毎年、多くの企業が倒産しているのは周知の事実だ。では、上場企業に限った場合、たとえば昨年2022年では、いったい何社の上場企業が廃業の憂き目に遭っているのだろうか?
帝国データバンクはこのほど、2022年に発生した上場企業倒産について調査・分析を行ない、その結果を発表した。
リーマン・ショック(2008年)の33件をピークに減少、2022年は1件
2022年の上場企業倒産は、29日17時時点で1件となっている。2020年以来2年ぶりの発生となったほか、1件にとどまったのは2019年以来3年ぶり。倒産したのは当時東証スタンダードに上場していたバイオベンチャーのテラ(株)(東京都)で、8月に破産手続き開始決定を受けた。
同社はコロナ治療薬の開発などを行っていたが、インサイダー取引など金融商品取引法違反などのトラブルが発生。研究開発費負担が重いなか、第三者割当増資などの資金調達がままならなくなり、資金繰りに行き詰まって事業継続を断念した。
上場企業倒産はリーマン・ショックが起きた2008年(33件)をピークに減少傾向が続いており、政府が2023年にも通常国会への提出を目指すとされる「私的整理の多数決制導入」が実現することでさらに強まる可能性もある。
ステークホルダー(利害関係者)を多く抱える上場企業では、混乱やブランドイメージの毀損を最小限にとどめるために法的整理(倒産)回避の動きがさらに進むことが予想され、2000年代前半や2008年のリーマン・ショック時に多発した「上場企業倒産」はほとんど発生しなくなるとみられる。
出典元:帝国データバンク
構成/こじへい
@DIME公式通販人気ランキング