小学館IDをお持ちの方はこちらから
ログイン
初めてご利用の方
小学館IDにご登録いただくと限定イベントへの参加や読者プレゼントにお申し込み頂くことができます。また、定期にメールマガジンでお気に入りジャンルの最新情報をお届け致します。
新規登録
人気のタグ
おすすめのサイト
企業ニュース

ヨーロッパ人が憧れた漆器の技術をガジェットに!いつまでも長く使えるHacoaの木製キーボード「Full Ki-Board Wireless」

2022.12.06

木製の製品には「経年変化」というものがある。

そのあたりはプラスチック製品には絶対に起こり得ない現象で、同時にこれはアドバンテージでもある。長く使えば使うほど、味わいが出てくるのが木製の特徴だ。

そして世の中はやはり広いもので、何と「木製のキーボード」というものも存在する。今回はMakuake本社から『Hacoa』ブランドの木製キーボードが届いたので、早速仕事に導入してみよう。

ヨーロッパ人が憧れた「日本の漆器」

Hacoaは福井県鯖江市から生まれたブランドである。

このブランドを創立した工房は、越前漆器の伝統工芸士が運営する。日本人にとって漆器は日常的な生活道具だが、越前地方は今に至るまで「漆器の中心地」であり続けている。

日本の江戸時代に相当する17世紀のヨーロッパでは、日本製の漆器がセンセーショナルを巻き起こしていた。

近世までのヨーロッパには、表面に光沢を帯びた木工製品など存在しなかった。あるとすれば、それはアジアからの舶来品だ。

ヨーロッパに漆の木は生息していない。従って、東方からやって来る漆器を完璧にコピーすることは不可能だった。

が、神秘に満ちた東方からはるばるやって来る美しい産物を何とか再現しようとヨーロッパの職人たちは考え、出した結論は漆の代わりにワニスを使う技法だった。

この技法は「ジャパニング」と呼ばれていた。

つまり、当時のヨーロッパ人から見れば「艶のある木工製品」は憧れの対象であり、追いつくべき目標だったのだ。

そして、東方の未知なる島国日本の最古にして最大の漆器産地は、越前地方である。

英語配列の「スッキリ感」

そんな越前漆器の技術を応用した『Full Ki-Board Wireless』を実際に触ってみると、もはや「高級感」などという単語では言い表せないほどの特殊な感覚を味わうことができる。

この製品のラインナップは2種類。チェリーとウォールナットだ。丁寧な表面加工は指先に何とも言えない心地を与えてくれる。

キーストロークは約3.0mm、アクチュエーションポイントは約1.2mmということで、これはだいぶショートストロークのはずだが、キーとキーの隙間があまりないため非常に扱いやすい。

そしてこの製品、写真を見れば分かるが英語配列である。

かなの印字がない分、見た目にもゴチャゴチャした印象がまったくない。

『Full Ki-Board Wireless』はテンキーを搭載しているが、その割には随分とスッキリしている。

テンキーがあることによる「ゴツさ」が見受けられないのだ。

というわけで、実際にこのキーボードで文章を打ってみよう。もっとも、この記事自体『Full Ki-Board Wireless』で執筆しているのだが、ここはもう少し難易度の高いことをやってみたい。

5分で記事を書く

これは筆者がたまにやることだが、「5分で新聞投書欄の文章を書く」という遊びをしよう。

『ランダム単語ガチャ』というサイトがある。それを使って3つの単語を出す。

直後、3単語を全部使った400字前後の文章を5分以内で書く。推敲は1分で済ませる。これは新聞の投書欄に載せることを前提にした内容で、本当に採用されたら成功。

テーマと内容は、新聞社が飛びつきそうなものであれば何でもアリ。もちろん、キーボードは『Full Ki-Board Wireless』を使用する。

ちなみに、執筆時間の5分を過ぎたらペナルティの腕立て伏せ。30秒超過毎に20回と設定している。
今回抽出された単語は、

ファインダー
ど根性
自然環境

である。それらを全て使った文章は、以下の通り。

“私の趣味は写真撮影である。それも、フィルム写真だ。
ところが、ウクライナ情勢の影響がこんなところにも及んでいる。フィルム価格が恐ろしい勢いで高騰してしまったのだ。
もちろん、こればかりは個人の力ではどうしようもない。昔からど根性が持ち味の私だが、それでも霞を食って生きてはいけない。可処分所得が明らかに減っていく中、情けない話だが日々の食費や生活費のために趣味を犠牲にせざるを得ないのだ。
ファインダー越しに見る自然環境をフィルムに収めるのが、何よりの楽しみだった。そんな一小市民のささやかな趣味ですら、戦争は容赦なく押し潰す。大正時代のように、「ヨーロッパで戦争が起これば日本は景気が良くなる」ということは現代ではあり得ない。戦争は地球の裏側の人々の趣味……いや、生活をも危機に追いやっている。
その事実を、プーチン大統領は理解しているのだろうか。”

計372字の、少々強引にウクライナ情勢と結びつけた内容の記事になった。

もちろん、筆者が本心でそう思案しているわけではなく(フィルム写真が趣味というのは本当だが)、そもそも筆者は幼い頃から「根性なし」で有名だ。

惜しいことに、この記事を書くのに5分52秒01もかかってしまった。

ペナルティは腕立て伏せ40回。ただしこれは、『Full Ki-Board Wireless』を箱から出して間もなかったためである。

この製品のキーピッチや英語配列キーボードでの日本語入力に慣れれば、記録はもっと短くなるはずだ。

十数年後もこのキーボードで

やはりキーストロークが短い分、打鍵感も極めて明瞭だというのが筆者の正直な感想である。

普段使いのキーボードとしてなら、その役割を十分に果たすはずだ。オフィスに導入してもいいだろう。他の社員から一目置かれるはずだ。

ただし、価格は決して安くはない。

一般販売予定価格はチェリー、ウォールナット共に9万9,000円で、Makuakeでは7万9,200円の予約枠があったが……残念ながら、これは既に満員。専用パームレストがセットになった予約枠も、この記事を執筆している時点で締め切られてしまった。

何しろこれはラインで大量生産できるものではないため、どうしても数量が限られてしまうのだ。もちろん、その分だけ品質と付加価値は非常に高い。

多少の無理をしてでもこれを入手してしまえば、その後は数年十数年に渡って「良き相棒」になるに違いない。

【参考】
経年変化を楽しむ、伝統工芸の職人が天然木を削り出して創る木ーボード|Hacoa-Makuake

取材・文/澤田真一

@DIMEのSNSアカウントをフォローしよう!

DIME最新号

最新号
2024年4月16日(火) 発売

DIME最新号は「名探偵コナン」特集!進化を続ける人気作品の魅力、制作の舞台裏まで徹底取材!

人気のタグ

おすすめのサイト

ページトップへ

ABJマークは、この電子書店・電子書籍配信サービスが、著作権者からコンテンツ使用許諾を得た正規版配信サービスであることを示す登録商標(登録番号 第6091713号)です。詳しくは[ABJマーク]または[電子出版制作・流通協議会]で検索してください。