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「美的」編集長に聞く、2022年の美容トレンド変化と進化

2022.12.26

編集者、とりわけ編集長は、どうしたらたくさんの人に読んでもらえるか、読者の変化、求めているモノを徹底的に考え抜き、時には読者自身も気づいていないインサイトにまで踏み込んでいく。その仕事を覗くと、働く私たちへのヒントがたくさんある。

今回お話を伺うのは小学館『美的』編集長・中野瑠美さん。『美的』は実売部数が首位を独走し14年目に突入している美容誌だ。中野さんが感じるコロナ前後の美容トレンドの変化、2023年の予測、次に売れるものなど、美容分野の現在・未来について深堀りしていく。

2001年3月創刊の月刊誌(毎月22日発売)。コスメ、スキンケアのみならず、ヘアスタイル、食、メンタル、医療、インナービューティなど、幅広い情報を扱っている。
https://www.biteki.com/

「美的」編集長に聞く、2023年の美容トレンドとメンズ美容躍進の理由

編集者、とりわけ編集長は、どうしたらたくさんの人に読んでもらえるか、読者の変化、求めているモノを徹底的に考え抜き、時には読者自身も気づいていないインサイトにまで...

「心地よく、健康的な状態を維持したい」と思う人が増えていった

―――美への追究は尽きることがないですが、コロナ禍を経て、美容のトレンドは近年どう変化しているのでしょうか?

美容は医療サイエンスの延長線上にあります。

最新の医学、細胞学、皮膚の研究に知見を得ていたり、有効成分やその組み合わせ、浸透などの技術も関わってきます。日本を代表するような研究があり、そこに膨大なデータや理論があるので、サイエンス目線で情報を見てもおもしろいですよ。

美容家電、ホームエステ製品もサロン品質のものが続々と登場しています。ここ数年は、「電気ブラシ」という頭皮に微電流を流し、血行促進を促す効果のアイテムや、美顔器にもなるような多機能ドライヤーなどが人気です。

最近の傾向は、ヘアケア製品も高級化でしょうか。数年前に1本1500円前後のシャンプー・コンディショナーが増え、5000円~1万円のアイテムも珍しくなくなりました。成分や洗いあがりの質感のみならず、環境負荷も考慮して、どれを使うか選ぶ人が増えています。

肌や髪を整えると、その先にはメイク(化粧)がありますが、ここはまだ多くの男性にとってハードルが高いかもしれません。でも、お粉(顔をナチュラルに明るく見せるパウダー)やアイブロウ(眉墨)はメンズコスメでも売れており、コンパクトが縦に開くなど、スマホのように使いやすいデザインが開発されています。オンライン需要で、ニキビ跡や毛穴などを隠すファンデーションの種類もコロナ禍の中で増えました。

韓流ブームやジェンダーフリーの潮流を指摘する意見を多く聞きますが、それだけでなく「心地よく、健康的な状態を維持したい」と思う人がコロナ禍を経て増えていったから、今の美容全体の潮流ができているのだと思います。

―――コロナ以降の美容界での大きなニュースは“香り”にまつわるものが多い印象です。2022年に10周年を迎えた「サロン ド パルファン」(三越伊勢丹)が過去最高の売り上げを記録。人気ブランドのフレグランスは品切れが続出しました。

コロナ禍のステイホーム需要で、ルームフレグランスや入浴剤の需要が高まりました。

身にまとう香水(パルファムからオーデコロンまで)も、以前の日本では好感度を意識したフローラル系や、爽やかなフルーツ系の香りが人気だったと思います。現在は「自分自身が本当に好きな香り」を選ぶ人が増えました。

例えば、「日本では人気が出ない」とされていたフランキンセンス(乳香)やアンバー(琥珀)などの樹脂系、スギやヒノキのウッド系、シガー(タバコ)や紅茶を思わせる香り、黒コショウやナツメグなどのスパイス系、革を思わせるレザー系……これまで注目が集まらなかった香りが実際に売れていると聞きます。香りがアイデンティティになっているようにも感じるのです。

また、2022年はカリスマ的人気の調香師の来日があったり、珍しい香料を使ったブランドが人気を博すなど、今までにない潮流が生まれました。

美容・化粧品業界において、「名品の進化がとまらない」

主要な化粧品メーカーさんには、それぞれ「我が社の逸品」ともいうべき、ロングセラー商品があります。

多くのファンがいらして、ご本人がリピートするだけではなく、2代、3代と使い継がれていくものもあります。その「間違いないアイテム」を、さらにいいものにするというのも、最近の傾向。大きく値上がりすることがないのに、中身は高機能になっているので、お得感がありますよね。

特にマスク生活になったからか、2022年は美容クリームが続々と登場し、売り上げを伸ばしたアイテムも多かったようです。マスクは摩擦しますし、皮膚がかぶれることもあります。それらから保護する目的もあるので、高価であっても機能性重視で選ばれています。

ファンデーションも、限りなく薄膜で、自然なのにカバー力があってマスクにつきにくいものが続々と登場しています。技術がとても進化しており、試すたびにその使用感の良さに驚くことも。

10~20代が選ぶファンデーションはあえて「いかにもメイクしています」というタイプがバズったりも。SNSをチェックしていると、世代ごとにメイクの表現が異なるのも、美容の面白いところです。

中野編集長による美容トレンドの分析はいかがだっただろうか?

ここまではここ最近の美容トレンドについてお話を伺ってきたが、後半では2023年にはどんな変化が予想されるのか、男性タレントを表紙に起用する理由を伺っていく。

「美的」編集長 中野瑠美
2000年に小学館に入社し、『女性セブン』編集部に配属。料理やコスメ等の実用カラーページ担当からキャリアをスタートさせ、ポスト・セブン局に約15年在籍。産休復帰後、書籍の担当を経て、2017年に『美的』編集部に異動。副編集長を約5年務め、2022年10月に6代目編集長に就任。

構成/前川亜紀 撮影/関口佳代

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