■連載/阿部純子のトレンド探検隊
一番汗をかく場所はワキ下ではなかった!?
真冬でも暖房の効いている場所に長くいると、汗のニオイが気になるという人も多いはず。制汗剤ブランドの「エージーデオ24」が20代~ 50代の男女 800名を対象に行った「最も汗をかくと思う場所」に関する意識調査では1位が「ワキ下」に。しかし、実際の部位別発汗量の1位は「背中」、2位は「首」で、最も汗をかくと認識されている「ワキ下」は8位と、人の感覚的な認識と実態にギャップがあることが明らかになった。
季節を問わず気になる汗のニオイだが、ファイントゥデイ ブランド価値開発研究部 研究員 工学博士 大川洋氏にニオイ発生のメカニズムを解説してもらった。
ニオイは汗腺からの分泌物が原因で発生するが、汗にはアポクリン腺、エクリン腺の2種類がある。アポクリン腺はワキ、陰部、耳などに存在、黄色くねばついた汗を分泌し、脂肪、たんぱく質などを多く含み、エクリン腺は全身に広く分布する汗腺で、さらっとした汗を分泌しほとんどが水分。
汗そのものが臭うことはほとんどなく、いずれも細菌が分泌物を分解することでニオイが発生する。アポクリン腺は酸臭、脂臭、スパイス臭などが発生、エクリン腺はいわゆる汗臭につながっていく。
「従来のデオドラントは汗臭に集中して開発されてきましたが、最近では汗以外のニオイの発生があり、具体的には皮膚からガスが発生していることが判明しました。人の手から発生する皮膚ガスを延べ約400名から採取。機械分析だけでは特徴がつかめないため、サンプルを直接嗅いで調べたところ、『共通の独特のニオイ』を感じることがわかり、モニターのアンケート時の様子や表情を再解析した結果、『緊張やストレスを感じている』という共通点が浮上し、『ストレス臭』の正体である2つの成分を特定しました。
また、最近の研究ではストレス臭を本人が感じるとそれがストレスとなりさらにストレス臭が増大する『ニオイのスパイラル』が発生することがわかっています」
汗臭だけでなくストレス臭、加齢臭といった大人のニオイにもデオドラントケアが必要
三大臭気といわれるのが汗臭、ストレス臭、加齢臭。汗臭はすっぱいニオイ、ストレス臭はネギのようなニオイ、加齢臭は油が劣化したようなニオイとそれぞれ特徴が異なる。3つのニオイが同時に発生することもある。
「エージーデオ24」は3つのニオイをケアできるのが特長。汗臭ケアでは、有効成分「IPMP」を配合し、汗のニオイの元となる菌を“殺菌”してニオイの発生を防ぐ。ストレス臭+加齢臭には強い香りをかぶせてごまかすのではなく、元のニオイに対応する「アンセンティッド技術」という独自技術でケアする。
従来のデオドラント剤によくあった、ストレス臭や加齢臭に強い香りをかぶせるという方法では根本ケアはできていないことから、ストレス臭を独自技術成分の中に取り込むハーモナージュにより、ニオイを気にならなくさせるアンセンティッド技術を採用。ハーモナージュとは不快な香りを良い香りに調和させる技術で、ガムなど口臭予防にも使われている。
汗臭に加えてストレス臭+加齢臭といった大人のニオイに対応したのが「エージーデオ24 プレミアムライン」。スプレーとシートがあり無香性で男性でも使いやすい。プレミアムラインに1月25日から「プレミアムロールオン」(オープン価格/想定価格950円・編集部調べ)が新たに登場する。
同社の調査ではロールオンタイプを使っているユーザーはニオイケアへの意識がとても高いと判明。ロールオンに求めているものとして、2018年ごろまではワキの汗止めを目的に使っている人が多かったが、現在は汗止めのみならずニオイを止めて欲しいというニーズが求められている。
ユーザーは40~60代が半数以上で、アンケートでは気になるニオイとして汗臭に加えて加齢臭が挙がったことから、プレミアムロールオンとして、汗臭・ストレス臭・加齢臭まで3つのニオイをケアする商品を発売。速乾性があり、塗った瞬間からワキさらさら効果が持続する。現行ロールオンとの違いとしては、汗臭+ストレス臭+加齢臭の3種のニオイに対応するほか、AG独自の肌にとどまりやすい新殺菌成分を配合、水に強いウォーターキャッチパウダー新配合している。
【AJの読み】冬の方が汗のニオイが強い?
重ね着や密閉性のあるインナーの着用、汗の成分濃度が夏場と異なるなどの要因もあり、冬の方が汗のニオイが強くなると言われている。暖房の効いた室内に長くいたり、動いて汗をかいた後に、汗臭さを感じて焦ってしまうという経験のある人も少なくないのではないだろうか。
年齢を重ねると、汗臭だけでなく「ストレス臭」「加齢臭」が加わる三大臭気に悩まされることもあり、デオドラントは夏場だけでなく冬もしっかりと行いたい。
文/阿部純子