小学館IDをお持ちの方はこちらから
ログイン
初めてご利用の方
小学館IDにご登録いただくと限定イベントへの参加や読者プレゼントにお申し込み頂くことができます。また、定期にメールマガジンでお気に入りジャンルの最新情報をお届け致します。
新規登録
人気のタグ
おすすめのサイト
企業ニュース

頭のいい人が実践している脳を飽きさせない工夫

2023.02.09PR

東大、フランス国立研究所、MENSA(全人口の上位2%の知能指数を持つ人が入会できる国際グループ)などで世界のさまざまな「頭のいい人」を見てきた脳科学者・中野信子氏。そんな中野氏が「物忘れを防ぐ『検索タグ記憶法』」「『誰かのために』が脳に快感と若さをもたらす」「挫折がなくなる『やらないことリスト』の作り方」など、仕事や勉強、人生がうまくいく脳を活用した31の習慣を解説した著書が世界の「頭のいい人」がやっていることを1冊にまとめてみたです。

本稿ではこの本から一部を再編集、「世界で通用する、本当に賢い人たち」が実践している少し意識を変えるだけで、誰にでも今日からできるコツをお届けします。

中野信子著/アスコム
世界の「頭のいい人」がやっていることを1冊にまとめてみた

趣味に手を抜かない人が上司の信頼を獲得している

フランスの研究所時代、組織の中での身の処し方がとてもうまい人がいました。

フランス人の同僚のPさんという人です。彼は上司からの信頼が厚く、優秀な研究員たちが次々に入れ替わっていく研究室の中にあって、この人がいなければという地位を不動のものにしていました。

Pさんは非常に頭がいいのですが、ただ、ちょっと気まぐれで、研究よりも趣味を優先するようなところもありました。

この研究所は、フランスでもトップレベルの人が集まり、フランス以外の国からも実力のある人たちがやってくるところです。その中で、気まぐれで、しかも力を仕事に集中させるわけでもない彼が、どうやって生き残っているのか、最初は不思議に思ったものでした。

私はPさんをこっそり観察することにしました。多趣味で、そしてその趣味にも手を抜かない彼が、研究を続けていくために、どんな工夫をしていたのかが気になったからです。

Pさんはまさに生粋のパリジャンともいうべき人でした。映画にもグルメにも一家言あり、自分の好みがしっかりとあります。また、絵も上手で、皆の似顔絵を描いたりして楽しませてくれました。皆が集まるパーティでは、かくし芸として場の盛り上がるピアノ曲を難なく弾きこなしてしまいます。さらに、彼の一番の趣味であるタンゴでは、なんと世界大会に出場するというほどの腕前でした。

旅行も大好きで、世界中どこでも行くし、日本にも何度も訪れています。もちろん、日本の女の子も大好き。といっても、特定の女性と付き合うことはなく、どんな女性とでも適度な距離感でお付き合いするのです。

私もPさんにいろいろ教わろうと、面白いバーやパリらしい素敵なカフェ、夜遊びが楽しいクラブなどを案内してもらったりしました。そうして、しばらく彼と遊んだり話したりしている中で、私は、ある一つのことに気がつきました。

一つのことばかりすると脳はすぐに飽きてしまう

Pさんは、研究のついでに趣味をこなしているのではないのです。

彼は、自分自身が気まぐれで飽きっぽいことをよく知っていました。そしてそれを変えようとはせず、自分のその性格を、うまく利用していたのです。飽きたらすぐに別のことに目を向ける。そうして、いつも新鮮で、やる気の盛り上がった最高の状態で、その物事にあたることができるようにしていたのです。それが、Pさんなりの人生の工夫なのでした。

まあ、女性に対してもそれは同じことで、あるガールフレンドに対してちょっと気分が盛り下がったら、別の女の子とデートして、いつも誰かしら女性に対して新鮮でいられる努力をしていたわけですが……。さすがパリジャン!といったところでしょうか。

実は、脳はすぐ、一つの刺激に対して慣れてしまい、飽きてしまうという性質を持っています。Pさんは、このことを学者として知っているのと同時に、肌身でよく感じていたのですね。多くの趣味を持つということは、やる気を出すための工夫で、そのための努力を、誰よりも惜しまなかったわけです。

脳は苦しみを嫌い、楽しみを求める傾向を持ち、〝飽きた〟状態を嫌がります。ですので、飽きている状態でも同じことを続けながら「より楽しむためには、どうしたらいいかな」 と思っていると、潜在意識が答えを出してくれます。

そうやって、新しい楽しみを見つけた気づきは、他人からのどんなほめ言葉よりも嬉しく、快感をもたらすものです。仕事にもやる気が出ますし、継続のモチベーションになります。

そうして楽しそうに仕事をしていれば、その人は職場のムードを明るくします。

実際にPさんは「皆のお兄さん」として、仕事内容でも精神面についても、研究所の皆の支えになっていたのです。

上司がPさんを離さないのも、うなずける話ですよね。

☆ ☆ ☆

脳のパフォーマンスは使い方や習慣次第で大きく変わります。「世界で通用する、本当に賢い人たち」が実践している『世界の「頭のいい人」がやっていることを1冊にまとめてみた』を参考に脳の上手な使い方を学んでビジネスに活用してみてはいかがでしょうか。

中野信子(なかの・のぶこ)
1975 年、東京都生まれ。脳科学者、医学博士、認知科学者。東京大学工学部応用化学科卒業。同大学院医学系研究科脳神経医学専攻博士課程修了。フランス国立研究所ニューロスピンに博士研究員として勤務後、帰国。脳や心理学をテーマに研究や執筆の活動を精力的に行う。科学の視点から人間社会で起こりうる現象及び人物を読み解く語り口に定評がある。現在、東日本国際大学特任教授、京都芸術大学客員教授。著書に『脳はなんで気持ちいいことをやめられないの?』『人は、なぜ他人を許せないのか?』(アスコム)、『サイコパス』(文藝春秋)、『空気を読む脳』『ペルソナ脳に潜む闇』(講談社)、『キレる!』『「嫌いっ!」の運用』(小学館)など多数。また、テレビコメンテーターとしても活躍中。

@DIMEのSNSアカウントをフォローしよう!

DIME最新号

最新号
2024年4月16日(火) 発売

DIME最新号は「名探偵コナン」特集!進化を続ける人気作品の魅力、制作の舞台裏まで徹底取材!

人気のタグ

おすすめのサイト

ページトップへ

ABJマークは、この電子書店・電子書籍配信サービスが、著作権者からコンテンツ使用許諾を得た正規版配信サービスであることを示す登録商標(登録番号 第6091713号)です。詳しくは[ABJマーク]または[電子出版制作・流通協議会]で検索してください。