私たちは〝心身を整える〟をどれだけ実践できているだろうか。健康的な食事や筋トレなど〝身〟を整えることを意識することは多い。では〝心〟は? そんな疑問にいち早く着目したのがグーグルなどの外資系企業だ。彼らは2000年代中頃から研修などにマインドフルネス(※)を取り入れてきた。そして、その波はより身近なところに広がっている。
ここ1年間で「瞑想(メディテーション)」を専門で体験できる施設が増加中。暗闇の中でカプセルに入ったり、大自然で禅をしたりと方法は様々だ。マインドフルリーダーシップインスティテュート代表理事で以前から心の重要性を説いてきた荻野淳也氏もこうしたトレンドは感じていると言う。
「宗教的な瞑想ではなく、マインドフルネス状態に至る手段としての瞑想施設が増えてきています。2000年代以降に着目された〝心への意識〟がパンデミックやアスリートのメンタルヘルス問題などを経て認知されていったのでしょう」
現代人は日常生活の中で多くの情報にさらされている。加えてビジネスパーソンは日々のタスクに忙殺されるケースも多い。
「こうした状態はマインドワンダリングと呼ばれ、思考力の低下につながります。マインドフルネス瞑想を通じて一度心を空っぽにすることで、〝今〟に集中できる心の状態を作ることこそがマインドフルネスなんです」
もはや「心を健康に保つことは現代人にとって必須のスキル」だと荻野氏は言う。
「こうした施設をきっかけに、マインドフルネス状態を習慣にすることで、心身ともに幸せな生き方につながるはずです」
※過去の経験や先入観、未来にではなく、今に集中している時の頭がクリアかつ、リラックスした状態を指す。不安やストレスの解消や集中力の向上など、ポジティブな成果が科学的な検証によって認められている。
日本初導入のメディテーションカプセルで日々の疲れをリセット!
SHISEIDO GLOBAL FLAGSHIP STORE
東京・銀座にあるSHISEIDOの旗艦店。ショップやカウンセリングのほか、メディテーションフロアも併設。瞑想プログラム「Inner Beaty Charge」は毎日開催(専用サイトから事前予約推奨)。
〈 ココに意識して!〉このプログラムでは瞑想の方法を強制されることはない。リラックスすることが一番大事。
ライター峯が体験してわかった!
カプセルに入っている時間は30分ほど。睡眠とも違う、スマホや仕事から遮断された自分の心に集中する時間を過ごすことができた。
メディテーションカプセル「SOMADOME」。コースによって音楽や光、香りが変わる。
まずはその日の心の状態を測定
体験プログラムではひとりひとりの心の状態に合わせて4つのコースが用意されている。
【DATA】
[住]東京都中央区銀座3-3-14 阪急阪神銀座ビルB1F
[電]03・3538・5071 [営]11:00~20:00 [休]不定休 [料]4400円
空中で座禅リトリートを体験!自然に包まれて神秘を感じる
禅坊 靖寧
2022年4月、淡路島にオープン。360度、緑に囲まれた非日常空間で禅リトリート、油や砂糖を使わない禅坊料理などが楽しめる。日帰り体験のほかに宿泊利用も可能だ。
〈 ココに意識して!〉禅体験は全長100mのウッドデッキで行なわれる。都会にはない大自然を全身で感じよう。
【DATA】
[住]兵庫県淡路市楠本字場中2594-5 [電]0799・70・9087
[休]不定休 [料]2万3000円(日帰り体験)
経営者の間で話題沸騰!〝塩水に浮かぶ〟瞑想
UNBORN
多くの経営者やアスリートが体験しに来る「アイソレーションタンク」では真っ暗な中、耳栓を装着、視覚と聴覚をアイソレーション(遮断)しながら水に浮かび瞑想する。
〈 ココに意識して!〉アイソレーションタンクでは60分、塩水に浸かる。徐々に消えていく肉体感覚にあらがわず、身を任せて。
利用者からは「体験後、打ち合わせで次々とアイデアが浮かんだ」などの声が続出しているそう。
【DATA】
[住]東京都港区六本木5-2-4 ANBビルB1F
[営]10:00~22:00 ※事前予約必須 [休]不定休 [料]1万2000円
取材・文/峯 亮佑
※本記事内に記載されている商品やサービスの価格は2022年10月31日時点のもので変更になる場合があります。ご了承ください。