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iPhoneユーザーの「若年化」が加速している理由

2022.12.18

iPhoneおよび、Androidのスマホユーザーを性別・年代別で見比べた時、どのような傾向や特徴が現れるのだろうか?

NTTドコモ モバイル社会研究所はこのほど、全国・15~79歳男女を対象に、iPhoneユーザーとAndroidスマホユーザーの特徴に関する調査を実施。7,050人から得た回答結果を公開した。

iPhoneユーザーの若者比率がさらに高くなった

スマートフォンユーザーは2015年にフィーチャーフォンを上回り、2022年では携帯電話ユーザーの93.5%がスマートフォンとなっている(モバイル社会白書 2022年版)。現在、主流となっているスマートフォンは、iOSを搭載したiPhoneとAndroid OSを搭載したAndroidスマホとの2種類であり、日本国内での比率は拮抗している(モバイル社会白書 2022年版)。

図1は性別、年代別にiPhone-Androidスマホ比率を示したもの。経年比較のため、今回の2022年の調査結果の右側に2015年の調査結果を示している。2015年調査と比較すると、全体的に若い世代のiPhone比率が高まり、高い世代でのiPhone比率が下がっている。

全体でのiPhone-Androidスマホ比率はあまり変化していないが、2022年では10代(15~19歳)と20代のiPhone比率が7割、70代では3割となっており、iPhoneの若者比率が非常に高くなっていることが確認できる。なお性別に着目すると、iPhoneユーザーは女性の比率が男性よりも5.5ポイント高いが、2015年調査ではその差は13.7ポイントあり、男女差については縮まっている。

なお、図には示されていないが、男女比率の傾向は年代によって大きな差異は認められず、全ての年代で女性のiPhone比率は男性よりも少し高い(3~9ポイント)という結果だった。

図1. iPhone-Androidスマホ比率(性別、年代別)
[調査対象:全国、n=5,542]  [参考)2015年 調査対象:全国、n=1,136]

iPhoneユーザーはスマートフォンを持ち初めた時期が早い傾向

図2は、初めてスマートフォンを持ってからの期間を、iPhoneユーザーとAndroidスマホユーザーのそれぞれについて調べた結果だ。iPhoneユーザーは、若者比率が高いにも関わらず、スマートフォンを持ってからの期間はAndroidスマホユーザーよりも長い結果だった。

iPhoneユーザーは、過半数が7年以上前からスマートフォンを持っており、7年未満の期間については、Androidスマホユーザーよりも割合が低くなっている。

図2. 初めてスマートフォンを持ってからの期間(iPhone、Androidスマホ)
[調査対象:全国、n=5,542]

図3は、スマートフォンを7年以上前から持っていると回答した割合を年代別に示したものだ。全ての年代においてiPhoneユーザーの方が5~16ポイント高い。現在のiPhoneユーザーは、Androidスマホユーザーと比較して、スマートフォンを持ち初めた時期が全体的に早いことがうかがえる。

図3. 7年以上前からスマートフォンを持っている割合(年代別、iPhone、Androidスマホ)
[調査対象:全国、n=5,542]

スマートフォン操作の習得方法は?

次に、スマートフォン操作の習得方法の違いについて調べた。表1は、初めてスマートフォンを持った際の操作習得方法(最も活用した方法)を、iPhoneユーザーとAndroidスマホユーザーのそれぞれについて集計し、その違いを調べたもの(数値が入っていない部分は回答率0)。

最も活用される習得方法は年代によって傾向が異なる(例えば、“手探りで習得した”との回答率は若い年代で高く、 “子どもに教えてもらった“との回答率は高年齢層で高くなる)。

このため、全年代で比較すると、年齢構成が大きく異なるiPhoneユーザーとAndroidスマホユーザーとの違いを比較することが困難だが、年代毎に比較すると、その違いは明らかになる。

表中のセルの色は、iPhoneユーザーの回答率の方がAndroidスマホユーザーよりも高かったセルを青で示し、回答率が低くなったセルは赤で示している。iPhoneユーザーは知人・友人や子どもに教えてもらったり、インターネットで調べて操作を習得した割合がAndroidスマホユーザーよりも高い。一方、Androidスマホユーザーは取扱い説明書/参考書を読んだり、手探りで習得する割合が高い。

表1.スマートフォン操作の習得方法の違い(年代別、iPhone vs. Androidスマホ)
[調査対象:全国・15~79歳・n=7,050]

40代以上では総じてICTサービス利用が高いが、30代以下では利用が低い

次に、SNSやネットショッピング等の様々なICTサービスの利用状況の違いについて調べた。表2は、11種類のサービスの各々についての利用状況を、iPhoneユーザーとAndroidスマホユーザーのそれぞれについて集計し、その違いを調べたものだ。表中、iPhoneユーザーの回答率のほうがAndroidスマホユーザーよりも高かったセルを青で示し、回答率が低くなったセルは赤で示している。

40代以上では全体的に青く、30代以下では全体的に赤くなっていることがわかる。40代以上のiPhoneユーザーはAndroidスマホユーザーよりも様々なICTサービスの利用が全体的に高く、特に70代のシニア層においてその傾向が強く、スマートフォンを使いこなしていることがうかがえる。

一方、30代以下のiPhoneユーザーはAndroidスマホユーザーよりもICTサービスの利用が全体的に低くなっている。なお、10代のiPhoneユーザーはナビゲーションサービス、ゲームなどの利用が高く、30代のiPhoneユーザーはSNSの利用が高くなっていた。

若者に多く支持されているiPhoneだが、30代以下のiPhoneユーザーは必ずしもICTサービスを多く利用していないことが浮き彫りになった。

表2. 各種ICTサービスの利用状況の違い(年代別、iPhone vs. Androidスマホ)
[調査対象:全国・15~79歳・n=7,050]

iPhoneユーザーはAndroidユーザーよりもスマートフォンへの関心・愛着が強い

最後に、スマートフォンへの関心・愛着の強さをiPhoneユーザーとAndroidスマホユーザーとで比較した。腕時計やアクセサリー等の製品はユーザーの関心・愛着の強さが違いとなって表れやすく、普段から身に着けて持ち歩くスマートフォンもまたユーザーの関心・愛着の強さがそれぞれ異なると考えられる。

スマートフォンに対する関心・愛着の強さに関連する設問の回答結果を得点化(0~100点)し、iPhoneユーザーとAndroidスマホユーザーのそれぞれについて集計、その違いを調べた結果が表3だ。

前半の6項目はポジティブな意味合いの項目であり、得点が高いほどスマートフォンへの関心・愛着が高いことを意味している。後半の3項目はネガティブな意味合いの項目であり、逆に得点が高いほどスマートフォンへの関心・愛着が低いことを意味している。
表3の結果より、iPhoneユーザーはAndroidスマホユーザーと比較した場合、毎月の費用が高いと感じているが、全ての年代でスマートフォンへの関心・愛着が高い傾向にあった。

表3. スマートフォンへの関心・愛着の強さの違い(年代別、iPhone vs. Androidスマホ)
[調査対象:全国・15~79歳・n=7,050]

<調査概要>
調査方法:Web
調査対象:全国/15~79歳男女
有効回答数:7,050(集計対象のiPhone/Androidスマホのユーザーは5,542※)
※ シニア向けスマートフォンを含まず
サンプリング:QUOTA SAMPLING、性別・年齢(5歳刻み)・都道府県のセグメントにおいて日本の人口分布に比例して割付。
調査時期:2022年1月

出典元:NTTドコモ モバイル社会研究所

構成/こじへい

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