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枕営業をしていたクラブのママに妻が損害賠償請求、裁判所が下した意外な判決は?

2023.01.06

こんにちは。

弁護士の林 孝匡です。

枕営業をしているホステスに神が舞い降りました。

判決を見て、私は瞳孔が開きましたね。

そんな事件をお届けします(東京地裁 H26.4.14)

読んでいただきたい方は、

・ホステスと付き合いたい既婚男性
・ホステスと付き合っている既婚男性
・旦那を寝とったホステスをキャイーン言わせたい女性
・枕営業をしているホステスの方です。

妻 vs 枕営業をしてたママ

妻がクラブママに400万円の損害賠償請求。

「私の旦那と寝たでしょ!」ってヤツです。

~ 結論 ~

クラブママの勝訴!

妻、無念です。

裁判所はザックリ「枕営業で婚姻生活の平和は侵されない」と言ってます。

くわしく解説します。

どんな事件か

会社の社長だったXさんは、月1回~2回、クラブに通っていました。

Xさんは知人をお店に連れて行くこともあり、ママにとって優良顧客でした。

たくさんお金を使ってくれていたんでしょう。

Xさんがお店に通い始めて、約5ヶ月後・・・Xさんとママは男女の関係になります。

その関係は7年くらい続きました。

どのような逢瀬をしていたかと言うと、

・月に1回~2回会う
・だいたい土曜日にランチ
・そのあとホテルへGo!
・午後5時ころに解散

これが7年くらい続きました。

その後は自然消滅しました。

この事実を知った妻が激怒です。

「あなた、私の旦那とSEXしたよね!」

とママを訴えました。

▼ママの反論

ママは以下のように反論しました。

「ママと客との関係であり、それ以上ではない」

「大事なお客様とは店の外でもある程度の付き合いは当然ある」

裁判所の判断

クラブママの勝訴です!

裁判所はザックリ

・これは枕営業だよね
・枕営業なら婚姻生活の平和が侵害されない
・なので妻からママへの損害賠償請求は認めまへん

と判断しました。

以下、くわしく解説しますね。

▼ 相手女性に損害賠償請求できるのは、どんなケース?

前提として、相手女性に損害賠償請求できるのは、相手女性が夫婦の婚姻共同生活の平和を侵害した場合だけなんです。

▼ソープ嬢や売春婦のケース

それを前提とした上で、裁判所はまずソープ嬢や売春婦のケースについて述べます。

・ソープ嬢や売春婦には損害賠償請求できない
・だって嬢は夫の性欲を商売として処理してあげただけだから
・婚姻共同生活の平和を侵害してない

と示しました。

たとえ、夫が何年も頻繁にソープに通っていたとしても、です。

お気に入りのミキちゃんだけを指名し続けていたとしても、です。ジャスミンちゃんでも同様です。

★ ホステスの枕営業の場合

さらに裁判所はブッコミました。

ホステスの枕営業も上と同じです
枕営業なら婚姻共同生活の平和を侵害してない

と示しました。

この「枕営業なら」というのがポイントです。

ということでお次は、

▼ 今回のケースは枕営業なのか?

結論として裁判所は、

今回のは枕営業
・なので婚姻共同生活の平和を侵害してない
・妻からホステスへの損害賠償請求は認めまへん

と判断しました。

↓ これなどを考慮すると「枕営業だ」と判断。

・月に1回~2回会う
・だいたい土曜日にランチ
・そのあとホテルへGo!
・午後5時ころに解散

Xさんがお店に行ってたのが月1回~2回ってところも重視してます。

SEXした回数もだいたい同じだよねってことです。

アウトオブ枕(枕営業を超えているケース)

さて。

枕営業をしているホステスの方、安心していませんか?w

枕を超えると損害賠償請求されます。

アウトオブ枕ケースです。
(私だけが使っている用語なのでご注意を)

アウトオブ枕ケースを2つ紹介しますね。

裁判所が挙げていたので。

▼先輩ホステスの夫を盗ったケース

妻もホステスでした。

妻が先輩ホステスで、ドロボー猫が後輩ホステスです。

この事件では、妻から後輩ホステスへの損害賠償請求が認められました。

裁判所が重視したのは、後輩ホステスが男性を何度も自宅に招いていた、何度も海外旅行に行ったことなど。結論として婚姻関係を破綻させたと認定しました。

▼ ホステスが夫の子を出産

ホステスが夫の子を出産し、その後、同棲をしていたケースです。

これもアウトオブ枕と認定されています。

さいごに

以上のように、ホステスの皆様、アウトオブ枕 ≒ 婚姻関係を破綻させると損害賠償請求されます。

どの程度であれば枕にとどまるのか不明ですが、この裁判官は以下は「枕の範囲内だ」と認定しています

・月に1回~2回会う
・だいたい土曜日にランチ
・そのあとホテルへGo!
・午後5時ころに解散
・これが7年くらい続いた

↓ 妻は「7年も続いてるから恋人みたいなもんでしょ!」的な主張をしたのですが、裁判官は「いや、枕だ」と認定。

(判決文より抜粋)

裁判官の【枕観】にも左右されそうですね。

別の裁判官ならどうなったか分かりません。

とにかくホステスの皆様、負けたくなければインスタント枕寄りにする工夫が必要ですね
(インスタントって何?私の造語なのであしからず)
(雰囲気で察して下さい)

話は逸れますが、このママ、弁護士をつけずに応戦しています(本人訴訟ってやつです)

私の勝手な想像でママは、店に通ってる弁護士に依頼したと思ってたんですよ。自慢話ばかりするしょーもない弁護士だけど利用価値があるので「センセ~助けて~すりすり♥」なんておねだりしてると思いきや、己の力だけで画期的な判決を勝ちとりました。

夜の女性つよし!

というわけで、今回は以上です。

では、また次の記事でお会いしましょう!

取材・文/林 孝匡(弁護士)
【ムズイ法律を、おもしろく】がモットー。コンテンツ作成が専門の弁護士です。
webメディアで皆様に知恵をお届け中。「こんなこと解説してくれや!」があれば、下記URLからポストお願いします。
 https://hayashi-jurist.jp(←プロフィールもコチラ)
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