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繊細な表現力と抜群の定位感を誇るBowers&Wilkinsのノイズキャンセリングワイヤレスヘッドホン「Px7 S2」の実力は?

2023.02.12

イギリスを代表するオーディオメーカー、Bowers & Wilkins(以下B&W)から新開発の40mmカスタムドライブユニットやアクティブノイズキャンセリング、さらに極上のフィット感を実現したイヤパッドなどを備えた新世代のフラッグシップヘッドホン、Px7 S2が登場。

Bowers & Wilkins Px7 S2
オーバーイヤ ノイズキャンセリング ワイヤレス ヘッドホン

今回、この注目モデルを試聴する機会を得ることができたので、早速リポートしていきたい。

その前に、まずは簡単にその特徴と機能をチェックしていこう。

まったく新しい音響プラットフォームを採用

まずPx7 S2は専用設計された40mmカスタムドライブユニットを搭載。同社では楽曲のニュアンスを細部まで忠実に再現する高速レスポンスと低歪みを両立しており、より正確かつ高解像度なサウンドを実現すると説明している。

さてB&Wの高級スピーカーは、ツイーターがエンクロージャーの上部に乗った「ツイーター・オン・トップ」と呼ばれる構造が大きな特徴の一つ。これは各ユニット間で生じるタイムアライメントを解消するための意匠で、そんな設計思想がこのPx7 S2にも活かされている。

それがドライブユニットの配置位置。この製品ではリスナーの耳との距離を一定に保つため、イヤカップ内に最適な角度を付けて配置されており、その結果、よりナチュラルで臨場感の豊かな音場が得られるという。

ワイヤレスではSBCやAAC、aptX、さらにQualcommのaptX HDとaptX Adaptiveにも対応。高音質であることはもちろん、低遅延と音途切れに対する接続性能を実現している。

対応機器との組み合わせに応じて、ハイレゾ対応のストリーミングサービスから24bitの高解像度なサウンドを楽しむことが可能だ。

独自に開発されたアクティブノイズキャンセリング・テクノロジーを搭載

Px7 S2は6つの高性能マイクロフォンが連携して動作する、独自開発のアクティブノイズキャンセル機能を搭載している。

これはイヤカップ内の2つのマイクは各ドライブユニットの出力を捉え、イヤカップ外側の2つは外部の環境ノイズを集音。ノイズが多い状況でも快適なリスニング環境を創出すると同時に、2つの通話用マイクが話し声以外のノイズを効果的に抑制。通話時にはユーザーの発する声だけを明瞭に伝えていくという機能だ。

Px7 S2の右サイドハウジングに設置された操作ボタン。写真左端が電源、その右隣が音量+、以下曲の再生や通話時に使用するマルチファンクション・ボタン、音量−ボタンとなっている。アクティブ・ノイズキャンセリング、アンビエントパススルー、EQ設定などの切り替え、設定などはBowers & Wilkins Musicアプリにて行なう。

さっそく地下鉄車内で使ってみたところ、走行中の床からのモーター音や線路のジョイント音は、ほぼ解消。新型コロナ対策として窓開け換気が常態化している昨今は、車内ノイズの増大はやむを得ないが、そんな地下鉄車内とは思えない静けさを体感できた。決して大仰な表現ではなく、音楽に集中しすぎての乗り越しに注意だ。

また会話時や車内アナウンス、歩行時など周囲の音を聞き取る場合は、アンビエント・パススルー機能を使えば、ヘッドホンを外すことなく、外音をクリアに聞くことができる。


人工皮革が使われたイヤパッド。クッション性も高く、長時間使用しても疲れにくい。

そして本体には装着検出センサーも搭載されており、イヤパッドを耳から外すだけで再生の一時停止、装着すれば再生が開始される。

ちなみにバッテリー持続時間は、使用状況にもよるが、平均的な音量でノイズキャンセリングを有効とした場合で、最大約30時間の連続ワイヤレス再生が可能だ。充電時間は15分で約7時間再生、2時間でフル充電となっている。

充電用にUSB-Cケーブルが付属(写真・左)。またBluetooth非搭載のアンプなどとの接続用に3.5mmオーディオケーブルも同梱している(写真・右)。

以上のような機能を踏まえ、オリヴィア・ロドリゴ「drivers license」シルク・ソニック「Leave The Door Open」山下達郎「クリスマス・イブ」バッハ「ブランデンブルグ協奏曲第3番ト長調BWV1048」の4曲を試聴してみた。

試聴のポイントは個々の音の鮮度に加え、ハーモニーや和音の美しさ、そして楽器、ボーカルの定位感やバランス、表現力など。音源は誰もが気軽にアクセスできる各種の音楽配信サービスから得た。

なお文中の演奏時間は、あくまでも目安。参考程度と考えていただきたい。

オリヴィア・ロドリゴ「drivers license」

オリヴィアのデビュー曲にして、全米史上初となる「初登場から8週連続全米シングル・チャートで1位」という記録を樹立。第64回グラミー賞では最優秀新人賞など3部門受賞したオリヴィア・ロドリゴを、Px7 S2はどのように聴かせてくれるのか。

まずこの曲は、クルマのドアを閉める音→エンジン始動→ベルト着用を促すアラーム音、といった効果音から始まるのだが、その情景描写が実にリアル。エンジンが始動した振動によってキーホルダーに付けられているであろう、複数のキーが触れ合うノイズ音まで判別することができた。

曲が始まると、最初はシンプルなピアノ伴奏にオリヴィアのボーカルが載っていくのだが、ボーカルがセンターにしっかりと定位。微妙なブレスまでリアルに再生してくれた。ピアノも余韻を残す感じで、空間にやさしく広がっていく。

そして1分30秒前後の3連でたたみかけるようなボーカルがリアル。冒頭のささやくような歌い方との対比も見事だ。

2分30秒前後からはコーラスも加わり、曲調も新たな展開を示すが、このコーラスの広がり感も美しい。

そしてエンディングは、「せっかく免許を取ったのに私は一人であなたの家の前を走り去る」という切ないボーカルに。ここでも唇の微妙なうごきが見えてくるような、改めて描写力の高さを感じさせてくれた。

シルク・ソニック「Leave The Door Open」

ブルーノ・マーズとアンダーソン・パークによるスーパーデュオ、シルク・ソニックのデビューシングル。2人併せてグラミー14冠という2人だけに、そのサウンドもまさにシルクの滑らかさ。

曲の冒頭はアンダーソン・パークのボーカルからスタート。ボーカルはセンターに定位して、左右のバックコーラスとのコール&レスポンスのバランスも絶妙。60〜70年代のモータウンサウンドを現代的に再解釈したような展開が続く。

0分40秒前後になるとブルーノ・マーズのボーカルに交代。こちらもボーカルとバックコーラスとのバランスは良好。そして1分20秒前後に、再びアンダーソン・パークのボーカルとなるのだが、ここで2人の声質や歌唱法の違いを改めて確認することができた。

そして2分25秒すぎからのファルセット、そして2分50秒前後からの絶品のロングトーンと、ブルーノ・マーズの抜群の歌唱力をあますところなく表現。特にこのパートでは、ストリングスやピアノ、そしてベースにコーラスと、複雑なバッキングの音の構成も美しく、そしてバランスよく聴かせてくれた。

山下達郎「クリスマス・イブ」

この原稿を書いているのは12月中旬。まもなくクリスマス、ということでこの曲をセレクト。実はこの曲、1983年12月14日発売と、現在から約40年近く前の曲でもあるのだ。

というわけで、さっそく試聴すると、イントロのギターの音の広がりに驚かされる。再発売の際には自らリマスタリングを行なうなど、高音質録音で知られる山下達郎作品だけに、早くもPx7 S2が、そのポテンシャルを発揮してくれたようだ。

0分34秒前後にはボーカルが始まるのだが、これが中央にしっかりと定位され、リズム隊とのバランスも絶妙。

1分40秒前後からは本人の多重録音によるコーラスが本格的にフィーチャーされ、1分56秒前後からは、これも同じく〝1人コーラス〟によるパッヘルベル「カノン ニ長調」(3つのヴァイオリンと通奏低音のためのカノンとジーグ)のスキャットパートがスタート。

これが中央に伴奏的なコーラス、そしてカノンの有名なパッセージは、左右それぞれからハーモニーで掛け合い的に奏でられていく。

この複雑な構成、そして山下達郎のボーカルの恐るべき音域の広さをPx7 S2は、実に美しく聴かせてくれた。ぜひPx7 S2で聴いていただきたい曲の一つ。

それぞれのコーラスが、いったい何声で構成されているのか、聴き分けてみるのも楽しいかも。

バッハ「ブランデンブルグ協奏曲第3番ト長調BWV1048」

バロック室内楽の名曲をハンス・スワロウスキー指揮バンベルグフィル管弦楽団で聴いた。チェックポイント満載の曲ではあるが、今回は第1楽章4分24秒前後からの旋律の受け渡しに注目してみた。

2小節ほどの短いテーマをステージに向かって左端のバイオリンからビオラ、チェロへと繋いでいくのだが、その音の移動が実に明瞭かつスムース。特に中央やや左に位置するビオラ、そしてチェロの背後で伴奏を奏でるハープシコードとの前後の位置関係も聴き分けることができた。

このように海外ヒットチャートを賑わすアーチストから、日本のポップスの超定番、そしてクラシックの名曲まで聴いてみたわけだが、いずれも、その楽曲に込められたアーチストの思いまでも聴かせてくれた、という印象だ。

まさに新しいフラッグシップヘッドホンという呼び名にふさわしい実力機と言えるだろう。

取材・文/清水真希

Bowers & Wilkins Px7 S2 60,500円(税込み)

形式/Bluetoothワイヤレス・オーバーイヤ・ヘッドホン
主な機能/アクティブ・ノイズキャンセリング、アンビエント・パススルー、装着検出センサー、Bluetoothオーディオ – Bluetooth 5.2 / aptX Adaptive、USB-C充電 & USB-DAC内蔵
Bluetoothコーデック/aptX Adaptive、aptX HD、aptX、AAC、SBC
Bluetoothプロファイル/A2DP、AVRCP、HFP、HSP、BLE GATT(汎用属性プロファイル)
ドライブユニット/40mm ダイナミック型フルレンジ・バイオセルロース・ドライバー×2
質量/307g (キャリングケースを除く)
本体カラー/ブラック、ブルー、グレー

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