ソフトバンクは、2022年12月16日より、Xiaomi(シャオミ)の「Xiaomi 12T Pro」を発売。ソフトバンクが取り扱うXiaomi製スマートフォンとしては、初のフラッグシップモデルで、販売価格は14万3280円となります。
Xiaomi 12T Proは、約2億画素のアウトカメラや、高性能チップセット「Snapdragon 8+ Gen 1」を搭載した、文句なしのハイエンド端末。中でも特徴的なのが、およそ19分でフル充電が可能な、120Wの急速充電に対応している点。ソフトバンクは、Xiaomi 12T Proのように20分以内にフル充電ができるスマートフォンを〝神ジューデン〟と名付け、今後も神ジューデンシリーズのスマートフォンを展開する予定となっています。
本記事では、Xiaomi 12T Proの発表会にて紹介された製品の魅力を、実機の写真とともにご紹介します。
19分でフル充電可能なXiaomi 12T Pro登場! 2年以内なら無償でのバッテリー交換にも対応
ソフトバンクの調査によると、スマートフォンユーザーのうち75.5%が、「スマートフォンの充電で困ったことがある」と回答。平均33Wで充電ができるスマートフォンの場合、バッテリー容量が5000mAhだと、フル充電までには54分かかるとされており、忙しい朝の時間などに、フル充電まで待つことができないといったシーンも多くあります。
こういった問題から、ユーザーから充電速度を求める声が多く聞こえたことを受け、ソフトバンクは〝神ジューデン〟という新しい製品コンセプトを定めました。その第1弾製品として発表されたのが、「Xiaomi 12T Pro」になります。ソフトバンクは、今後急速充電市場を開拓する予定で、第2弾、第3弾製品の投入も予告されています。
ちなみに、現在は神ジューデンの定義として「20分以内にフル充電が行えること」と定められていますが、ソフトバンク常務執行役員の菅野圭吾氏によると、「将来的にはもっと短くできる」ようで、Xiaomi東アジア担当ゼネラルマネージャー 兼 Xiaomi Japan 代表取締役スティーブン・ワン氏と、「インスタントラーメンのような状態にまでもっていけないか」と話し合っているとのこと。3分前後でのフル充電といった技術革新にも期待ができます。
急速充電に加え、Xiaomi 12T Proはもともと5000mAhの大容量バッテリーを搭載しているため、バッテリーの持続時間もある程度担保されたスマートフォン。加えて、ソフトバンクでは、Xiaomi 12T Proの購入から24か月以内であれば、通常使用によるバッテリー故障に限り、無償でのバッテリー交換対応も用意されているため、長期間同じスマートフォンを使いたい人にもおすすめとなっています。
充電速度は、スマートフォン側の性能はもちろんのことながら、使用する充電器も大切なポイント。近年は脱炭素といった観点から、スマートフォン購入時に同梱される周辺機器が減らされていく傾向がある中で、Xiaomi 12T Proは120W充電に対応したケーブルとACアダプタが同梱されます。端子は汎用性の高いUSB Type-Cなので、Xiaomi 12T Proだけでなく、ノートPCやタブレットといった製品の充電にも使いやすいのも魅力でしょう。
2億画素×1/1.22インチ大型センサー搭載の強力カメラも魅力
フラッグシップスマートフォンらしく、カメラ性能に優れているのも、Xiaomi 12T Proの特徴。アウトカメラは2億画素広角、800万画素超広角、200万画素マクロの3眼構成、インカメラは2000万画素のシングルレンズを採用。アウトカメラの広角レンズは、光を多く取り込める8枚構成になっており、光学式手ブレ補正にも対応しています。
Xiaomi東アジア担当ゼネラルマネージャー 兼 Xiaomi Japan 代表取締役スティーブン・ワン氏
撮影時には、4×4の16画素を1画素として扱うことで、暗所での撮影時にも高い撮影感度を保てる「ピクセルビニング」技術を採用。拡大しても細かい部分がつぶれることのない精細な写真の撮影が可能となっています。また、高い画素数や大型イメージセンサーを活かした8K動画の夜景撮影や、AIが被写体を追尾してフォーカスを当てる機能なども利用できます。
今回は発表会とタッチ&トライにて、実際に写真を撮影できていないので、写真の仕上がりや操作感といった詳細は、後日改めてご紹介します。
フラッグシップモデルらしい高性能を搭載! 日本向けのローカライズもバッチリ
搭載CPUはSnapdragon 8+ Gen 1。メモリは8GB、ストレージは256GB(SIMフリー版は128GB)となっており、スペック構成は文句なしのハイエンド仕様といえます。内部には、大型のベイパーチャンバーを搭載するなど、放熱にも力を入れているため、アプリゲームを長時間プレイするといったユーザーにもおすすめです。
ディスプレイは約6.7インチの有機ELで、解像度1.5K。大画面で精細な映像が表示できるディスプレイとなっており、扱いやすいフラットディスプレイを採用しているのも特徴でしょう。
背面にはメタリックな素材が採用されており、フラッグシップモデルらしく、高級感のあるデザインも魅力。背面左右は緩く湾曲しているため、手に持った時のフィット感も比較的良好でした。
そのほか、生体認証は顔認証、指紋認証の両方に対応。日本市場で要望の多い、IP53の防水防塵性能や、おサイフケータイ機能も搭載しています。
バッテリーは「大型化」→「急速充電」の時代へ!? キャリアサポートの拡充にも注目
近年のスマートフォンは、大画面化や5G通信の開始といった時代の流れから、年々バッテリー容量が大型化する傾向にあり、5000mAhのバッテリーを搭載した製品も珍しくなくなってきています。
とはいえ、スマートフォンのサイズを加味すると、バッテリーの大型化には限界があるのも事実。ソフトバンクやXiaomiが着目したように、「バッテリーをいかに速く充電するのか」が、今後各社の競争ポイントになっていくかもしれません。
また、ソフトバンクとして24か月以内のバッテリー交換をサポートするのも、Xiaomi 12T Proの重要な要素でしょう。Xiaomi 12T Proの場合、バッテリーの交換は「メーカー独自サービス」として用意されており、ソフトバンクのXiaomiのパートナーシップによって実現しています。近年はSIMフリー端末や中古端末など、スマートフォンを購入できるルートが増えてきている中で、“通信キャリアならでは”のサポート拡充は、ユーザーが購入先、回線の契約先を選ぶ際の決め手になり得るでしょう。
特にバッテリーは、スマートフォンを長期間使用していくうえで欠かせない大切な要素なので、長期間のバッテリー交換に対応したスマートフォンが増えていくことにも期待したいところ。Xiaomi 12T Proは、今後のスマートフォンのあり方が変わっていくことを予感させる端末といえるかもしれません。
取材・文/佐藤文彦