Zoomの創業は2011年だが、そのサービスが一般に浸透したのはやはり2020年以降だろう。
パンデミックをきっかけに、Zoomを使った会議や集会が頻繁に行われるようになった。中には「Zoom飲み会」というものを催す人もいた。
筆者自身も各メディアの編集部と、頻繁にZoomでやり取りをしている。
たとえば、このような状況は考えられないだろうか。
画面共有をしたあと、その画面に直接文字やイラストを書き込みたいという状況だ。
それを簡単に実現する製品がある。
共有中の画面に直接手書き
この製品の名は『RemoteGo LCDライティングパッド』(以下『RemoteGo』)と言うらしい。
Googleで「ライティングパッド」と検索すると、出てくるのは紙のメモ帳かセーブ機能を省いた電子式の手書きガジェットである。
しかし『RemoteGo』は、ケーブルでPCと接続して利用する。
ソフトウェアをインストールした上でこれを使えば、PCの画面に直接手書きすることができるのだ。
オンライン会議での「状況説明」には最適のガジェットだ、ということはMakuakeのページを少し読んだだけでよく分かった。
たとえば、Googleマップを画面共有して、目的地や道順を手書きの線で指し示すということも可能のはず。
Web媒体の記事の画像に、手書きで追記して「この文章はこういう意味なんですよ」とやることだってできるだろう。
しかし、実際に製品を使わないことには「だろう」「はず」止まりなので、Makuakeに頼んで実物を取り寄せてみた。
細かい追記をその場で!
というわけで、筆者が待ちに待った『RemoteGo』が我が家にやって来た。
直後、とあるメディアの編集部とZoom会議(@DIMEではない)。ここで早速、『RemoteGo』を使ってみた。
Web記事が映っているブラウザを画面共有し、その記事に筆者がいろいろと手書きするというやり方だ。
手書き部分は向こうにもしっかり反映されたようで、いつもよりも詳細な説明ができたように思える。
少なくとも筆者は、自分の考えていることを100%伝え切ったつもりだ。
絵心皆無の筆者でも、これだけやれたのだ。イラストが得意な人なら、さらに高度な「手書きオンライン会議」が実施できるに違いない。
付属のペンは滑らかな書き心地で、筆者が使用した限りは一度もつっかえたことがない。
そして筆者の筆圧は並の人よりもかなり強いはずなのだが、そのようなことはまったく問題にもならなかった。
下手なボールペンよりも快適な書き心地だ!
書いてからスクショ
なお、『RemoteGo』はZoomだけでなくGoogle MeetやMicrosoft Teams等でも用いることができる。そして、用途は何もオンライン会議に限らない。
筆者もWebライティングという魑魅魍魎の世界に携わっているから、自分以外のライターが書いた記事を日々チェックして研究している。
その際に記事に対して「手書きの追記」を加えられたら、確かに便利だ。
いちいちスクリーンショットを撮ってから書き込むのではなく、「書いてからスクショ」という手順を簡単に踏めるということである。
恐らくこの製品は、使う人によって様々な用途が見出せるだろう。
静岡生まれ相模原育ちのフーテンの筆者がこの業界に手を染めて初めて気づいたのは、ライターには「メモ嫌い派閥」と「手書き派閥」が存在するという事実だ。
筆者自身は前者に所属しているが、それとは対照的に「何事も手書きでメモしなければ頭の中で情報がまとまらない」という人も少なくないのだ。
そのようなタイプのライターにとっては、『RemoteGo』は頼れる相棒になり得る製品ではないか。
オンライン会議だからこそできること
Makuakeのページでプロジェクト実行者は「もはや対面以上!」という文言を謳っているが、確かにある側面から見ればその通りかもしれない。
これがもしもパンデミック前なら、或いはパンデミック自体が発生していなかったら、『RemoteGo』に注目する人はガジェットマニアか「意識の高い人」くらいだったかもしれない。
世界最先端の生活を送っているというわけではない、筆者のような牛丼屋で長時間油を売っている凡庸な小市民には縁遠い代物だったはずだ。
が、パンデミックはそんな退屈な三十路男の生活にも影響を与えてしまった。
テレワークは極めて身近なものになり、それを快適に実行するためのガジェットも「道楽」ではなく「仕事の必需品」に昇格した。
そしてパンデミックの出口が見えつつある今、我々は「オンライン会議だからこそできること」すら発見してしまったのだ。
『RemoteGo LCD』は、Makuakeでは2万2,500円からの価格で予約を受け付けている(12月14日時点)。
【参考】
もはや対面以上!オンラインミーティングの効率が格段にアップする手書きパッド-Makuake
取材・文/澤田真一