オフピーク定期券
JR東日本は今年3月から首都圏の設定区間において『オフピーク定期券』の提供を開始する。これは、平日朝のピーク時間帯以外に利用できるSuica通勤定期券。通常の定期券が同時期に現行より約1.4%増の運賃に改定されるのに対して『オフピーク定期券』は現行より約10%値下げされた運賃になる。
導入の背景については「コロナ禍によって、お客様は3密回避や混雑緩和を強く志向されるようになっています。そのことをふまえ、今より割安の新たな定期券サービスを導入することにより、通勤時間帯をピーク前後にシフトしていただいて通勤時の負担を軽減し、快適で安心な通勤環境を提供したいと考えています」と、JR東日本の広報担当者は話す。
『オフピーク定期券』の利用者がピーク時間帯に利用した場合、別途IC普通運賃が必要。改札通過時に利用者のSuicaの残高から差し引かれることになる。その旨がわかる表示を、入場駅の改札機などで行なう予定だ。
JR東日本では「浸透するまでには時間が必要」としながらも、導入の約1年後には同定期券の利用者が、該当する通勤定期券の約17%になることを目指す。
『オフピーク定期券』の導入は、混雑緩和や鉄道利用の平準化につながる。輸送ダイヤの見直しなどのメリットにもつながりそうで、今後、ほかの鉄道会社にも広がっていくだろう。
2023年3月から導入開始!現在とオフピーク定期券導入後(2023年3月〜)の定期運賃(通勤1か月)
(参考)現在実施中の「オフピークポイント」のピーク時間帯
取材・文/綿谷禎子(オフピーク定期券) ※バリアフリー料金を除いた運賃に対して。