『寒の入り』といわれ、年の中で寒さが最も厳しくなる始まりとされるのが『小寒(しょうかん)』です。七草粥を食べる習慣があるのもこの時期です。本記事では、小寒の意味・由来やどのように過ごしたらよいのかについて解説していきます。
小寒とは?
寒さが一年の中で最も厳しくなり『寒の入り』とも呼ばれる『小寒』ですが、どういった意味を持つものなのでしょうか?ここでは、二十四節気(にじゅうしせっき)の一つである小寒に関する知識と、意味や由来について解説します。
小寒は二十四節気の一つ
小寒は『二十四節気』のうちの一つです。二十四節気とは、日本で古くから伝わる季節の移り変わりを表した言葉で、一年を春・夏・秋・冬の四つに分けて、さらにその四つの季節を各六つに分けたものをいいます。
立春や春分・夏至・立秋・秋分・冬至といった言葉を聞いたことのある人も多いでしょう。現代においても季節を表すために使われるこれらの言葉も、二十四節気のうちに含まれています。
小寒はこの二十四節気のうちの23番目で、六つある冬の節気のうち5番目にあたります。
小寒の意味・由来
ニュースなどで「寒の入りを迎えました」といった言葉を耳にしたことはありませんか?実は『寒の入り』というのが小寒のことを表しており、小寒の日から節分までの間の時期を『寒の中』と呼びます。
寒の中は、一年で最も寒い時期であり、小寒はその厳しい寒さがこれから始まる時期と捉えておくとよいでしょう。
小寒にまつわる言葉として『寒四郎(かんしろう)』があります。寒の入りから4日後のことを指し、その日の天気の良し悪しでその年の農作物の収穫量が決まる、という言い伝えがあるそうです。
2023年の小寒は?
2023年の小寒はいつなのか気になる人も多いかもしれません。2023年では、1月6日(金)から1月19日(木)が小寒の時期にあたります。
小寒の時期はおおむね毎年1月5日頃から1月19日頃となっていますが、毎年同じ日であるとは限りません。二十四節気の考え方に合わせると、1日ばかり前後する場合があります。
また、小寒は二つの意味を持っており、寒の入りそのものの日を示す場合と、小寒から大寒までの間の約15日間を示す場合があります。どちらの意味とも取れるため、適宜使い分けをしましょう。
小寒の過ごし方のポイント
寒さが厳しくなってくる小寒ですが、どのように過ごしたらよいのでしょうか?小寒に行うとよいことがいくつかあります。ここからは、小寒の過ごし方のポイントについて紹介します。
寒中見舞いを書く
小寒における過ごし方のポイント一つ目は、『寒中見舞いを書く』です。元来、寒中見舞いは相手が元気で健康に過ごせているかを気遣うための手紙です。ただ、近年においては主に年始に年賀状を受け取っていたのにも関わらず、返し忘れていた場合において活用されることが増えています。
寒中見舞いを送るタイミングは、門松を飾る期間を指す『松の内』が明ける1月7日から、立春の2月4日までとなっています。手紙を書く際には、送る相手への気遣いが最も大切です。自身の近況についても添えながら、丁寧に書きしたためましょう。
七草粥を食べる
小寒における過ごし方のポイント二つ目は、『七草粥(ななくさがゆ)を食べる』です。この時期に七草粥を食べたことがある人も多いでしょう。
七草粥とは、芹(せり)・なずな・ごぎょう・はこべら・仏の座(ほとけのざ)・すずな・すずしろの七草を刻んで入れたお粥のことです。ほんのりと塩味が利いた七草粥を食べることで、年末年始の食べ過ぎや飲み過ぎで弱った胃腸をすっきりと整える役割があるといわれています。
おせち料理やお雑煮など、美味しいものを食べる機会が多い正月ですが、体調を整えたい人はぜひ七草粥を作って食べてみてください。
鏡開きを行う
小寒における過ごし方のポイント三つ目は、『鏡開きを行う』です。正月になると鏡餅(かがみもち)を神様にお供えする家庭も多いですが、1月11日にこの鏡餅を下げて、雑煮にしたり汁粉にしたりして食べることを鏡開きといいます。
鏡開きは日本で古くから伝わる、風習のうちの一つです。鏡餅は神様が宿るところであると考えられており、神聖なものとして扱うため、包丁などの刃物を使ってはいけません。手や木槌(きづち)などでたたき割るのが正しい鏡開きとなります。
鏡開きで割ったお餅には、年神様のパワーが宿っていると考えられており、そのお餅を食べることで、年神様が持つ力を授けてもらい、今年一年家族が健康で元気に過ごせるように無病息災を願います。また鏡開きには、お正月を一区切りつけるという意味合いもあるそうです。
「小寒い」という方言が存在する
小寒に関連する言葉で、『小寒い』という方言があるのをご存じでしょうか?小寒いの読み方や意味、日本のどの地域の方言なのかについて紹介します。
「小寒い」は静岡県の方言
『小寒い』という方言の読み方は『こさぶったい』です。もともと静岡県の浜松地方の方言である遠州弁で、少し寒い・肌寒いといった意味で使われます。
地域によってはあまり耳なじみのない言葉かもしれませんが、実は静岡県だけにとどまらず、現在は全国でも広まった言葉として認知されているようです。
構成/編集部