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4月から解禁される「デジタル給与」制度が社会や企業に与える影響は?

2023.02.25

社会におけるキャッシュレス化が加速する中、『デジタル給与』の解禁が目前に迫っています。給与をデジタル払いにした場合、企業や従業員にはどのような利点があるのでしょうか?導入の背景や社会への影響、導入に向けて企業が準備すべき項目を解説します。

デジタル給与とは?いつ解禁される?

新型コロナウイルスの蔓延や働き方改革の影響により、日本社会のデジタル化は大きく進展しました。日本政府はキャッシュレス化をさらに加速させるため、『デジタル給与(賃金のデジタル払い)』を検討しています。デジタル給与とはどのような制度で、いつ解禁されるのでしょうか?

電子マネーや決済アプリでの給与の支払い

デジタル給与とは、企業の給与支払いにデジタルマネーを使用することです。現在の日本において、給与は現金で銀行口座に振り込むか、手渡しをするのが一般的です。デジタル給与が導入されれば、電子マネーや決済アプリによる給与の振込・受取が実現するでしょう。

企業側は従業員個人の銀行口座ではなく、中間連携システムを介して従業員が開設した『資金移動業者のアカウント』に送金を行います。

資金移動業者とは、資金決済に関する法律に基づき為替取引を行える銀行以外の事業者のことです。具体的には、『〇〇ペイ』といった名称の電子マネーや決済アプリを指します。なお、仮想通貨や暗号資産、現金化できないポイントでの支払いは認められていません。

参考:資金移動業者の口座への賃金支払(賃金のデジタル払い)について|厚生労働省

2023年4月に解禁される

労働基準法第24条においては、『賃金は、通貨で、直接労働者に、その全額を支払わなければならない』とされています。厚生労働省は2022年10月、労働基準法施行規則の一部を改正する省令案を発表しました。

改正後は、労働者の同意を得た上で、かつ一定の要件を満たした場合には、厚生労働省の指定を受けた資金移動業者の口座への給与支払いが可能となります。省令の施行は2023年4月で、資金移動業者の詳細は、厚生労働省のホームページ上で公表される予定です。

出典:第24条|労働基準法 | e-Gov法令検索

参考:資金移動業者の口座への賃金支払(賃金のデジタル払い)について|厚生労働省

参考:労働基準法施行規則の一部を改正する 省令案の概要|厚生労働省

給与のデジタル払いが解禁された背景

お札と電卓と通信機器

(出典) photo-ac.com

日本は世界の中でもデジタル後進国といわれています。2023年になって、給与のデジタル払いが解禁された背景には何があるのでしょうか?

キャッシュレス決済の普及

一つ目は、政府がキャッシュレス決済の普及を推進している点が挙げられます。2021年における日本のキャッシュレス決済比率は約30%です。他の先進国に比べて普及が大幅に遅れていることから、経済産業省は『2025年までに40%程度の普及を目指す』との目標を掲げました。

経済産業省が発表した『2021年のキャッシュレス決済比率』によると、日本のキャッシュレス決済の手段は、クレジットカードが27.7%を占めますが、電子マネー(2.0%)やコード決済(1.8%)を使う人も少なくありません。

デジタル給与が解禁されれば、電子マネーや決済アプリのアカウントに給与が振り込まれるため、利用者は『チャージ』の手間が省けるでしょう。デジタル給与の解禁を機に、キャッシュレス決済を利用する人が大きく増えると予想されます。

参考:2021年のキャッシュレス決済比率を算出しました|経済産業省

外国人の雇用や国内消費の拡大

超高齢化社会に突入した日本は、労働力人口が年々減少しています。人手不足が慢性化している業界も多く、外国人労働者の受け入れを促進すべきという声も上がっているのが現状です。

外国人の中には、給与の受取のための銀行口座を容易に開設できない人もいます。デジタル給与の利用には銀行口座の登録が不要なため、外国人への給与の受け渡しがスムーズになるのがメリットです。外国人労働者を雇用する企業が増え、業界全体の人手不足が緩和される可能性もあります。

日本で働く外国人労働者が増えた場合、キャッシュレス決済を通じた国内消費の拡大にもつながるでしょう。

デジタル給与の解禁で何が変わる?

ビジネスデスクのイメージ

(出典) photo-ac.com

デジタル給与の解禁は、企業や従業員にどのような変化をもたらすのでしょうか?給与のデジタル払いを開始するために、企業が準備すべき手続きについて解説します。

手数料の削減や事務手続きの効率化が可能

短期雇用や日雇いの職場を除き、ほとんどの企業では給与の銀行振込を行っています。従業員数が多い企業では、銀行の振込手数料が大きな負担になる上、場合によっては金融機関に出向いて振込をしなければなりません。

一方、デジタル給与の振込に必要なのは、従業員が指定した資金移動業者のアカウント情報です。銀行振込に伴う一連の事務作業が不要なのに加え、企業側が負担する手数料が低く抑えられる可能性があります。

特に、外国人労働者を多く受け入れている企業にとっては、メリットが大きいでしょう。

従来の支払い方法との組み合わせが必要

デジタル給与が解禁されるといっても、従来の支払い方法が完全になくなるわけではありません。従業員の中にはデジタル給与を希望しない人もいるため、企業側としては『従来の支払い方法』と『デジタル給与』という二つの選択肢を用意しなければならないのです。

仮に、銀行振込とデジタル給与の希望者が半分ずついる場合、経理担当者は両方の処理に追われます。個人情報の管理が今よりも複雑になるため、経理システムや業務フローを見直す必要があるでしょう。システムインフラの改修コストもかさむ可能性があります。

デジタル給与の導入で企業がすべきこと

デジタル給与は、企業と資金移動業者の間に『中間連携システム』が入ります。企業の給与データが電子マネー・決済アプリ用のデータに変換された後、中間連携システムを介して、資金移動業者に連携される仕組みです。

まずは『中間連携システムを提供する事業会社』を選定し、『出力用データ形式』を決定します。従業員が利用する電子マネー・決済アプリの連携情報を収集・登録した後、データ出力システムとの連携を図ります。

従業員に対しては、給与のデジタル払いに関する留意点を説明し、希望者には『同意書』を提出してもらわなければなりません。手続きに関するQ&Aや最新の通達については、厚生労働省のホームページを確認しましょう。

参考:資金移動業者の口座への賃金支払(賃金のデジタル払い)について|厚生労働省

構成/編集部

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