるといわれています。
また、静岡のイベントで『静岡おでん祭り』も開催されており、毎年3月中旬の3日間で開催され、イベント当日は静岡おでんを提供しているお店が出店し、おいしい静岡おでんをじっくりと堪能することができます。
静岡県民だけでなく、県外の人も十分静岡おでんを楽しめるイベントとなっています。
※2023年1月25日時点の情報です
小田原おでん
ご当地おでんの二つ目は『小田原おでん』です。一般的なおでんと小田原おでんの大きな違いは、おでん種にあります。小田原おでんは、小田原の老舗かまぼこ店や商店がおでん種を作っており、定番のものから地元ならではの変わり種までさまざまなおでん種を堪能できます。
また、『小田原おでん祭り』というイベントが毎年10月に2日間開催されています。近年は、台風や新型コロナウイルスの影響もあってしばらく開催されていませんでしたが、2022年に4年ぶりに復活・開催されました。
小田原おでん祭りでは、静岡おでんの種を製造している地元の製造業者が集まり、さまざまなおでん種を楽しむことができます。
※2023年1月25日時点の情報です
構成/編集部