小学館IDをお持ちの方はこちらから
ログイン
初めてご利用の方
小学館IDにご登録いただくと限定イベントへの参加や読者プレゼントにお申し込み頂くことができます。また、定期にメールマガジンでお気に入りジャンルの最新情報をお届け致します。
新規登録
人気のタグ
おすすめのサイト
企業ニュース

DIMEトレンド大賞食品部門賞を授賞!「冷凍 日清本麺」が切り拓いた冷凍ラーメンの新次元

2022.12.31

発売から1か月で100万食、10か月で500万食を突破し、発売1周年を過ぎた今も快進撃を続ける日清食品冷凍の「日清本麺」。〝日清が本気で創った一杯。〟という魅惑的なキャッチフレーズの期待を裏切らず、ラーメンマニアからも称賛の声が上がるという大ヒット商品は、いったいどのようにして生まれたのか。気になる今後の展望は?など、日清食品冷凍の三島健悟さんに聞いた。

(左)日清本麺 こくうま醤油ラーメン
(中)日清本麺 濃厚味噌ラーメン
(右)日清本麺 ゆず塩ラーメン

冷凍麺の世界で、ラーメンだけが時代遅れだった

構想から6年を経て、2021年9月に発売された『冷凍 日清本麺』シリーズ。なぜ、冷凍ラーメンというジャンルで“日清の本気”を見せることになったのだろうか。

「6年かけようとしていた訳ではなく、結果的にこれだけの期間が必要でした。パスタやうどんの冷凍技術は、高いレベルに進化したと思いますが、ラーメンはまだその境地にたどり着いていなかった。市場では、あんかけラーメンやチャンポンなど具やスープに焦点を当てた商品が中心で、麺自体はそれほど期待されていなかったんです。我々は並々ならぬラーメンへの情熱と開発力を持つ会社です。冷凍ラーメンを担当してからずっと、これでいいのか……とモヤモヤしていました。そんな中、開発部門から冷凍ラーメンの世界を広げることができそうな新しい技術の話を聞き、一念発起して開発にチャレンジしたのが『冷凍 日清本麺』シリーズです。」

大型ヒットとなった『冷凍 日清本麺』は、王道の醬油ラーメンへの挑戦から始まった。
写真は『日清本麺 こくうま醤油ラーメン』。

目指したのは王道のラーメン、そして麺の存在感を強めて主役にすること

即席麺やチルド麺では、“王道の醤油ラーメン”や“王道の味噌ラーメン”が当たり前に買えるのに、冷凍ラーメンにはそうしたものが定着していない。即席麺やチルド麺では“美味しさの概念”が出来上がっていたが、冷凍麺では未開の分野ともいえる状態だったのだ。

「旨いラーメンとは何なのか」。三島さんは3つの課題を掲げた。

1 麺の風味、鼻から抜ける麺の香り
2 小麦の味
3 食感

ラーメンがパスタやうどんと違うのは、かんすいの存在だ。麺をすすった時に、かんすいの風味が鼻から抜ける。このラーメンらしい香りが、今までうまく出せていなかった。

「この香りを冷凍ラーメンで出せるようになったことが、最大の進化といえます。ラーメン店と変わらないレベルの麺だよね、とご評価いただくゆえんです」

そして麺の食感も、日清食品冷凍ならではの麺に対する愛と美学が反映されている。

「今まで弊社の冷凍ラーメンは、麺の表面がつるっとしていたんです。でも、ラーメン店のゆでたての麺は、表面にわずかな質感がある。ほんのわずかな違いですが、食べる時に気づいてしまうんです。それは麺文化が根付いている、日本人ならではの感覚かもしれませんね」

『冷凍 日清本麺』シリーズの麺は、表面にちょっと質感があって、噛みしめれば小麦の香りと味が広がる。社内のラーメンのスペシャリストたちが「小麦の花が咲いている」と称する麺が、未開の地・冷凍ラーメンの世界に降臨したのだ。

〝麺〟に全集中をかたむけ、誕生した『冷凍 日清本麺』シリーズ。

頑固なラーメン屋のように〝電子レンジ専用!〟を打ち出した

「お客様が限定されてしまうことはわかっていましたが、今回は鍋を使わないレンジ専用商品としました。頑固なラーメン屋じゃないですが、うまい麺をベストな状態で食べて欲しかったので」

『冷凍 日清本麺』シリーズには、電子レンジ調理だからこその高度な技術も盛り込まれている。

「電子レンジの中で麺の入った内袋が加熱されると、麺の上に付けた氷が水蒸気となり、内袋の中にたまって麺を蒸すように加熱します。麺の食感に大きく影響するので、水分の量は緻密に計算しています。さらに、内袋のままレンジ加熱することで、麺の香りを閉じ込めることもできるんです」

誰でも上手く調理できる。再現性の高さはレンジ調理の大きなメリット。

麺のスタイルは三者三様。麺に合わせて、スープも調整

現在『冷凍 日清本麺』シリーズは3種。醤油ラーメンはしなやかな食感のストレート麺で、流行りのラーメン店などにありそうな食感だ。味噌ラーメンは黄色いちぢれ麺で、こってりとした濃厚なスープによく絡む。女性をターゲットにしたゆず塩ラーメンは平打ち麺で、すっきりとしたスープと相性がよく、心地よいのど越しが楽しめる。

「最初に完成したストレート麺は、すっきり系の醤油ラーメンに合わせると、麺の味にスープが負けてしまったんです。そこで、バランスが取れるように、コク深いスープを採用するなど、麺に合わせてスープを調整しました。」

(左)『日清本麺 濃厚味噌ラーメン』
(右)『日清本麺 ゆず塩ラーメン』

感度の高いラーメンマニアの熱意が、興味のなかった人々にまで伝播する

発売当初、まず最初に飛びついたのはマスコミとラーメンマニアだったという。その後、一般の消費者にも商品が知れ渡り、SNSなどに「日清本麺があったら、ラーメン店に行く回数が減ってしまうかも」というコメントが上がるまでに。

「冷凍ラーメンの〝麺〟のレベルアップという、消費者の方々も気づかなかった潜在的なニーズに気づけたことがヒットを導いたと考えています。また、即席麺と違って、冷凍ラーメンは食べたことがない方も多いことから、商品の打ち出し方も少し変えました。〝日清が本気で作った旨い麺。それが冷凍だった〟として、「冷凍」ではなく「日清」を前面に出すことで、一度食べてみようかなというムードが消費者の方々の間に生まれました。SNSの熱心な投稿も後押しとなって、ラーメンマニアではない、一般の方々にも“おいしい冷凍麺の新製品”として広まっていったように感じます」

厳しい食品業界を1年のりきった御礼企画は「1誕(ワンタン)」。そして未来への展望

冷凍ラーメンの新製品で1年間売場に残ることは、結構難しい。保守的な消費者が多い業界なので、新製品を出してもなかなか売場に残らないのだ。

「日清本麺は発売1周年を迎え、好評のまま2年目に入ることができました。そこで、感謝の気持ちを込めて実施したのが「ワンタン1個サービス」の期間限定品の発売です。〝1〟周年〝誕〟生祭ということで、1誕(=ワンタン)をプラスしました。ラーメン屋さんでもよく、具材をプラスするサービスとかやっていますよね。そういう雰囲気を出したかったんです」

ワンタン付きの期間限定品は2022年11月から2か月程度の限定でリリースされている。

新製品を出してもなかなか売場に残らない業界で1年、大きな支持を受け続けた「日清本麺」。もはやロングセラーに育つ予感しかしない。

「最初はラーメンマニアに認められるような味に仕上げましたが、今後はすっきり系のラーメンなど、スーパーのメインターゲットである40代以上の女性にも響く味をつくりたいと思っています。」

小学館DIMEトレンド大賞で食品部門賞も受賞!その感想はいかに?

「この度は、本当に素晴らしい賞を頂戴し、関係者一同、深く感謝しております。我々の麺へのこだわりや情熱が、本当に消費者の方々に伝わるのかどうか、不安を抱えながらスタートした開発でしたので、生みの苦しみは少なからずありました。発売してからは多くのご支持をいただけたうえに、DIMEトレンド大賞も受賞することができ、充実感と達成感でいっぱいです。まだ生まれたばかりのブランドですので、気を引き締めて、長く愛されるブランドに育てていきたいと思います。最終的にはお店のラーメンを食べに行かなくても、『冷凍 日清本麺』シリーズがあればいいと言わせるレベルにしたいですね」

贈賞式の様子

製品情報
https://www.nissin.com/jp/products/brands/honmen/special/1/

取材・文/嶺月香里

DIMEトレンド大賞発表!2022年のヒット商品、話題の人物をまるごとYouTubeで配信中

構成/DIME編集部

@DIMEのSNSアカウントをフォローしよう!

DIME最新号

最新号
2024年3月15日(金) 発売

DIME最新号はデザイン一新!大特集は「東京ディズニーリゾート&USJテーマパークの裏側」

人気のタグ

おすすめのサイト

ページトップへ

ABJマークは、この電子書店・電子書籍配信サービスが、著作権者からコンテンツ使用許諾を得た正規版配信サービスであることを示す登録商標(登録番号 第6091713号)です。詳しくは[ABJマーク]または[電子出版制作・流通協議会]で検索してください。