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40代、50代の人も寒い脱衣所には要注意!ヒートショックを防ぐ最先端ソリューション

2022.12.21

風呂に入ろうと思って脱衣所で裸になったときに、凍えるように寒い思いをしていないだろうか? 部屋と浴室の温度差が大きくなると「ヒートショック」のリスクがある。高齢者だけでなく、40~50代もリスクがあるため、注意が必要だ。ヒートショックを避けるには、まず温度差をなくすことから始めたい。本記事では、最先端の設備や家電を紹介する。

ヒートショックとは?

ヒートショックとは、温度の急激な変化により、血圧が大きく上下することで、引き起こされる健康被害のこと。特に冬場、暖かい場所から寒い場所へ行くと血管が縮まり、 血圧が急激に上がることで失神や心筋梗塞、脳梗塞、脳卒中などを起こす。そのまま死に至るケースも少なくない。

アエラホームの資料によれば、浴室や浴槽で起こる場合が最も多く、温度差が10℃以上あるときに起こりやすくなるという。湯船に入ると縮まっていた血管が広がり、血圧が急降下する。この急激な血圧低下が失神して溺死する原因になるという。

厚生労働省の人口動態調査では、高齢者の「不慮の溺死及び溺水」による死亡者数は高い水準で推移している。発生場所は、家や居住施設の浴槽における事故が多く、11 月~4月の冬季を中心に多く発生している。また令和元年の家及び居住施設の浴槽における死亡者数は4,900人で、平成20年の3,384人と比較すると約 10年間で約1.5倍に増加している。

ヒートショックによる健康被害は高齢者だけでなく、高血圧や糖尿病など持病を抱えている人にも起こりやすいので注意が必要だ。

ヒートショックを防ぐには?

ヒートショックを防ぐには、家中の温度差をなくすことが重要と考えられている。

消費者庁は、急激な血圧の変動を抑えるために、入浴前には脱衣所や浴室を暖めておくことを勧める。部屋間の温度差をなくすために居室だけでなく、家全体を暖かくすることが重要で、二重サッシにするなど、断熱化を検討することも有効だという。浴室に暖房設備がない場合は、「湯を浴槽に入れるときにシャワーから給湯する」、「浴槽の湯が沸いたところで、十分にかき混ぜて蒸気を立て、蓋を外しておく」などして、できるだけ浴室内を暖め、温度差が小さくなるように工夫も推奨する。

また、血圧の変動を抑えるため、湯につかる前にかけ湯を入念に行うことも勧める。

近年は家の中の温度差をなくすために、さまざまな設備や家電が発売されている。今回はその中から4つを紹介しよう。

1.アエラホーム 高気密・高断熱住宅ブランド「クラージュ」

家の中の温度差をできるだけなくす方法の一つとして、高気密・高断熱の住宅を選ぶことが挙げられる。

高気密・高断熱住宅ブランド「クラージュ」を手がけるアエラホームによると、 高気密・高断熱の家は家全体の温度を快適に保つことができる機能を備えており、部屋間の温度差がほとんどなくせるため、ヒートショックのリスクを軽減できるという。

クラージュは、屋根までアルミ箔面材付き遮熱断熱材ですっぽりと包み込む「外張断熱」に加え、壁の内側には発泡ウレタンフォームによる吹付断熱を施す「外張W断熱工法」を採用している。

「クラージュ」デジタルカタログより

そして、家中の温度をできるだけ均一に保つ仕掛けがあるという。同社のCSR部の大森幹郎氏と後藤俊雄氏は次のように解説する。

「クラージュは、外気の影響を受けにくく、前夜暖めた室内の空気が冷めにくいため、真冬でも暖かな朝が迎えられます。家中どこでも年中常温常湿で常に新鮮な空気が供給される理由は、熱交換率90%の高性能全熱交換型換気システムを採用している点にあります。空気中の熱エネルギーである温度と湿度の両方のエネルギーを交換する仕組みです。温度のみ交換する顕熱型と比べ、エネルギーロスが少なく、経済的である点も特徴です」

また、家の作りや設備にも仕掛けがある。

「家全体を断熱材で屋根までアルミ包み込む外張断熱に加え、内側にも吹付け断熱を施工して気密性・断熱性を高め、わずかなエネルギーで家中快適で健康的な住まいを実現しています。屋根と壁のキューワンボードのつなぎ目にはアルミの気密テープを貼り付け、気密シートを使った従来の処理に比べ、信頼性の高い気密性を実現しています。

住宅で最も熱損失が大きい開口部には高性能樹脂サッシ、高性能Low-Eトリプルガラス、高性能の断熱材入り気密玄関ドアを採用し、床や金物など細部に至るまで建物に生じる隙間を徹底的に防いでいるので外気の影響を受けにくく、宅内の部屋間の温度差が小さく、温度ストレスを軽減するため、年間を通して快適な室内温度を保つことができます」

「クラージュ」デジタルカタログより

断熱性能の高さに加え、細かな施工の工夫や換気システム等の高性能住宅設備により、冬でも暖かく、家中が快適な温度に保たれるのはヒートショック予防のみならず、年中快適な暮らしもできそうだ。健康という視点で、高気密・高断熱住宅を選択するのも一案といえる。

2.クリナップ アクリアバス「浴室まるごと保温」

クリナップのシステムバスルームブランド「アクリアバス」の「浴室まるごと保温」は、時間が経過しても湯温だけでなく浴室内も温かく保つ機能だ。

浴室内の壁・フロア・天井を保温材で包み、熱を逃がさない仕様になっている。

クリナップの担当者によれば、浴室内の温度は高齢者に配慮しているという。

「国土交通省は『最低室温17℃+最大上下温度差3℃~5℃』、暖房居室と非暖房居室の温度差は『5℃以内』、廊下とトイレの温度差は『3℃以内』を推奨しています。また、室温は血圧上昇が10mmHg以下であれば高齢者も安心という範囲から『廊下や浴室・トイレなど非居室で17℃』を安心レベルとしています。これに伴い、『浴室まるごと保温』では、最初に入浴した方が入浴後、30分経っても浴室を20℃以上に保ちます」

入浴後30分の浴室内の温度について、アクリアバスは22.5℃、保温材なし仕様の浴室は13.5℃というデータがある。

ヒートショックのリスクを回避するために、「浴室まるごと保温」を利用する場合に、どのように役立つだろうか。

「アクリアバスでは標準搭載の『床夏シャワー』で、入浴前に1分程度お湯をまいて浴室を温めるので、浴室まるごと保温との相互作用で最初の1歩からあたたかく入れます。『床夏シャワー』がない場合でも最初に入る方はバスタブにお湯を張る際にふたを取り、蒸気で浴室を温めたり、浴室暖房機で温めたりする等、最初に17℃以上まで温める必要がありますが、その後は保温が利いているので、温かく入浴でき、脱衣所との温度差を緩和し、ヒートショックの軽減に役立ちます」

新築やリフォームの際に、システムバスを検討する場合にはヒートショック対策の観点も取り入れるとよさそうだ。

3.ドウシシャ「CIRCULIGHT(サーキュライト)ホット&ブロアーシリーズ」

即席で現状の脱衣所を温める仕組みを取り入れる方法もある。脱衣所に設置して、

温風を送れるドウシシャのサーキュレーター搭載シーリングライトは、ヒートショック対策に役立つ家電の一つだ。

「CIRCULIGHT(サーキュライト)ホット&ブロアーシリーズ 引掛けモデル」16,280円(税込)

天井照明用の配線器具である引っ掛けシーリングに製品を装着するだけで使えるので、設置も簡単だ。

ドウシシャの担当者は次のように解説する。

「CIRCULIGHTホット&ブロアーシリーズは、洗面所や脱衣所などの狭所を、冬は温風機能、夏は送風機能で快適な空間に変えることができる製品です。

照明にも代わる製品なので、暖房器具を置きづらい場所にも設置ができ、コンセントの場所を気にする必要がありません。使いたいときにすぐ使えるクイックスタート機能も搭載しているため、すぐに温風を浴びることができますし、ルーバーを手動で回転することもできるので、ピンポイントで風を感じることができます。

浴室に入る前、脱衣所での脱衣前にスイッチを入れていただき、脱衣所を暖めてから脱衣・入浴していただくことで、ヒートショックのリスクを多少なりとも低減させることができるのではないかと考えます」

リモコンで風向きを調節できるなど、便利に使えるのもポイント。すぐにでも対策を取りたいときに良さそうだ。

4.「アラジン 脱衣所暖房機 ADH-G1201

脱衣所に暖房機を設置するのも一案だ。アラジンの脱衣所暖房機は、スイッチを入れてから0.2秒で発熱し、ヒートショック対策に役立てることができそうだ。

「アラジン 脱衣所暖房機 ADH-G1201」49,980円(税込)

アラジン製品を手がける日本エー・アイ・シーの担当者によれば、同製品を使用することで入浴前後の血圧の急激な変化を抑えることができ、ヒートショックの予防に効果が期待できるという。

「アラジンの様々な製品に使用されている『グラファイトヒーター』は0.2秒で発熱し、対象物を素早く温めます。また、同ヒーターは遠赤外線効果が高いため水分(人体)を温める作用が他のヒーターよりも強く、ドアの開閉などにより、一時的に室温が下がった場合にも、熱は人体に蓄積されているため、寒さを感じにくくなります」

入浴前後の血圧の変化について、血圧変化のデータがある。

1.脱衣所暖房あり 脱衣所温度:約25℃
入浴前最高血圧 129nmHg
入浴中最高血圧 約126nmHg
入浴後最高血圧 約125nmHg

2.脱衣所暖房無し 脱衣所温度:約10℃
入浴前最高血圧 158nmHg
入浴中最高血圧 約136nmHg
入浴後最高血圧 約164nmHg

脱衣所暖房ありのほうはほとんど血圧変動がなく、脱衣所暖房無しのほうは、入浴中に大きく下降し、入浴後に大きく上昇していることが分かる。

その他の機能として、「最大3時間の切タイマー、温度の過昇検知機能、ファン故障時モーター停止機能など安全装も備えている他、フィルターの取り外しや水洗いが可能なのでお手入れ性にも優れています」と担当者。普段から便利に使えそうだ。

ヒートショックは、高齢者のいる家庭はもちろん、どの家庭でも起こりうること。脱衣所の温度に不安がある場合には、検討してみよう。

【参照】
消費者庁「冬季に多発する高齢者の入浴中の事故に御注意ください!」

取材・文/石原亜香利

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