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勝ち組はどこ?ドコモ、au、ソフトバンク、楽天、通信4社の決算を比較評価する

2022.12.19

■連載/法林岳之・石川 温・石野純也・房野麻子のスマホ会議

スマートフォン業界の最前線で取材する4人による、業界の裏側までわかる「スマホトーク」。今回は、通信キャリア4社の決算発表について話し合っていきます。

料金値下げの影響は底が見えてきた

房野氏:2022年11月に各社、決算発表会を行いました。どう思いましたか?

房野氏

石川氏:携帯電話4社の決算で、楽天モバイルは除きますけど、料金値下げ影響の底が見えてきた感じがします。KDDIに関しては通信障害でお詫び金とかを払わなきゃいけなかったので、その影響がありましたけど、ソフトバンクは底打ちはしたと言っていた。「地獄から脱しようとしている」みたいなことを言っていた。

石川氏

石野氏:とりあえずピークアウトはした。

石野氏

石川氏:ドコモもだいぶ改善が見えてきたかなという感じ。本当にこの2年くらい、通信事業の業績は悪かったけど、3社はようやく立ち直りつつあるのかなという感じ。楽天はどうしようもない感じ。

石野氏:ドコモの井伊社長から「ARPUを反転させる」という力強いコメントを聞けたのは久々だった。

株式会社NTTドコモ 代表取締役社長 井伊 基之氏

房野氏:その要因というのが?

石川氏:YouTube。

石野氏:ARPUが増えた根拠は何かと聞いたらYouTubeだと。

房野氏:映像を見るニーズが高まっているということでしたね。

石川氏:そこはdTVと言ってほしかったな。

石野氏:質問したら「残念ながら弊社(ドコモ)のサービスではないんですが」と。

石川氏:年齢が上の世代もYouTubeを見るようになったからARPUが上がったと。

石野氏:実際、中大容量プラン、ギガホとか5Gギガホとかahamoの割合が増えてきているそうです。

石川氏:以前は相当、中大容量プランの契約者が少なかったということ。構造的にギガライトを契約している人が圧倒的に多かった。

法林氏:上の段階に上げる努力をしていない。

房野氏:小容量プランを契約している人はどれくらいの割合なんでしょうか。

石野氏:旧プランが残っているから、9割はないと思うんですけど。

石川氏:KDDIとソフトバンクは、料金プランにYouTubeプレミアムをバンドルして(=束ねて)ARPUを上げる努力をしている。業界的に見ると、5G端末がなんとか普及してきたのでARPUが上がっている。大きな画面のサクサク動く5G端末でユーザーがYouTubeを見るようになって、結果としてARPUが上がっていくという状況。料金値下げショックからだいぶ立ち直りつつあるのかなと。さらに、本来であればもっと5G端末が普及して、もっともっとみんなが動画を見てくれればいいんですけど、楽天のプラチナバンド割当ての話もあって、5Gの設備投資がおろそかになっちゃうと急ブレーキがかかる可能性はあるかな。

房野氏:最近、ahamoの契約者数って公表されていますか?

石川氏:出ていないですね。2022年2月に250万くらいという数字は出ていましたが。

法林氏:たぶん、ドコモ、KDDI、ソフトバンクの3社で3000円前後のプランでは、ahamoのARPUが一番高いと思います。povoは0円だから……

法林氏

石野氏:ARPUは低いと思いますよ。

法林氏:povoは始まってから半年経ったので、トッピングを追加購入していないユーザーに着々と「回線が止まりますよ」って連絡が行っていると思います(笑)

石野氏:僕は1回線止められちゃいました。

法林氏:タイミングを見て、3か月とか半年有効な3GBプランを出したりして色々工夫はしているけど。

石川氏:povoは、実験的なことをするブランドという当初の目的に戻っている。実際、やっていることは面白くて、日数と容量で値段が変わったり、余った容量をPontaポイントに変えたりできる。あれはあれでいいのかなと。むしろ、KDDIとしてのメインはUQ mobileだし、ソフトバンクもLINEMOをやりたくてやったわけではなくて、やっぱりY!mobileがメイン。

法林氏:3000円くらいの料金プランでは、ahamoがやっぱり知名度では圧倒的。井伊さんのことを「ahamoおじさん」って呼ぶ人もいる(笑)。ドコモは元々、中大容量のユーザーが少なかった。一部、使い放題の5Gギガホの人はいるけれど、圧倒的な数のライトプラン、および旧プランのユーザーがいる。真ん中がいないのでahamoをやったというのは、以前からインタビューでよく言われていること。

石野氏:ちなみに、さっき言ったドコモの中大容量プランのユーザーは2割くらいです。

房野氏:旧プランのユーザーって多いのでしょうか。

石野氏:結構いるんですよ。

法林氏:僕はdocomo with(対象機種の利用で毎月1650円割引になるプラン。新規受付は2019年5月で終了している)を2回線持っていて、どうしようかと思っている。毎月1650円割引だけど、旧プランにしか効かないし、5Gにはできない。

房野氏:旧プランって、ドコモの場合は契約を解除しない限り続くんでしたっけ。

法林氏:完全に終了、更新も不可って言わない限りは、たぶん継続できる。docomo withは、もしかしたら4G終了まで行くかもしれない。

石野氏:一般的な人だと機種変更の時に5G端末になって料金プランが変わる。

法林氏:そうね。mova(ムーバ※NTTドコモの第2世代方式のサービス名)時代の「ドニーチョ」は、最後の方では「ドニーチョ回線あるけどいりませんか?」って売買されていましたからね。

石野氏:懐かしい! ドニーチョは、土日祝日と夜間しか電話を利用できないプランですよね。それ以外は着信もできないので、契約していた友だちに平日に電話ができなくて困った(笑)

ユーザー数を増やすかARPUを上げるか

房野氏:ソフトバンクの底打ちの要因は何ですか?

石川氏:ソフトバンクはユーザーを増やす戦略になっているらしくて。

房野氏:Y!mobileで、ですか?

石川氏:そうですね。ユーザーを拡大して収入を上げる、そしてユーザーにPayPayを使ってもらう、さらにPayPay証券にデビューしてもらう、PayPayカードを作ってもらう、という戦略で動いている。とにかくユーザー基盤を広げる戦略です。

房野氏:年齢層は若年層ですか?

法林氏:いや、Y!mobileは結構、上の年齢層も多いですよ。

石川氏:ジャパネットでもY!mobileをガンガン売っているし。

石野氏:携帯電話事業者の収益基盤ってシンプルで、ユーザーが増えるか、ARPUが上がるか。そのかけ算だと孫さん(ソフトバンクグループ 会長 孫 正義氏)、宮内さん(ソフトバンク 会長 宮内 謙氏)も言っていました。実際その通りで、ARPUが上がらないならユーザー数を増やしていけば収益が上がるし、今はさらに2階建て、3階建てでサービスも増えるので、ユーザーが増えるとサービスを使ってくれる、という方法で収益を増やしていく。

ソフトバンクグループ株式会社 代表取締役 会長兼社長執行役員 孫 正義氏

ソフトバンク株式会社 元代表取締役社長執行役員 兼 CEO 宮内 謙氏

房野氏:ということは、今はARPUが上がっていないってことですね。

法林氏:まぁ、そうね。今は料金値下げの影響があるので、どうしても下がらざるを得ない。

房野氏:大容量プランがあまり使われてないということなのでしょうか。

石野氏:プランに関わらず、全体的に値下げしちゃっているので、元値が下がっている。なのでユーザーを増やしてフォローしている。

法林氏:僕は3キャリアに対してダメじゃんと思うところがある。例えば、つい最近、ソフトバンクの「ウルトラギガモンスター 50GB」を契約してる知人と話したんだけど、利用状況を聞いてみると、「メリハリ無制限」にした方が200円くらい安くなるはず。ところが、そういうことって、全然、周知されていない。今はアップルストアでiPhoneだけを買う人がいるように、端末と回線が分離しているけど、従来の4G契約のまま、端末を買い換えて、旧プランのまま、使い続けて、月末になると、「50GB使い切っちゃいそう」なんてことになる。そこで、「だから、メリハリ無制限にすれば、いいんじゃないの?」って言うと、「それって、ソフトバンクショップに行かなきゃいけないですよね?」「忙しくて、ショップに行く時間がない」みたいな答えが返ってくる(笑)。コロナ禍に際して、キャリアは「お店に行かなくて、オンラインで手続きができますよ」って、散々アピールしたんだけど、ごく普通の20代や30代の人でもオンラインで手続きができることを知らない人がたくさんいる。こういう状況を生み出しているのは、結局、キャリアの努力が足りないから。

石川氏:そうだし、通信料金と端末代金を分離したからといって、必ずしも値下げにはなっていない。結局、ユーザーはキャリアとの接点が絶たれてしまって、料金を見直すタイミングがなくなったという面があるんじゃないかな。

房野氏:でも、5G化すると通信量が増えますよね。

石川氏:上がってはいます。

石野氏:5G端末にすると上がる。

石川氏:楽天もそう言っているし、KDDIの髙橋社長も4Gの2.5倍に上がるって言っている。もっと5Gに切り替えてもらわなきゃってことだと思います。

KDDI株式会社 代表取締役社長 髙橋 誠氏

房野氏:思ったより5Gへの移行は進んでいないのでしょうか。

石川氏:そうですね。昔は端末代金を安くして新世代の端末に変えさせていましたけど、それができなくなったので、ユーザーは「4Gでいいじゃん」という感じになっちゃっている。

房野氏:4G端末が多いのか、4G契約が多いのか。

石野氏:ドコモは5Gの契約数が1600万。ドコモユーザーの5分の1くらいか。

房野氏:移行のスピードは遅いですか?

石野氏:まぁ普通って感じじゃないかな……ちょっと遅いかなって感じ。

石川氏:本来ならもっと前倒しで進めた方が良かったんでしょうけど、分離したせいもあるし、端末代が高いから中古でいいんじゃないのっていう空気も作っちゃったし。

房野氏:端末と回線契約が一体化していた時代と違うということですね。

石川氏:総務省は値下げの方向に持って行ったけど、結果として5Gの促進が遅れている。

石野氏:5Gの契約が1600万で、ahamoと5Gギガホが1000万ってことは、600万くらいは5Gギガライトを使っているってことなんですね。ahamoでもギガホでもない5Gユーザー。

法林氏:それは別にいても不思議じゃない。

房野氏:コロナ禍の影響はあると思いますか?

法林氏:多少はあるでしょう。外出しないからモバイルであまり通信しなかった。だから勝負はこれからなんですよ。

石川氏:最近、外出する人が増えているので、Wi-Fiじゃない環境で通信しはじめている。料金値下げでARPUがドカンと下がっちゃったので地獄だったけど、ようやく5G端末に乗り換えてくれる人も増えてきたってところだと思います。

法林氏:5Gでなければできないことは特にないので、ユーザー的には端末が壊れたら買い換えるというレベルの人が多い。iPhoneが出たら毎回買い換える人なんて、極めて少数派。何も提案できていないというか、キャリアが悪いのではなくて、業界全体としてそれができていない。5G端末が売れる方向にいってくれていれば、自然と5Gユーザーが増えて、その中から新しい使い方も出てくると思うんですよ。10代、20代の若いユーザーは、普通にTikTokや17LIVEを使っている。そう考えると動画を使うようにはなってきているんだけど、「ところでキャリアには何かありましたっけ」って考えると、何もない。

石川氏:YouTubeですよ(笑)

各社に燃料費高騰の影響

房野氏:KDDIの決算はどう思いましたか?

石川氏:7月の通信障害のお詫び金の影響が若干ありました。

石野氏:よくわからなかったのが、お詫び金と燃料費の高騰の影響を混ぜていたこと。それ、混ぜるんだって思いました(笑)

石川氏:燃料費の影響を最初から説明してきたのはKDDIだけだった。

石野氏:各社、高騰の影響は受けていると言ってはいるんですが……

石川氏:資料にはっきり書いていたのはKDDI。他社は質問すれば回答するという程度だった。

房野氏:KDDIでは燃料費高騰の影響が50億円となっていましたね。

石川氏:50億ってそれほどでもなくない? って気がする。お詫び金の存在を隠したかったのかなぁ。

石野氏:そういう意図が見え隠れしたなぁと(笑)

房野氏:お詫び金って75億円でしたよね?

石川氏:それには法人向けが入っていない。

石野氏:法人には賠償ですからね。お詫び金には入っていない。

房野氏:お詫び金などの通信障害影響と燃料高騰影響が合わせて148億円でした。これは上期で、ですね。KDDIの上期の営業利益は5585億円で、そのうちの148億円というのは高いですか、安いですか?

石野氏:そこまで高くはない。

法林氏:やったことから考えれば、まぁそれくらい。

石川氏:広告宣伝に投下している金額に比べれば微々たるものでしょう。それでいうと、ドコモは今回、黒字みたいに見えるけど、設備投資が昨年より減っているんですよね。そのあたりで決算数字を調整しているんじゃないかなっていう気がして。

石野氏:コスト削減は効きますからね。燃料費高騰の影響について、本当は各社の電気サービスについて質問したかった。実際、auでんきは燃料調整費の上限を撤廃しているし、ドコモでんきはいつの間にか受け付けを停止していたりします。

法林氏:各社からああいう電気サービスが色々出てきたけど、本当に燃料を持っているというか、発電できる会社じゃないと、やっぱり……

石川氏:MVNOに通じるなと思いました。今、接続料が下がっているからMVNOはあの料金価格を維持できていますけど、接続料が上がったらMVNOは生きていけない。電気も同じで、結局電気を作っているか通信を作っているかの違い。借りてきただけではどうにもならないなと。

石野氏:そうですねぇ。

法林氏:再販でしかないからね。自然エネルギーは値段的にちょっと解釈しづらい。元々エネルギー系を何でもやっているENEOSみたいな会社はさほど盛大には動いていないけど、MVNO的な電気サービスはしんどいですよね。

石野氏:今までユーザーに対して燃料調整費の上限があったので、KDDIとかソフトバンクは損を被っているはずなんですよね。電気の調達価格が上がった分を負担してくれていたというか。

法林氏:数が多いのと、還元がポイントなので、多少調整できる。

ソフトバンクはPayPayを軸に金融事業を立ちあげる

房野氏:各社の金融系の事業はどう見ましたか?

石野氏:金融系はみんな絶好調。

石川氏:典型的なのはソフトバンクで、金融事業として立ちあげると言っている。宮川社長は、PayPay単体よりはPayPayカード(旧ヤフーカード)を持っている人の方が決済単価が上がるので、最終的にカードを持たせたいと言っていました。

ソフトバンク株式会社 代表取締役 社長執行役員 兼 CEO 宮川 潤一氏

法林氏:PayPayカード、僕も持っていますけど、「『あと払い』に変えろ」って一生懸命言ってくる(笑)

房野氏:最近、PayPayはポイント還元をあまりやっていませんよね。

石野氏:自治体と組んでやっていますね。自治体が還元の原資を出している。

石川氏:自治体を盛り上げるという名目で、コード決済で20%負担するってことを各社やっている。どのキャッシュレスでも還元しますと。それぞれ還元額の上限があるけれど、4社分のキャッシュレス決済を使えば、ものすごく還元される。

石野氏:成田空港の免税店でもキャッシュバックが付きました。タバコまでPayPayで20%戻ってきて、還元しすぎだろって思った。

法林氏:自治体が原資を出している、つまり税金から出されているので、割と生々しいですよ(笑)

石野氏:予算に達して予定より早くキャンペーンが終わるところもある(笑)

房野氏:PayPayが今さらクレジットカードを推す理由は?

石川氏:決済単価を上げるってことです。PayPayなどのコード決済はチャージの必要があったり、与信機能を持たなかったりで、ユーザーの利用が少額になっちゃうんです。電気代などの公共料金、服や電化製品なんかを買うことでクレジットカードが使われれば決済単価が上がるので、結果として手数料収入が増える。プラス、証券とかを利用してもらう。まずポイント運用から始めて、そこからPayPay証券にデビューさせる。そうすると営業費が少なくても証券の口座を作ってくれる。各社、決済アプリのスーパーアプリ化を進めていて、そこに金融サービスを載せてくる感じです。

石野氏:あと、コード決済のアプリに自社のクレジットカードを紐付けてもらえれば、ほかのクレジットカード会社に払う手数料を抑制できることも大きい。

法林氏:だから、既存のクレジットカード会社は結構マズイ状況。例えば、au PAYはアプリからSuicaにチャージできるのでビューカードがいらなくなるわけですよ。au PAYも結果的に決済額が上がっていく。au PAYにチャージするのに一番いいのはau PAYカードじゃんってことで、カードも決済額が上がっていく。dカードを持っているとドコモの料金の10%をポイントで還元すると言っていたけれど、そんなレベルの話ではなくなってきている。

au PAYカード

房野氏:au PAYカードって会員数はどれくらいですか?

石川氏:800万くらいだったかな。楽天カードは2500万くらい。

房野氏:思っていたより多いんですね。

石川氏:キャリアの決済サービスは、基本的には通信料金を払うために使われるので、毎月支払うし、ポイントが貯まるので、だんだんメインカードになっていく。ドコモの決算会見では「iDをどうするのか」という質問があって、井伊社長はiDを守る派だってことがわかった。どうやらドコモ社内ではd払い推しがいるようです。iDって決済で終わっちゃうわけですよ。d払いはアプリを起動して、dポイントを表示して、コードを読み取らせて、さらに画面上にいろんなキャンペーン情報やクーポンが表示されて、それによってユーザーの購買履歴が集められていく。将来的にマーケティングにつなげようと思うと、FeliCa決済よりコード決済になってくるんだろうなと思います。ドコモはマーケティングの会社になろうとしているので、d払いを推していく感じがします。

石野氏:iDはドコモのブランド。ドコモがVisaとかMastercardみたいに振る舞っているようなものなので、他社にもiDを使ってもらえば、ブランド手数料がチャリンチャリン入ってくる。やめる理由はない。

石川氏:iDも楽天Edyもやめる理由はないけど、この先、積極的にやるかといったら悩ましいところ。

房野氏:Edyはスーパーでは結構使われていますよね。ご年配の利用が多いのかな。

石川氏:そうそう。

法林氏:現金でチャージできるし、入っている金額分しか使えないのでわかりやすい。少額決済に強くて、商店街とか小さいスーパーに導入されている。

石川氏:対nanacoとして、地方のスーパーがEdyを使っているケースがあると聞いています。

房野氏:各社、ベースとなる決済の上に銀行とか証券のサービスを載せて使わせる仕組みを作ろうとしているイメージですか?

法林氏:最終的にはそうしたいんだろうけど、ユーザーがみんなそうなるわけではない。世代によって使い方が違うので、メニューをたくさん用意している。コード決済が一番簡単なはずなんだけど、圏外だと使えないとか、チャージしなきゃ使えないとか、どのアプリを起動すればいいかわからない、みたいな人にとっては、Visaのカードをかざせばコンビニで払えて楽、みたいな話だろうし。

石川氏:まだ圧倒的に現金が多い。7割近く現金だと言われているので。

石野氏:レジに人が多く並んでいる中で、現金で払っている人を見ると、ちょっとイライラしちゃう(笑)

法林氏:僕は映画館をよく利用するけど、売店での現金率は着実に減ってきていて、かざして払うようになってきている。

石川氏:映画はチケットを取るのもスマートフォンだし、よく言われているカスタマージャーニーなのかな。チケットを買う行為からスマホなので、親和性が高いんですよ。

石野氏:マクドナルドのモバイルオーダーを使う人も増えている。

石川氏:以前はモバイルオーダーだと早く受け取れたのに、最近はモバイルオーダー待ちになってきた(笑)。あと、決算といえば、ドコモがWeb3に6000億円突っ込むのがすごいなと思いました。

房野氏:Web3って結局何なんですか?

石川氏:うーん……(笑)

……続く!

次回は、2022年のスマートフォン業界の動き総まとめについて会議する予定です。ご期待ください。

法林岳之(ほうりん・ たかゆき)
Web媒体や雑誌などを中心に、スマートフォンや携帯電話、パソコンなど、デジタル関連製品のレビュー記事、ビギナー向けの解説記事などを執筆。解説書などの著書も多数。携帯業界のご意見番。

石川 温(いしかわ・つつむ)
日経ホーム出版社(現日経BP社)に入社後、2003年に独立。国内キャリアやメーカーだけでなく、グーグルやアップルなども取材。NHK Eテレ「趣味どきっ! はじめてのスマホ」で講師役で出演。メルマガ「スマホで業界新聞(月額540円)」を発行中。

石野純也(いしの・じゅんや)
慶應義塾大学卒業後、宝島社に入社。独立後はケータイジャーナリスト/ライターとして幅広い媒体で活躍。『ケータイチルドレン』(ソフトバンク新書)、『1時間でわかるらくらくホン』(毎日新聞社)など著書多数。

房野麻子(ふさの・あさこ)
出版社にて携帯電話雑誌の編集に携わった後、2002年からフリーランスライターとして独立。携帯業界で数少ない女性ライターとして、女性目線のモバイル端末紹介を中心に、雑誌やWeb媒体で執筆活動を行う。

構成/中馬幹弘
文/房野麻子

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