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五感をフル活用して記憶力を強化する方法

2023.03.20PR

東大、フランス国立研究所、MENSA(全人口の上位2%の知能指数を持つ人が入会できる国際グループ)などで世界のさまざまな「頭のいい人」を見てきた脳科学者・中野信子氏。そんな中野氏が「物忘れを防ぐ『検索タグ記憶法』」「『誰かのために』が脳に快感と若さをもたらす」「挫折がなくなる『やらないことリスト』の作り方」など、仕事や勉強、人生がうまくいく脳を活用した31の習慣を解説した著書が世界の「頭のいい人」がやっていることを1冊にまとめてみたです。

本稿ではこの本から一部を再編集、「世界で通用する、本当に賢い人たち」が実践している少し意識を変えるだけで、誰にでも今日からできるコツをお届けします。

中野信子著/アスコム
世界の「頭のいい人」がやっていることを1冊にまとめてみた

覚え、貯蔵し、出力するのが記憶の流れ

記憶には「記銘」「保持」「想起」の3つのプロセスがあります。「記銘」とは覚えること、「保持」とは記憶を貯蔵しておくこと、「想起」とは貯蔵してある記憶を必要なときに取り出すことです。

また、視覚、聴覚、触覚、味覚、嗅覚で司られる五感をいかに活性化させるかが、記憶に影響します。その記憶が長期間覚えられるか、すぐに忘却するかが分かれてしまうのです。

「記銘」の段階で注意を向けられなかった情報は、長期記憶になることなく消えてしまうといわれています。電話番号、歴史の年号、数学の公式など、無味乾燥な暗記を伴うような数字や文字が並んだものなどがそれにあたります。

人間は五感を介して脳に情報を送り、記憶や学習、判断などの処理をしています。長期間しっかり覚えるには、五感を働かせるのも一種の手段なのです。五感を働かせて記憶する場合、働かせる感覚器官が多ければ多いほど、記憶は強化されやすく、長期間にわたって残りやすいとされています。

つまりこれは、もともと意味を持たない情報に「注意」を向けることになるので、記憶が長期記憶として保存されやすくなるということなのです。

また、「忘れっぽくて困る」「記憶力に自信がなくて」なんていう人は、実は、「記銘」や「保持」に問題がないのに、「想起」するところでうまくいっていないだけだったりします。

「一回授業でやったんだけど、よく覚えてない」「あの人は会ったことあるんだけど、名前が思い出せない」 なんていうときには、この「想起」のプロセスに弱点があると考えられます。

この場合も、五感をうまく使って覚えることで、記憶にタグづけがされるため、うまく想起されやすい形で記憶を保存することができるようになります。

無理のない範囲で五感の中で使えるものを活用する

例えば本の内容を暗記する場合、視覚を使うだけの黙読よりも、視覚と聴覚を働かせて音読するほうが、より記憶は確かなものになるでしょう。また、本の内容を音読しながら手を使って紙に写すほうが、もう一つの感覚を働かせている分、より記憶を鮮明なものにできるはずです。

珍しい花を写真だけで見るよりも、実際に見て、花びらの感触を確かめてみたり、花の香りを嗅いでみたりしたほうが、より鮮やかな記憶として残るというわけです。

受験勉強でももちろん、五感を活用するのは有効です。音読や書いてみるなどの方法はさほど苦労なく、すぐにできると思いますから、ぜひ、やってみてほしいと思います。

ただ、毎回のように五感をフル活用するのは、面倒で疲れるかもしれません。あくまで、できる範囲ということで、可能な場合に活用する程度でいいと思います。

図3.記憶の二重貯蔵モデル(多重構造モデル)dual storage model(Atkinson and Shiffrin,1971)

☆ ☆ ☆

脳のパフォーマンスは使い方や習慣次第で大きく変わります。「世界で通用する、本当に賢い人たち」が実践している『世界の「頭のいい人」がやっていることを1冊にまとめてみた』を参考に脳の上手な使い方を学んでビジネスに活用してみてはいかがでしょうか。

中野信子(なかの・のぶこ)
1975 年、東京都生まれ。脳科学者、医学博士、認知科学者。東京大学工学部応用化学科卒業。同大学院医学系研究科脳神経医学専攻博士課程修了。フランス国立研究所ニューロスピンに博士研究員として勤務後、帰国。脳や心理学をテーマに研究や執筆の活動を精力的に行う。科学の視点から人間社会で起こりうる現象及び人物を読み解く語り口に定評がある。現在、東日本国際大学特任教授、京都芸術大学客員教授。著書に『脳はなんで気持ちいいことをやめられないの?』『人は、なぜ他人を許せないのか?』(アスコム)、『サイコパス』(文藝春秋)、『空気を読む脳』『ペルソナ脳に潜む闇』(講談社)、『キレる!』『「嫌いっ!」の運用』(小学館)など多数。また、テレビコメンテーターとしても活躍中。

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