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タイでも大人気!ポケモンカードの世界的ブームを牽引する日本のポップカルチャーと共に育った若者世代

2023.01.15

タイ語版のポケモンカード。

アニメやゲームなどメディア、そして時代を越えて愛されるポケモン。皆さんの中にもハマっていられる方がいるのではないでしょうか?また海外でも人気が高いのもご存知の通り。中進国として経済的に発展をしているタイで、今、ポケモンカードが熱く盛り上がっています。

欧米人客も訪れる専門店

バンコクにある専門店の『プロ・ショップ』。

タイの首都バンコクのサイアム地区。街最大の繁華街で、若者も集まり文化の発信地となっている“銀座+渋谷÷2”といった場所です。ここにある大型ショッピングモールのMBKセンターにポケモンカード専門ショップの『プロ・カード(Pro Card)』があります。オープンしたのは昨年(2022年)2月。

「もともとポケモン世代で子供の頃、夢中になっていました。タイ語版のポケモンカードが販売されると聞いて買ってみると、開封するまでのワクワクや、みんなで遊べる楽しみにまたハマってしまいました。同時に、これはビジネスになるのではないかと考え店を開いたのです」とオーナーのマナペット・チョンマンクホンさん。

ポケモンカードは日本語版の他、英語版やフランス語版等の欧米諸国の言語、中国語などのバージョンが発売されてきて、タイ語版は2019年の2月から発売されています。

オーナーの チョンマンクホンさん&常連でプレイヤーのスーさん。

現在、バンコクに専門ショップが約50軒、また全国チェーンの書店でもカードが販売されているためバンコク以外の地方でも入手が可能です。そんな中でチョンマンクホンさんの店は品揃えの多さ、立地の良さ、スタッフの知識の豊富さなどで顧客の支持を得ています。

「平日は約100人、週末はそれを上回る数がやって来ます。場所柄、外国人の顧客の数も多いです」

実際、取材中もロシア人家族が店を訪れていました。

カード大会も毎週開催

全国大会での様子。みんな真剣その物。

ポケモンカードの大会も毎週のように開催されています。その中で現地で活躍し注目を浴びている日本人プレイヤーがいます。福永琢也さん(33歳)は電機関連商社の駐在員としてバンコクに赴任。もともと日本でポケモンカードをプレイしていて、タイでも続けたいと思い、大会へ飛び込んで行きました。

「最初はエントリーの仕方も分からず、タイ語も片言ですから焦りまくりました。でも、タイの人たちが優しく英語でいろいろと解説してくれたのですぐに慣れていきました」

もともとポケモンカードという趣味の仲間であり、親日国でもあることから、多くの現地の友人を作れたそうです。

ただ、当然、カードに書かれているのはタイ語。カードの内容を日本語版で丸暗記して、試合に臨みました。

日本人プレイヤーとして活躍する福永さん。

「日本ではショップが運営する会場で大会が開かれるのが普通ですが、タイではショッピングモールのフードコートや地方では小学校の講堂を使ったりするんです。講堂だと周りに何も飲食の店がないので、屋台が会場に出店していたりしてちょっとしたお祭りです(笑)」

福永さん、努力の甲斐あり、タイのオフィシャルなランキング・ポイントで何と全国5位に入っています。このランキングの上位選手は今年8月に日本で開催されるインターナショナル大会への出場権も得られるそうです。

こんな風に盛り上がりを見せているタイのポケモンカード・ブーム。そのため、レアカードの入手にみんな熱くなっています。

バンコクで開催されたポケモンカード25周年記念の展覧会。

「2021年にポケモンカード25周年記念の展覧会が開催されたんですが、その際、限定カードが配布されるということでお子さんたちおじいさん、おばあさんも連れて並んでいましたね(笑)。限定カードをたくさん手に入れるためです」と教えてくれたのはダナイ・スーさん。

先述のプロ・カードの常連で、彼自身もプレイヤーで全国125位に入っています。日本に10年滞在していて、日本とタイ両国のポケモンカード事情に詳しい人物です。

また、タイのポケモンカードは投資の対象としても注目が集まっているそうです。

日本ではレアなポケモンカードに数百万円の値段が付いていたりしますが、タイではまだ高価なカードでも数万円程度。しかし、将来の高騰を見込んで入手する人が増えているというのです。

特典で手に入るカードの1枚。

「投資の対象として見るのは海外の人が多いですね。だから、レアなカードがどんどん外へ流れて行っています。例えば、この『Vスターユニバース』の特典ポケモンカード。日本では受注生産制でそれに対し1枚が付いてくるシステムでしたが、タイでは2箱買うとそのまま付いてきます。タイのショップでも特典カードが店頭からなくなりつつある状態です」

ポケモンカードのような、いわゆるトレーディング・カードの価値を客観的に図るための鑑定団体が世界各国にあります。一番有名なのはアメリカに拠点を置くPSA(Professional Sports Authenticator)ですが、このような状況の中、タイでもSQC(Special Quality Cards)という団体がありポケモンカードの鑑定を行っているそうです。

買っておけば将来高値になるかもしれない。

今回のタイのポケモンカード・ブームですが、正に日本のポップカルチャーで育ってきた層が中心になって巻き起こっています。日本のコンテンツ文化の強さを示しているともいえるでしょう。

取材協力:木本憲志(へなぎ)さん=音楽プロデューサー兼ポケモンカード評論家

梅本昌男(海外書き人クラブ会員) フリーライター。タイや東南アジア諸国の記事をJAL機内誌などの媒体に書く。単行本『タイとビジネスをするための鉄則55(アルク)』。NHKラジオへの出演や写真ACのモデルの仕事なども行っている。世界100ヵ国以上の現地在住日本人ライターの組織「海外書き人クラブ」会員

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