とんかつと玉ねぎを卵でとじ、白米の上に乗せた、言わずと知れた丼料理「かつ丼」。割下が染み込んだ衣のやわやかい食感はかつ丼ならではで、ダシのきいた卵との相性も抜群だ。しかし今、「とじないかつ丼」なるメニューがブレイク中なのだとか。
先駆けとされているのは、渋谷の老舗「瑞兆」と、門前仲町に本店を構える「とんかつ丸七」の2店。そして「瑞兆」にインスパイアされて誕生した「#カツ丼は人を幸せにする」が、ブームの火を広げた立役者と言える。
2022年より“とじないかつ丼”を提供する店が増えつつあり、ひとつのムーブメントに発展する兆しを感じるが、はたしてその魅力とは。王道のかつ丼ではなく、あえて新興のかつ丼を振る舞う店に話を聞いた。
「豚大学とんかつ学部」(東京都神保町)
■“男飯”の豚大学ならではのワイルド系「かつ丼」。ボリューム満点な一杯をかきこんで!
全国丼グランプリで金賞を受賞した「豚丼」が看板メニューの飲食店・豚大学。厚めの豚バラ肉に甘辛いタレが絡んで肉が照り輝き、ガツンとくる味付けと圧倒的なボリュームで、学生やサラリーマンの胃袋を掴んでいる。現在は新橋と神保町に2店舗を展開中だ。
豚丼に力を入れてきた豚大学だが、2022年4月、神保町店が入居しているビルの1階に“新学部”を設立した。その名も「とんかつ学部」。ここで提供されるメニューはすべて、“とんかつ”を使用したものとなっている。
「やみつきになる特製ソースをかけた『ソースかつ丼』、とんかつとの相性を考えてルウにもこだわった『カツカレー』、そして、今話題の“とじないかつ丼”と呼ばれる『たまごかつ丼』などを用意しています。豚大学のウリは、なんといってもボリューム。大食いの方でも満腹になれる『大学院』サイズも取り揃えています。また、丼ものとカツカレーはミニサイズ、中サイズもあるので、自分のお腹と相談しながら選んでいただけます」
そう話すのは、豚大学とんかつ学部を運営する有限会社斉屋 マネージャーの小川勝也氏だ。実際に店に立ち、調理も担当する小川氏は、「たまごかつ丼」の人気ぶりをこう語る。
「1日に100食以上は出る、当店一番人気のメニューです。豚大学のターゲット層は、食べ盛りの学生や、がっつりエネルギーを補給したい20〜40代の男性がメイン。お腹いっぱい食べてほしいとの思いから、『たまごかつ丼』は(ご飯大盛りで)トータルで500gほどになります」
豚大学とんかつ学部の「たまごかつ丼」(中サイズ880円)。ライスが100g増量になる「大盛り」は無料。
もちろん、魅力はそれだけに留まらない。食べ終わるまでサクサク感が続くとんかつ、出汁の味が染みたふわとろの半熟卵、パンチの効いた揚げにんにくなどが、食欲をそそる。なにより、豚丼のノウハウが生かされた特製タレは、とんかつ学部の自信作だ。
「タレづくりも、豚大学だからこその強みだと思っています。当店のかつはひと口サイズにカットしてあり、卵と、秘伝のタレが染み込んだ白米と一緒に、かきこむようにして食べていただくのがベストな食べ方。 ぜひ一度、思い切り“かきこみ”にいらしてください」
豚大学とんかつ学部
〒101-0051 東京都千代田区神田神保町1-8 FUJIビル1階