■連載/大山即席斎の“三ツ星”インスタント麺
1980年以来ずっとインスタント麺生活を続けていると、だんだんと新製品に驚きを感じなくなる。これは人生と同じで、ある程度のことは過去の経験から予想がてきてしまうからだ。
それとトシのせいで物覚えが悪くなるというのも影響している。
なので「今年もたいした新商品が出なかったなぁ〜」などと思っていたのだが、食べたものリストを振り返ってみたら、お気に入りの商品がけっこうあるではないか!!
いや、むしろ今年のトップ10を選ぼうと思ったら選び切れなくてトップ15になってしまった。
泣く泣くランク外となったものもあるし。
というわけで大山即席斎が2022年に食べて感動したインスタント麺トップ15の発表〜!!
第15位
エースコック看板の無い人気店博多クリーミー豚骨ラーメン
白い。クリーミー。博多元気一杯!!監修。
共に後入れの粉末スープと液体スープで作るドロンドロンなつゆは、ポークの旨みがよく出た豚骨味。ポークコラーゲン入りで非常にこってりまったりしている。
でも味は濃厚すぎない。丸と四角の中間ぽい断面であまりちぢれていない太さ中くらいの麵は、あまりハードではないシコシコ食感。
かやくは直径約45ミリ×厚さ2ミリ弱の焼豚・キクラゲ・ねぎ。
第14位
キッコーマン食品大豆麺汁なし担々麵風
唐辛子の辛さと花椒の香りをきかせた、旨辛濃厚仕立て。高たんぱく・低糖質麵。
なんと、キッコーマンからインスタント麺が登場した。しかもテレビCMもやっていた。
5~6分茹でて作る、長方形断面でちぢれのない平打ち棒麺は、大豆粉と小麦粉がメインなので、中華麺とは味わいが違う。たしかに豆っぽい味がする。
食感はパスタに近いシコシコした嚙みごたえ。そこにレトルトの茶色いソースをかけて出来上がり。
ソースは唐辛子と花椒で辛みやしびれを出し、豚肉・大豆たん白・にんにく・生姜入りで担々麵らしく仕上げている。
輸入小麦の価格が高騰しているので米粉など、小麦以外の原料を使った麺が今後増えるものと思われる。
第13位
寿がきや食品辛辛魚らーめん2022
豚骨×魚介×激辛さらにコク深く重厚2022。麺処井の庄監修 全粒粉入太麺。
わが地元石神井公園駅前の人気店麺処井の庄の激辛ラーメンを再現した一品。毎年冬季に登場する(最近は冬以外にも見かけることがある)が、これはその2022年版。
ライトな赤色をした先入れかやく入粉末スープを入れて熱湯をかけて4分間待ち、そして赤黒いドロリとした液体スープを加えた段階でスッキリとした辛さになる。
さらに大さじ山盛り一杯分はある赤くてかつお節など魚介風味の後入れ粉末スープも入れて仕上げる。
その結果、血の池みたいなドロドロで、激辛好き御用達の辛さになる。
食べていると顔が熱くなってくるが、魚介系の旨みや風味のおかげで激辛なのに食べやすさがある。
よくちぢれた幅広平打ち麺は、噛みごたえのあるシコシコかつモチモチした食感。
かやくはねぎのみ。コストの大半が辛みと魚介の粉に注がれているわけだ。らしさを出したかったら海苔を追加するといい。
第12位
日清食品完全メシ汁なし豚辛ラ王油そば豚のウマみ直撃!
これ1つで栄養とおいしさの完全バランス。栄養バランスを考えるのがめんどくさい人に!
こちらは約400円と高価なのにもかかわらずよく売れ、2022年のヒット商品番付にも入った。
「完全食」を連想させる「完全メシ」という名が商品のコンセプトをよく訴求できたことによる勝利と言えよう。
手で揉んだようによれた麺は、パスタに近いガッシリとした噛みごたえのあるシコシコ食感。
そして粉末調味料・液体たれ・仕上げオイルを麺にかけて混ぜ合わせて出来上がり。
醤油系でポークのこってりとした旨みがあり、香辛料でピリッとした辛みがある油そばになる。かやくはキャベツと四角くカットされた豚肉。
インスタント麺はジャンクというイメージを払拭してくれる一品だ。
第11位
サンヨー食品熊本赤龍辛子みそ味
熊本で愛される味わいコクのある味噌豚骨。インスタントラーメン研究家大和イチロウおすすめ!
こちらも大和イチロウ氏が開発した一品で、元になった袋麺があり、そちらは棒ラーメンとなっている。
赤褐色をした液体スープを後入れして作るつゆは、とんこつベースに辛子みその旨みが加わったおだやかなピリ辛。
ポーク・チキンの肉系の旨みににんにくやねりごまの旨みも加わっている、ほどほどに濃厚でこってりしたつゆだ。
楕円形断面でちぢれた麺はコシ感がありつつモッチリとした食感。かやくはチンゲン菜・鶏豚そぼろ・ねぎ。