マイクロソフトのノートPCシリーズ「Surface(サーフェス)」といえば、ディスプレイとキーボードが分離する、2in1タイプが有名。携帯性に優れており、タッチパネルの使い勝手の良さなども、多くの支持を得ているシリーズです。
そんなSurfaceには、ラップトップと呼ばれる、一般的なノートPCの形状をしたラインアップも用意されています。本記事では、そんなSurface Laptopシリーズの最新モデル「Surface Laptop 5」の15インチモデルを実際に試しながら、使用感、操作性について紹介していきます。
Surface Laptop 5は、ディスプレイサイズの違う2モデル展開。今回紹介する15インチモデルは、公式ストアで19万7780円~、ワンサイズ小さい13.5インチモデルは、15万1580円~となっています。細かいスペックについては後述しますが、最新のノートPCとしては比較的手を出しやすい販売価格に収められているのも、Surface Laptop 5の1つの魅力。マイクロソフトの純正ノートPCということもあり、購入時には「Office Home and Business 2021」のライセンスも付与されている、高コスパ製品となっています。
大画面15インチディスプレイはタッチ操作に対応! 推しポイントは3:2の画面比率?
冒頭でも触れた通り、今回試したSurface Laptop 5のディスプレイサイズは15インチ。解像度は2496×1664で、コントラスト比が1300:1となります。もちろん、Surfaceシリーズの代名詞ともいえる、タッチ操作やペン入力にも対応しています。画面の縁(ベゼル)はやや厚めですが、大画面ディスプレイを搭載していることもあり、使用していてそこまで気になるシーンはありませんでした。
ノートPCのディスプレイを触って操作するのにはやや抵抗があるという人もいるかもしれませんが、ちょっとしたクリックやスクロールといった操作を、指で直感的に行えるのは便利。特にマウスやキーボードがない環境では、生産性が大きく向上すると感じています。
特徴的なのが画面の縦横比率(アスペクト比)で、多くのノートPCに見られる16:9や16:10ではなく、3:2の比率を採用。一般的なノートPCよりも、縦幅が広く確保されているため、文書作成や、Webの閲覧が快適に行えます。また、15型ノートPCとしては、比較的横幅を抑えられるため、カバンに収まりやすいのも特徴となっています。質量は約1.56㎏と、やや重めですが、持ち運べないほどではありません。
本体はアルミニウム素材を採用しており、装飾の少ない、シンプルなデザインが特徴。指紋の付着もほぼありません。右側面には専用の充電ポート(Surface Connect ポート)、左側面にはUSB Type-Aポート、USB Type-C(Thunderbolt 4対応)ポート、3.5mmイヤホンジャックがそれぞれ1つずつ搭載されています。インターフェースの数には若干物足りなさもありますが、必要最低限は備えられている印象です。
細かい部分ですが、ディスプレイ側よりもキーボード側が重く設計されているため、天板を片手で開く際にも、本体がグラグラしないのも魅力に感じています。
快適にタイピングできるキーボードこそSurface Laptop 5最大の特徴!?
キーボードはテンキーレスの日本語配列。15インチの大画面ディスプレイを搭載したノートPCとしては珍しく、テンキーが搭載されていないため、画面の正面からタイピングが行えるのがポイント。個人的には、数字よりも日本語を入力する機会が圧倒的に多いので、自然なポジションからタイピングを行えるのは好印象です。
2in1タイプのSurfaceシリーズとの顕著な違いは、やはりキーボードを搭載している点でしょう。2in1タイプで使用できるタイプカバーは、携帯性といった観点から、薄いデザインになっているため、タイピングが多い人にとっては、若干打ちにくさを感じるシーンも見られます。安定感のあるキーボードが使えるのは、ラップトップ型の大きな強みといえるでしょう。Surfaceのタイプカバーは、基本的に本体と別売なので、初期費用を抑えるという意味でも有用です。
Surface Laptop 5のキーボードは、沈み込みが浅めで、軽快に打てるのが特徴。配列も一般的な日本語配列なので、多くの人が迷いなく使用できるでしょう。
縦に幅を取った15インチのディスプレイを搭載しているということもあり、トラックパッドも比較的大き目になっています。クリックの押し心地も良く、指の滑りもなめらかなので、ストレスなく使用できます。
最大17時間のバッテリー性能や顔認証機能も搭載
搭載CPUは第12世代インテルのCore i7で、メモリは8GB、16GB、32GBから選択可能。ストレージ容量も256GB、512GB、1TBの3モデルが用意されており、使い方に合わせて構成を選べるのも特徴。一般的なビジネス用途であれば、最小構成でも十分動作するスペックとなっています。ちなみにSurface Laptop 5の13.5インチモデルでは、Core i7モデルに加えて、Core i5モデルも用意されています。
バッテリーは通常のデバイス仕様で最大17時間駆動が可能。ノートPCとしてはかなり長い駆動時間が確保されているため、屋外での作業も安心感があります。先にも触れた通り、Surface Laptop 5には専用の充電ポートが搭載されていますが、USB Type-Cポートからの充電も可能なので、スマートフォンやワイヤレスイヤホンなどと統一のコードを使える可能性が高いのも、魅力的なポイントでしょう。
ディスプレイ上部に搭載されているWebカメラは720pとなっており、「Windows Hello」という顔認証にも対応。屋外で使用する際には、マスクを外す必要があるため、やや面倒なシーンもありますが、認証スピードは速いため、自宅内などでは有用な機能です。
使用していて印象的なのがスピーカーの性能。Surface Laptop 5はDolby Atmosに対応しており、迫力のある音の再生が可能となっています。音圧が強く、立体感のある音質となっているので、大画面ディスプレイも相まって、動画視聴なども存分に楽しめる性能となっています。
本体底面の上部に配置されている複数の穴がスピーカーにも見えますが、これはおそらく排熱用の通気口。実際に音を再生すると、キーボード周辺から、まっすぐ音が届くことがわかります。多くのノートPCでは、本体側面や底面にスピーカーが配置される中、Surface Laptop 5は体の正面から音が出るように設計されているため、迫力のある音が楽しめます。
冒頭でも触れた通り、初期搭載OSはWindows 11となります。Windows 11は、Windows 10と比べてわかりやすいアイコンのデザインや、直感的な操作性が特徴。タッチ操作でも快適なUIになっており、シンプルなデザインやタッチディスプレイを搭載した、Surface Laptop 5との親和性が高い印象を受けます。
実は高コスパノートPC! 「Surface Laptop 5」はシンプルながら高性能が揃った名機!
タッチ操作に対応した大画面や、シンプルなデザイン、クセのないWindows 11の使い心地が良いSurface Laptop 5。CPUやメモリ、ストレージは、最小構成でもビジネスシーンで十分活躍できるスペックになっており、Officeソフトが使用できる点も併せて考えると、19万7780円~という販売価格は、かなりお手頃といえます。
今回は15インチモデルを試しながら、Surface Laptop 5の魅力を紹介してきましたが、ノートPCを持ち運ぶ機会が多い人や、外付けディスプレイに接続する機会が多い人は、13.5インチモデルもおすすめ。2in1タイプのイメージが強いSurfaceシリーズですが、ラップトップタイプも、万人におすすめできる完成度に仕上がっています。
取材・文/佐藤文彦