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どんな仕事でも楽しいものに変えられる人の思考法

2023.01.09PR

東大、フランス国立研究所、MENSA(全人口の上位2%の知能指数を持つ人が入会できる国際グループ)などで世界のさまざまな「頭のいい人」を見てきた脳科学者・中野信子氏。そんな中野氏が「物忘れを防ぐ『検索タグ記憶法』」「『誰かのために』が脳に快感と若さをもたらす」「挫折がなくなる『やらないことリスト』の作り方」など、仕事や勉強、人生がうまくいく脳を活用した31の習慣を解説した著書が世界の「頭のいい人」がやっていることを1冊にまとめてみたです。

本稿ではこの本から一部を再編集、「世界で通用する、本当に賢い人たち」が実践している少し意識を変えるだけで、誰にでも今日からできるコツをお届けします。

中野信子著/アスコム
世界の「頭のいい人」がやっていることを1冊にまとめてみた

どんなに忙しくても楽しそうである

「世界レベルの頭のいい人」というと、ノーベル賞受賞者の顔が思い浮かぶ人も多いのではないでしょうか。私が出会った人の中で、このノーベル賞に一番近いといわれている研究者が、フランスの国立研究所に勤務しているフランス人のDさんという男性です。

彼の研究テーマは「脳の画像解析」。世界中に競争相手がたくさんいますが、うまくいけばノーベル賞が取れそうな位置にいます。

でも、うまくいかなければあらゆる方面からバッシングの嵐になることも多いのです。多額の研究費(つまり税金)をつぎ込んだ研究ですから、目に見えるわかりやすい結果が出せなければ、非難の対象となってしまうわけです。

つまり、Dさんが意識しないといけないのは、ライバルの研究者だけでなく、彼の研究を応援してくれている人たちにも及びます。常に多くのプレッシャーを抱えるという、大変な世界にいます。

彼は毎日遅くまで研究し、勉強し、研究予算を確保し、部下を統率しています。毎年何本もの論文を書いてもいます。ものすごく大変だと思うのですが、不思議なことに、とにかくいつも楽しそうなのです。どうして、そんなことができるのでしょうか。

自分にとって楽しいことに全力投球する一方で、Dさんは楽しくないことはやらないようにしているのです。ただ、どうしてもやらなければならない場合は、その仕事を好きになる工夫をします。

目指すは「仕事を楽しくする名人」!

Dさんは脳の画像を眺めることと、プレゼンテーションが大好きです。一方で、実験の細かい部分を詳細に詰めることや、主張の激しすぎる部下のあしらいはちょっと苦手なようでした。そこでDさんは、次のような行動をとっていました。

まず、実験の詳細を詰める作業は、フランス人よりもその作業が得意だと思われている日本人やドイツ人になりきることで、こなしていました。すると、ちょっと楽しい気分になったのか、細かいところを考える思考法まで身についてしまったようです。

ちなみにDさんの場合は、自宅に和室や日本庭園を作っています。しかも、奥さんはドイツ人の血をひく人。日本人やドイツ人になりきるためにそうしたのかは謎ですが……、ここまで極めれば楽しいでしょうね! RPG(ロールプレイングゲーム)で主人公になりきったり、コスプレでアニメキャラになりきるのと、同じようなものでしょうか。

また、主張の激しい部下は、その部下の苦手なことを徹底的に洗い出しました。そして、部下が何か主張してきた際にはなるべく、その人が苦手とする分野に話をずらします。このあたりはフランス人らしく(?)、困った部下の様子を見るのを楽しんでいたようです。

人は困ると、その状況から逃げようとします。Dさんの狙いは、部下が逃げようとすることだったのです。

何かお願いしたいことがあった場合には、部下はけっこう素直に言うことを聞いてくれたようです。またここで部下がDさんに反論でもしたら、Dさんから再び苦手な話をされてしまうと思ったからでしょう。

でも、Dさんはこんないたずらっぽいことを意味もなくやっていたわけではありません。苦手な話を振られた際に、人はどんな態度を示すのかも観察して、研究成果を発表するプレゼンの質疑応答での切り返し方の参考にしたのです。

研究が好きなDさんは、研究に少しでも役立ちそうなことは、前向きに楽しみながら取り組みます。ここでもDさんは、楽しみを見つけていたのですね。

そう考えてみると、いつも仕事が楽しそうな人というのは、「仕事を楽しくする名人」と言い換えることができそうです。

あなたがもし、「仕事や勉強がつまらない」と思ったら、「じゃあ自分にとって、何が一番楽しいことなのだろう?」と考えてみましょう。本を読むでも、映画を観るでも、美味しい食事をするでも、自分が楽しいと思うことを、何でもいいので探してみます。楽しいことがわかったら、嫌な仕事と結びつけるようにするのです。

「嫌」を「楽しい」に変えることは難しくない

例えばゲームが大好きなら、嫌な事務作業を片付けるのを、タイムトライアルだと考えて、ハイスコアを出すことに熱中してみてはどうでしょうか。どうすれば一番効率よく嫌な仕事をやっつけられるかの攻略法を編み出す中で、あっという間に片付くと思います。

ドラマを観ることが大好きなら、こんな感じです。嫌な人と一緒に仕事をしなければならないとき、「その人を悪役にしたドラマがあるとしたら、どんなストーリーになるか?」などと想像を膨らませてみるのはどうでしょうか。悪役には悪役なりの存在価値があるということが見えてきたりして、なかなか味わい深いかも!?

「楽しくない」を「楽しい」に変えることは、特別に難しくはありません。頭のいい人は、簡単なことをわざわざ難しく考えたりしないのです。だって楽しくないから!

☆ ☆ ☆

脳のパフォーマンスは使い方や習慣次第で大きく変わります。「世界で通用する、本当に賢い人たち」が実践している『世界の「頭のいい人」がやっていることを1冊にまとめてみた』を参考に脳の上手な使い方を学んでビジネスに活用してみてはいかがでしょうか。

中野信子(なかの・のぶこ)
1975 年、東京都生まれ。脳科学者、医学博士、認知科学者。東京大学工学部応用化学科卒業。同大学院医学系研究科脳神経医学専攻博士課程修了。フランス国立研究所ニューロスピンに博士研究員として勤務後、帰国。脳や心理学をテーマに研究や執筆の活動を精力的に行う。科学の視点から人間社会で起こりうる現象及び人物を読み解く語り口に定評がある。現在、東日本国際大学特任教授、京都芸術大学客員教授。著書に『脳はなんで気持ちいいことをやめられないの?』『人は、なぜ他人を許せないのか?』(アスコム)、『サイコパス』(文藝春秋)、『空気を読む脳』『ペルソナ脳に潜む闇』(講談社)、『キレる!』『「嫌いっ!」の運用』(小学館)など多数。また、テレビコメンテーターとしても活躍中。

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