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コロナ禍で売上は7割増!ケーキ専門通販「Cake.jp」が急成長している理由

2022.12.09

全国1500の加盟店が出店し、5000種類以上のラインナップを取り扱うケーキの専門通販「Cake.jp」。会員数は100万人を超える。2021年5月には7.7億円の調達を行い、増収増益を継続している。急成長の理由について、株式会社Cake.jp 代表取締役副社長の曽根直人氏に話を聞いた。

特許技術で、食べる瞬間が一番美味しい状態に

Cake.jpで扱うケーキは5000種類以上。子ども向け、アレルギー対応、イラストなどシーンや用途に合わせて選ぶことができる。商品の多くは冷凍で配送される。普段冷蔵商品を提供している店にとっては難易度が高いように感じるが、冷凍に適したフルーツやトッピングの提案や、生クリームや生地などのレシピ開発まで一緒に行う。冷凍で提供されるケーキの多くは、冷蔵で製造されたケーキを急速冷凍機で冷凍されてつくられる。

同社では、冷凍状態の原材料を使い冷凍のままケーキを製造できる技術を採用し、ユーザーが“食べる瞬間”に一番美味しい状態をつくっている。また、冷凍のケーキを解凍する場合、通常冷蔵庫で8時間ほどかかるため、食べたい時に食べられないという課題に対し、同社では、たった10分で解凍できる特許技術の開発に成功し、特許を取得している。

「どうしても冷凍のケーキってあまり美味しくないのではないかとか、手抜きしているのではないかというようなネガティブなイメージを持たれることがすごく多いと感じています。ですが、実は百貨店や街のケーキ屋さんで並んでいるケーキも製造過程に冷凍を取り入れることもあるんです。解凍された瞬間が一番美味しい状態なので、食べるまでの時間が長くなるほど味は落ちてしまいます。一方、冷凍のまま届けば、自分の好きなタイミングで解凍できます。冷凍の技術もすごく発達しているので、冷凍じゃないと作れないような商品も多いですし、むしろユーザーにとっては冷凍のケーキの方がメリットが多いと思っています」(株式会社Cake.jp 代表取締役副社長 曽根直人氏)

アニメのコラボケーキは1日15000個を販売

コロナ禍で外出の機会が減った分、自宅で美味しいものを食べたいというニーズが増えたことが追い風となり、加盟店の数は約7倍に。それに伴い売上高も約7割の増収となった。同社の収益源は販売手数料と店舗へのコンサルティングフィー。このコンサルティングでは、100万人の会員データや購買データを元に、トレンドに合った商品開発も行っており、売上が約5割アップした加盟店もいるという。

特に反響が大きいのが、2021年より開始したアニメのコラボスイーツだ。呪術廻戦のおにぎり型ケーキやワンピースのゴムゴムの実ケーキ、中でもホロライブプロダクションとコラボしたケーキ缶は、1日15000個を販売する大ヒットとなった。現在はエヴァンゲリオンとコラボしたケーキを販売している。

「パッケージでコラボするだけでなく、作品に出てくるものを形にしたり、連想できる味にしたら、お客様や、そのアニメのファンの方々にも喜んでもらえるんじゃないかと。版元とは丁寧にコミュニケーションをとり、アニメの世界観をこわさないスイーツの企画・開発を心がけています。ワンピースのゴムゴムの実ケーキは、渦巻模様をどう表現しようか、ヘタは何でつくろうかと試行錯誤し、100以上試作をして、企画から商品完成まで1年ほどかかりました。製造をお願いする加盟店さんに関しては、データベースを元に、得意なケーキや製造のキャパシティなどを考慮して選んでいます」(曽根氏)

細部にまでこだわった商品開発を行っているが、秀でた技術をもった職人だけでなく、街の洋菓子店の従業員でもつくれるような汎用性も欠かせないという。

洋菓子業界でも食品廃棄が問題となっているが、Cake.jpは受注生産。注文を受けてから製造するため、在庫の廃棄を防ぐことができる。また、店舗で販売をする際には、売れ残りを防ぐために、いわゆる万人ウケする商品をつくらなければならないが、Cake.jpでは在庫を持たないため、チャレンジングな商品開発ができるのも大きなメリットだ。

コンサルティングや有料オプションを利用しない場合、加盟店は販売手数料のみの成果報酬型なので、出店のリスクやデメリットは極めて少ないと感じる。ユーザーにとっても、洋菓子店では見られないケーキに出会うことができ、一番美味しい状態でケーキを食べることができる。食品廃棄も防止できるのだから四方よしだ。今年のクリスマスはCake.jpでお気に入りのケーキを見つけてみてはいかがだろう。

取材・文 / Kikka

【取材協力】
株式会社cake.jp 代表取締役副社長・曽根直人氏
https://cake.jp/

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