『闇落ち』という言葉をご存知でしょうか? 漫画やアニメのキャラクターが悪人へと変貌していく際や、普段の会話の中でも使われるケースがあります。ここでは、闇落ちの意味や使い方、闇落ちしていった代表的なアニメのキャラクターについて紹介します。
闇落ちとは?
闇落ちの意味・語源
『闇落ち』の意味は、元々善人だった人物が、何らかの理由で悪人へと変貌してしまうことを指します。闇落ちの主な原因としては、絶望感に打ちひしがれたり、不信感や劣等感といった感情を抱いたりすることによって、闇落ちしてしまうパターンが多いようです。
また、そもそも最初から悪人で、善人のフリをしていた場合は闇落ちには該当しません。
闇落ちの語源ですが、善人は『光』で象徴されるのに対し、悪人はその対極の『闇』と表現されることからきているといわれています。また、『落ちる』という言葉には、良い状態から悪い状態へと変化するという意味があります。これらの意味合いが重なって、『闇落ち』という言葉が生まれたとされているのです。
闇落ちの類義語・対義語
闇落ちの類義語と対義語について解説しましょう。
まず類義語についてですが、『ダークサイドに落ちる』や『悪落ち』という言葉があります。ダークサイドに落ちるというのは、闇は『ダークサイド』とも表現できるため、闇に落ちるという意味になります。
また、悪落ちは、元々味方であった人間が敵側に回ってしまうことです。
一方、闇落ちの対義語としては、『光落ち』という言葉があります。この言葉は、光と闇が対極の関係にあることから、明らかに敵側だった人物が何らかの出来事をきっかけに改心し、味方になるといったケースなどで用いられます。
闇落ちを使った用語
闇落ちという言葉を使った用語がいくつかあるため、紹介しましょう。
一つ目は『闇落ち診断』です。闇落ち診断とは、いわゆる性格診断や心理テストに近いもので、自分自身の闇落ちレベルを診断できるというものになります。闇落ち診断はインターネット上でいくつもあるため、気になる人はトライしてみましょう。
また、『闇落ちとまと』という言葉も存在します。闇落ちとまとは、新潟市の曽我農園が、一部が黒く変色して『尻腐れ』とよばれるトマトを『闇落ちとまと』と命名し販売したことから生まれました。
闇落ちとまとはそのインパクトのあるネーミングによる話題性と、見た目が良いとはいえないものの糖度が高くとても甘いことなどから大人気商品となっています。
闇落ちしていったアニメのキャラクター
漫画やアニメのキャラクターの中には、闇落ちしていったキャラクターが何人も存在します。ここでは、闇落ちしていった人気のアニメキャラクターをピックアップして紹介しましょう。
うちはサスケ(NARUTO)
『NARUTO』は、週刊少年ジャンプにて連載されていた人気漫画であり、アニメ化もされている作品です。そのNARUTOに登場する主要キャラクターの一人、『うちはサスケ』は闇落ちしてしまったキャラクターとして有名です。
うちはサスケは、元々は主人公である『うずまきナルト』の仲間でありライバルでした。しかし、うずまきナルトの成長していく姿を目の当たりにした結果、焦りや憤りを感じるようになり、闇落ちしてしまいます。
ただし、うちはサスケは物語のラストでは、うずまきナルトと真摯に向き合って改心しました。うちはサスケが改心するシーンは、特にファンから人気のエピソードとして知られています。
【公式】NARUTO OFFICIAL SITE(NARUTO -ナルト- & BORUTO -ボルト-オフィシャルサイト)
夜神月(DEATH NOTE)
DEATH NOTEは、週刊少年ジャンプで連載され、アニメ化はもとより実写映画化までされた人気の作品です。主人公の『夜神月(やがみらいと)』は、闇落ちしたキャラクターとして世間にも広く認知されています。
夜神月は、頭が良くスポーツも万能で、日本一の大学に主席で入学した経歴を持つ天才です。しかし、死神リュークの落としたデスノートを拾ったことがきっかけで、次第に闇落ちしていきます。
物語の中では、夜神月が新世界の神になるという目標を掲げ、犯罪者などの社会を乱す者を中心に次々とデスノートで殺害していくといった、凄惨なエピソードが展開されます。
映画『DEATH NOTE デスノート Light up the NEW world』特設ページ|集英社
マイキー(東京リベンジャーズ)
東京リベンジャーズは、週刊少年マガジンにて連載されていた漫画で、のちにアニメ化・実写映画化・舞台化が行われた人気作品です。『マイキー』は、登場するキャラクターの一人で、東京リベンジャーズの中でも最強の人物と称されています。
そんなマイキーが闇落ちした理由として最初に挙げられるのは、兄である佐野真一郎が亡くなってしまったことです。そしてさらに、妹である佐野エマの死や、幼馴染である場地圭介の死も、闇落ちを加速させてしまった原因であるとされています。
「闇落ち」の言葉の使い方・例文
『闇落ち』の言葉の使い方について例文を交えながら、漫画やアニメに対して使用する場合と、普段の生活で使用する場合をそれぞれ解説します。闇落ちという言葉を日常的に使えるようになりましょう。
漫画やアニメに対して使用する場合
前述した通り、漫画やアニメのキャラクターは、物語が進んでいくにつれ闇落ちしてしまうケースがあります。漫画やアニメで闇落ちしてしまうキャラクターに対しては、次のように使われます。
- 不幸なことが次々と起きているから、そろそろ●●は闇落ちしてしまいそう。
- ●●は酷い目に遭ってるけれど元々いいやつだったから、まさか闇落ちするなんて全く予想してなかった。
このように、本来味方であったキャラクターが闇落ちしてしまう場合、読者や視聴者からは、闇落ちの気配を感じつつ、結果的に闇落ちしてしまったときに驚きを隠せないといった事態になってしまうことが多いといえるでしょう。
普段の生活で使用する場合
日常生活においても、闇落ちという言葉は使用可能です。例えば愚痴を吐きたいときなど精神状態が弱っている場合に、『闇落ち』が使われることがあります。具体的には次のような使い方をします。
- 毎日仕事と家事、子育てで忙しすぎて闇落ちしそう。
- 仕事の上司に怒られ続けて、もう闇落ちしてしまいそう。
ストレスが溜まり、気が狂ってしまいそうなほどの出来事があったときに、しばしば『闇落ち』という言葉は使われるのです。また、料理をしている際に失敗し、黒焦げにしてしまった場合などに、下記のような形で闇落ちを使うことがあります。
- 闇落ちしたホットケーキができてしまった。
このように、黒く変色したものを『闇』と表現するユニークな使い方もできます。
構成/編集部