「ソバーキュリアス」という言葉を耳にする機会が増え、日本でも愛飲する人が多くなってきたノンアルコール飲料。そこで今回はビールを中心とした国内外のノンアルコール飲料をリストアップし、お酒のプロ・佐藤翔平さんとともにすべて試飲! その進化とおいしさを徹底調査した。
お酒のソムリエ 佐藤翔平さん
学生時代より5000種以上のビールをテイスティングし、すべて記録に残す。今年3月には初著書『うまいビールが飲みたい!』(リトル・モア)を刊行。
本格派なノンアルも続々!ワインテイスト
ビール以上にフレーバーの複雑さが求められるワイン。ポイントは〝ぶどうジュース〟ではなく、どこまでワインに近づけることができるか? ワインはほかのお酒と比較してもこだわりを持つ人が飲む傾向にあり、その人たちをうならせるワインテイストを期待したい。
脱・アルコール製法採用の国内ノンアル
サントリー『ノンアルでワインの休日』参考価格各162円、350ml
ワインを蒸溜して脱・アルコールする製法によって製造。ワイン本来の旨味やコクが凝縮されたエキスを使用することでスパークリングワインのような華やかな仕上がりに。
〈SATO’S Tasting〉
果実のフルーティーさが強く、ワインを飲み慣れている人にとってはジュースのような風味を感じるかもしれません。酸味がしっかりしているので、冷やして飲んだほうがよりおいしいと思います。
ワインらしい「口中の戻り香」がキモ
メルシャン『スパークリング アルコールゼロ』参考価格各508円、350ml
ワイン製造技術を生かした原料開発や独自の製法による、香り豊かですっきりとした味わい。鼻先だけではない「口中の戻り香」を実現し、よりワインらしい風味を実現させた。
〈SATO’S Tasting〉
従来のワインよりブドウ感と炭酸感を強化したそうですが、確かに深みのあるブドウらしい香りを感じました。ほどよい甘味も酸味もあるので、スパークリングワインの味わいが楽しめます。
ベルギー大使館推奨のノンアル赤ワイン
ネオブュル『ヴィンテンス・メルロー』オープン価格(実勢価格約1491円)、750ml
成城石井で取り扱いがある、ベルギー大使館がおすすめするノンアルコールワイン。独自の低温低圧蒸留によって風味を損なうことなく、上質ワインからの脱アルコールを実現している。
〈SATO’S Tasting〉
メルローはフランスのボルドー地方を発祥地とするブドウ品種ですが、樽香や木の香りをしっかり強く感じました。ワインの奥深さが表現されていており、ワインの代替にもなると思います。
こだわりの製法でドライな味わいを表現
ピエール・シャヴァン『ピエール・ゼロ ブラン・ド・ブラン』
オープン価格(実勢価格約1512円)、750ml
遠心力でアルコール分とワインの香味成分を抽出する「スピニング・コーン・カラム法」により、ワインらしいドライな味わいと香りの華やかさを実現。料理との相性にもこだわった。
〈SATO’S Tasting〉
酸味がしっかりしており、皮つきの桃のようなフルーティーな香りが好印象でした。口当たりが軽いのでするっと飲むにはいいですが、じっくり味わって飲みたい人は、やや物足りないかも。
フルーツフレーバーのサングリアワイン
ドン・シモン『サンフリア』オープン価格(実勢価格約2100円)、1500ml
スペイン産のレッドグレープジュースを使用したサングリア風の味わいのノンアルコールドリンク。フルーツのフレーバーがアクセントとなり、様々なアレンジが楽しめる。
〈SATO’S Tasting〉
スパイスの香りがたっていて、かなり個性的。果実のフレーバーが強いので、クラフトコーラに近い味わいです。炭酸割りやフルーツポンチなどにアレンジして楽しむのが正解かもしれません。
繊細なアロマの香りと果実感が楽しめる
ラガールエフィス『スパークリングシャルドネ』オープン価格(実勢価格約1078円)、750ml
原材料にワインを使用し、脱アルコール製法で本格的な味わいを実現。トロピカルフルーツや桃、ライチ、そしてアロマを配合。バランスが取れたフルーティーな味わいを実現している。
〈SATO’S Tasting〉
桃やライチなどのしっかりとした果実香が特徴的。脱・アルコール製法によるワインの奥行きや深みがしっかり感じられました。コクやキレ、甘味や酸味それぞれがバランスよくつながっています。
日本人向けにドライな口当たりを追求
ネオブュル『デュク・ドゥ・モンターニュ』オープン価格(実勢価格約1490円)、750ml
よりドライな口当たりのノンアルコール・スパークリングワインが欲しいという要望に応え、ベルギーの老舗飲料メーカー「ネオブュル社」と輸入代理店「湘南貿易」が共同で開発した。
〈SATO’S Tasting〉
香りが非常に爽やかです。日本人向けに共同開発された商品とのことですが、飛び出た個性が見つけられずやや物足りない印象も。だからこそ、どんな人でも飲みやすいかもしれません。
ボトル&コルクで見た目から本格的
シャメイ『スパークリングアップルジュース』オープン価格(実勢価格約746円)、750ml
成城石井で取り扱いがあるフランス・ノルマンディー産リンゴのストレート果汁を使用した、爽やかな果汁100%スパークリングジュース。スタイリッシュなボトルとコルクも本格的。
〈SATO’S Tasting〉
ものすごくおいしいアップルサイダーという印象。ノンアルコールというよりも本当にジュースですが、ボトルとコルクが本格的なシャンパン仕様なので、パーティーなどに出すと盛り上がりそう。
取材・文/高山 惠
※本記事内に記載されている商品やサービスの価格は2022年10月31日時点のもので変更になる場合があります。ご了承ください。