「突飛な発想」「突飛な人」のように使われる「突飛」という言葉。見聞きしたことはあるものの、意味や使い方を正しく理解できているのか自信がない方も少なくないだろう。
そこで本記事では、「突飛」の意味や類義語、「突飛」を使った表現を紹介する。日常生活の中で使えるシーンも多いため、ぜひこの機会に理解を深めておこう。
突飛とは
まずは、「突飛」の意味や語源を確認しよう。併せて紹介する類義語や対義語もチェックして、表現の幅を広げるのに役立ててほしい。
意味
「突飛」の読み方は「とっぴ」。並み外れて風変わりなさまを表す言葉だ。また、あまりにも思いがけないさまという意味で使われることもあり、その場合はネガティブなニュアンスを含むことが多い。
ちなみに、「突飛」の類語に「突拍子もない」という言葉がある。意味は、「とんでもなく調子はずれ」。「突拍子」には調子はずれなことという意味があり、後に続く「ない」は否定ではなく、程度が甚だしいさまを表すものとして用いられている。
語源
「突飛」の「突」には「つきでる」「だしぬけ」という意味がある。そこに、速く移動するさまや「架空の」といった意味を表す「飛」が合わさり、「常識を超えている状態」「思いがけない」という意味に転じたとされている。
類義語
「突飛」のように、並外れたさまや思いがけないさまを表す言葉には以下のようなものが存在する。
・奇抜
・風変わり
・奇想天外
・ひょんな
ちなみに、「ひょんな」の「ひょん」の語源はイスノキという植物という説がある。イスノキは別名をヒョンノキといい、さまざまな虫が植物に寄生することで「虫こぶ」と呼ばれる実のようなものができる特徴がある。実の中は空洞で、吹くと「ひょん」と音が鳴ることが奇妙であることから、妙である様子を表す言葉として「ひょんな」が使われるようになった。
対義語
奇抜なさまを表す「突飛」の対義語としては、「普通」を表す「平凡」や「ありきたり」「常識的」といった言葉が挙げられる。
「平凡」や「ありきたり」は、面白みがなく、退屈である様子を表す時にも使われることから、マイナスなイメージが持たれることもある。
突飛を使った表現
「突飛」は「突飛な」と形容詞の形で使用されることが多い。ここでは、「突飛な」と組み合わせて使用されることの多い言葉と例文を紹介する。
・〜な発言
例文:彼の突飛な発言で場の空気が凍った。
・〜な行動
例文:彼女の突飛な行動に私は言葉を失った。
・〜な発想(アイデア)
例文:天才には突飛な発想をする人が多いという噂がある。
・〜な人
例文:彼の身なりをみて、近所の人は彼のことを「突飛な人」と呼んでいる。
また、「突飛な」のように形容詞の形で使用する以外にも、「服装が突飛だ」「彼の言動は突飛である」のように表現することも可能。
突飛の英語表現は?
最後に、「突飛」の英語表現も確認しておこう。「突飛」と同じように、奇抜さや妙であることを表す英語表現はいろいろあるが、今回は代表的な3つの単語「strange」「weird」「odd」について、それぞれの意味を紹介する。海外ドラマや洋画でも頻出する言葉であるため、ぜひチェックしておこう。
・strange
「未知の」「目新しい」「不慣れな」という意味を持つ「strange」。「stranger」とすると「見知らぬ人」といった意味を表す。
・weird
「気味が悪い」「変な」「この世のものと思えない」といった意味を持つweird。若者の間では「キモい」のようなニュアンスで使われることも多い。比較的カジュアルな口語表現のため、使うシーンを選ぶ言葉だ。
・odd
「odd」には「常軌を逸した」「奇妙な」という意味がある。先に紹介した「strange」や「weird」よりも強い異常性を表し、ネガティブなニュアンスを含んで使われることも多いため、使用する際には注意が必要。
文/編集部