その道を究めた職人の作業環境には、これまで紹介したガジェット専門インフルエンサーのデスクとは違った魅力にあふれている。そこで3名の個性豊かな「プロ」のデスクを徹底取材、仕事を最適化するための秘訣に迫った。
漫画家 厳男子(きび だんご)さん
2009年に『SOLA』でアフタヌーン四季賞萩尾望都賞を受賞。2014年には『TOUGEI闘芸』でちばてつや賞優秀新人賞を受賞した。2018年からLINEマンガにて『ムラサキ』が配信中。家業のしいたけ栽培にも携わっている。
細部までしっかり描き込める4Kのペンタブレットが活躍
情報がギッシリ詰まった迫力あるダンスシーンが人気の漫画『ムラサキ』。登場キャラクターたちの躍動感をビシビシと感じる読みごたえ十分の作品は、3つの4Kデバイスを置いた環境で描かれているそうだ。
「中央のペンタブレットは24インチ、両脇のディスプレイは27インチです。左手でゲーミングキーパッドを操作し、右手はタッチペンを使うというのが定位置。これらは作業効率を意識しながら揃えてきました」
買い替えたばかりの4Kペンタブレットは、モニターアームで位置を自由に動かせるようにしたそうだ。
「モニターが宙に浮いている状態なので、机の上に余裕ができ、手を動かせる範囲が広がり、すごく描きやすくなりました。4Kの解像度に上がったことで、描いた線の状態がわかりやすくなり、拡大して確認しなくてもすむケースが増えています」
タブレットと並べて使用するディスプレイは、作業効率アップのために2つある状態がベストだという。
「それぞれのディスプレイには画面を分割するようにアプリを配置。Web検索の画面、画像など資料、メール、YouTubeの動画といった情報を一覧できるようにしています」
今後導入したいアイテムとして、厳男子さんは天板の高さを変えられる昇降デスクを挙げた。
「天板を高くして立って作業をしたほうが、腰への負担が軽くなるみたいなので。これだけの機材の重さを安全に昇降できる机が欲しいです」
厳男子さんが描き下ろした〝ペンタブ中心〟のデスク環境!
(イラスト)大きなペンタブレットを机の中央に置くのが厳男子さん流。(写真)つい最近では環境をプチリニューアルし、4Kタイプの〝ペンタブ〟とディスプレイ(×2)に買い替えた。
〈こだわりポイント〉イーゼルに向かうように〝ペンタブ〟を立てて描きます!
美大出身のため、イーゼルに立てたキャンバスで絵を描いてきた経験が豊富。そのことから、ペンタブレットも立てて描くそうだ。アームにより、ペンタブレットを作業しやすい位置に動かせるようにして、効率化を図っているとか。
『ムラサキ』がLINEマンガにて配信中!
ダンスに魅せられた女子高生、一条紫が創作ダンス部を設立するために奮闘する姿を描く。迫力ある筋肉の描写が見どころだ。
新規レイヤーもすぐに作成できる!
描く際に必要な機能を、各ボタンに登録できるデバイス。「戻る」「進む」「レイヤー作成」などが指1本で完了するため、スムーズに作業が進むそうだ。効率良く作業をするために一番重宝しているとか。
肘を置くだけで描くのもラク!
高反発ウレタン材を採用するデスク用クッションも愛用。机上に置くことの多い肘にやさしくフィットし、作業中の負担を軽減する。「今や〝なくてはならない〟存在。最近は2つ並べて使っています」
取材・文/田村菜津季 写真協力/LINEマンガ、ライブドアニュース
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2022年11月発売のDIMEでは「マネしたくなる!最強の仕事基地」として、ガジェット系YouTuberやインフルエンサー、さらには家具メーカーに「理想のデスクの作り方」を総力取材! 作業効率が超アップするガジェットや、一気に見栄えがよくなる工夫などを紹介しています。さらに、付録は「携帯型スティック加湿器」! スリムな形状なので持ち運びやすく、必要なのは水を入れた容器とUSB電源だけ。勢いよく噴射する強力ミストで、身の回りの潤いを保つようにしてください。