日本で1番最初に“韓流ブーム”が始まったのは、2003年~2004年に放送された、韓流ドラマの『冬のソナタ』がキッカケと言われている。それ以来、韓国ブームは着々と定着し、ドラマやアイドル、フードやコスメなど、日常にも幅広く浸透してきている。
そして、最近じわじわと人気が広がっているもののひとつが「韓国パン」だ。今回は、今注目の韓国パンについてご紹介したい。
ガーリックと甘めのクリームチーズが特徴的な「マヌルパン」
まずご紹介したいのが「マヌルパン」だ。これは韓国版のガーリックトーストと言える。丸いパンに十字の切り込みを入れ、ガーリックバターが染み込んだパンに甘く味付けされたクリームチーズを挟んだものだ。甘じょっぱくクセになる味だという。カロリーを気にせずに食べたい一品だ。
マヌルパンは韓国の屋台などで以前から人気のものとのことで、最近では日本のベーカリーやカフェなどでも購入できるところがある。
東京のコリアタウンと呼ばれる新大久保に店舗を構える「2D CAFE」は、2次元をコンセプトにしたカフェだ。ここではさまざまな韓国フードを楽しめる。「2D CAFE」でもマヌルパンは人気商品のひとつ。オーナーのハン チエ氏にマヌルパンについて話を聞いた。
「マヌルは韓国語で『ニンニク』をさすので、ニンニクパンという意味です。ガーリックとバターほかいろいろ混ぜて、パンをまるごと漬け込んでから焼きます。さらにクリームチーズも挟んであるので、とても美味しいです」
自家製のガーリックソースやクリームチーズが入った「2D CAFE」のマヌルパン(税込480円)
ハン氏は、韓国出張中にマヌルパンを食べ、そのおいしさに感動し、販売を決意したという。
マヌルパン以外にも、2D CAFEではクロワッサンをワッフルにした「クロッフル」も人気とのこと。こちらも韓国の屋台などで、近年ブレイクした韓国スイーツだ。
■2D CAFE 公式instagram(https://instagram.com/2dcafe_shinokubo)
ツイストドーナツとは違う…?「クァベギ」
続いては「クァベギ」だ。クァベギは韓国語で「ひねる」という意味だという。パッと見は日本で言うところの「ツイストドーナツ」に似ており、馴染みある形状だ。クァベギも、韓国の屋台などで以前から人気の定番スナックのひとつとのこと。
ツイストドーナツと違うポイントはなんだろうか?福岡市中央区大名にあるクァベギ専門店『タナカフェ』のオーナー、田中さんに話を聞いた。
「クァベギは、材料にもち米が入っていたりするので、ツイストドーナツと似ていますが、よりモチモチした食感がポイントです。韓国に観光で行った時に屋台で食べ、見た目も可愛いく、モチモチしておいしいと思いました。関東にはすでにクァベギ専門店があったのですが、九州にはまだクァベギ専門店がないようだったので、始めました」
ショーケースにずらりと並ぶタナカフェのクァベギ
人気の商品は「オレオクリーム」と「きなこプレーン」とのこと。(税込 各400円)今後は、あんこなど、和を取り入れたクァベギを検討中とのこと。
■タナカフェ公式Instagram(https://instagram.com/tanacafe1)
屋台の人気フード「韓国トースト」
続いては「韓国トースト」だ。手軽に食べられる韓国トーストは、韓国の屋台の定番フードのひとつだという。卵やハム、野菜など具だくさんなものも多く、トーストというよりはホットサンドのイメージに近いかも知れない。
原宿にある「韓国屋台トースト」専門店「AMPM(エーエム・ピーエム)」の店長の堀氏に話を聞いた。
「韓国の屋台では、気軽に食べ歩きできるような小さめなトーストが定番です。当店では韓国の定番家庭料理、『チェユクポックム』という豚肉の甘辛炒めをトーストにし、日本風にしました。ランチとしてもおやつとしても食べられるボリュームのあるトーストです」
チェユクポックムトースト(税込900円)
チェユクポックムトーストと、日本で言うところの“きなこ餅”を載せたトーストであるインジョルミトーストは1番人気の商品とのこと。
インジョルミトースト(きなこ餅)のアイス載せ(税込800円+アイス100円)
AMPMでは、韓国の人気スイーツ「クロッフル」もメニューに新登場したところだ。
■AMPM 公式HP(https://ampm-official.com)
じわじわ広がっている「韓国パン」
今回ご紹介した「マヌルパン」「クァベギ」「韓国トースト」の他にも、さまざまな韓国パンが日本の食文化にも広がってきている。今川焼きに卵を入れたような「ケランパン」や、さつまいもに見た目がそっくりで、甘くてモチモチだと言う「コグマパン」なども、SNSで検索するとたくさん出てくる(ちなみに、ケランは「卵」、コグマは「さつまいも」という意味だ)。
今後、あちこちの街角で目にすることも増えそうな韓国パン。名前に聞き覚えはなくても、材料は意外となじみのあるものばかりなので、見かけたらぜひ一度お試しいただきたい。
取材・文/まなたろう