不動産・インテリア系のリアリティ番組も人気のNetflix。
先日ご紹介した『不動産王 in ビバリーヒルズ』はアメリカ・ビバリーヒルズのド派手な不動産ファミリーに密着した番組だったが、今回ご紹介するのはそのフランス版とも言える番組だ。
2021年よりNetflixで独占配信中の『不動産ファミリー 〜高級物件はお任せあれ!〜』は、フランスで製作されたリアリティ・シリーズ。
2022年3月3日からはシーズン2が配信中だ。
<あらすじ>
超高級物件のみを取り扱う不動産会社を家族で経営する、フランス在住のクレッツ家に密着取材。
有名デザイナーが所有するフランス郊外の城やパリの豪邸、リゾート地の別荘、高級ジュエリーブランドのイベントに使用される物件など・・・・・・本作に登場するのは思わずため息が漏れる夢のような豪華物件ばかり。
しかしそのような物件の売買は、並大抵の知識やスキルでは太刀打ちできない。
文化・芸術・歴史・政治・経済など幅広い分野にまたがる知識、人脈、交渉術、ビジネスセンス、ホスピタリティ、そして何事にも動じない度胸が必要だ。
そしてハイレベルな顧客たちが突きつけてくるのは、もちろんハイレベルな要求ばかり。
しかしクレッツ家はそれらの要求にも優雅に応えながら、次々と契約を成立させていく。
<見どころ>
扱っている物件のイメージからしてクレッツ家も先祖代々ものすごい大金持ちなのかと思いきや、パッと見は意外と普通の家族だ。
派手なところはあまりなく、むしろ真面目で誠実そうな印象を与える。
仕事でもプライベートでも家族と常に一緒だと息が詰まりそうに思えるのだが、クレッツ家はとても仲良しだ。
父のオリヴィエさんと母のサンドリーヌさんは結婚生活約40年の熟年夫婦で、子どもは息子4人。未成年の四男ラファエル君以外は、全員不動産業に従事している。
夫婦ともに不動産業はまったくの未経験だったが、家族といつも一緒にいるためにも、一から学びながら挑戦したそうだ。
専用のオフィスは敢えて持たず、自宅を職場にしているクレッツ家。
最初は、仕事と生活を一緒にしてしまうことのリスクが非常に気になった。
しかし「うちの特徴は24時間年中無休で対応可能」とサンドリーヌさんが言っていることから、仕事と私生活が一体化しているクレッツ家だからこそ、“注文の多い一流顧客たち”にきめ細やかな対応ができるのだろう。
高級不動産のセールスというと、一般的に“アグレッシブ”とか“押しが強そう”なイメージがあるかもしれないが、クレッツ家は物腰柔らかく穏やか、そして自然体。
とくに教師としても25年間働いていたサンドリーヌさんが語る仕事論には、学ぶべきことが多い。
教師としての経験だけでなく、4人の子育て経験も、現在の不動産ビジネスにしっかりと活かされているようだ。
たとえ難易度が高くスケールの大きな仕事(日本円で7億超え!)であっても、肩の力を抜いてリラックスしながら優雅に楽しむことを忘れない。
そんなクレッツ家の生き方にうっとり憧れつつ仕事術も学べる、贅沢なリアリティ番組だ。
Netflixシリーズ『不動産ファミリー 〜高級物件はお任せあれ!〜』
シーズン1~2独占配信中
文/吉野潤子