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プレゼンでわざとマイナスの情報を伝えたほうが絶対的な信頼感につながる理由

2023.03.14

「上手な説明には「コツ」があります」26万人超の登録者を擁するビジネス系YouTuberのハック大学 ぺそ氏は言います。
説明が下手な人は、なぜ、同じ失敗を何度も繰り返すのか? それは、根本的な「考え方」「思考」に欠陥を抱えているからで、「ちょっとしたテクニック」を身に付けて、上手に使い分けられるようになれば、誰だって説明力はぐっと上がるそうです。外資系金融機関に勤める現役ビジネスパーソンである同氏がビジネスの最前線で出会った「説明が上手い人」がどんな話し方をしているのかを観察し、導き出した著書『「説明が上手い人」がやっていることを1冊にまとめてみた』から「説明下手な人の特徴」を一部抜粋・再構成してお届けします。

ハック大学ぺそ著/アスコム
『「説明が上手い人」がやっていることを1冊にまとめてみた』

相手に信頼感や説得力を感じさせるプレゼンになるのは

[×]「このデータも素晴らしい結果を示し別のデータでも優位性が明らかです。○○大学の××教授の研究でも論文のデータとして採用され〜〜」

全て事実だったとしても、ポジティブ情報ばかりだとかえっていぶかしがられるリスクが。

[○]「このデータも素晴らしい結果を示し別のデータでも優位性が明らかです。が、実は一点、気になる要素があることも事実です。それは〜〜」

ネガティブ情報も少しだけ開示し、あとからそれを否定すると誠実な印象を与えられる。

わざとマイナスを伝えた方が絶対的な信頼感につながる

 これは必ずしもプレゼンに限定される話ではありませんが、説明するとき、特に営業やプレゼンなどで相手から「YES」を引き出したいときには、どうしてもポジティブ情報をメインに伝えたくなります。それ自体は、ごく当たり前のことです。導入を検討してほしい新技術、画期的な新商品をプレゼンするとき、ネガティブな情報だけを伝える人がいたら、それはそれでかなり変な人です。

 しかし、ポジティブ100%というのも、実は少し問題なのです。

「プレゼンなのだから、どうせいいことしか言わないのだろう」と考える人も、一定数いるからです。

 本当に優秀な聞き手であれば、受けた説明をある程度自分で批判的に受け取りながら、その価値を判断できる力を持っています。ただ、多くの人は性善説・性悪説で考える傾向があると思います。本当は悪い話もあるはずなのに表に出さないのではないか、デメリットを隠しているのではないか、あとから指摘しても「あのとき聞かなかったほうが悪い」と開き直られるのではないか……と疑うのです。

■良い部分も悪い部分も伝え、良い情報>悪い情報にする

 私は、ネガティブ情報をあえてプレゼンでも説明し、それに対する考え方も紹介する内容を盛り込むことも、ある種のテクニックだと考えています。

 ただしその際は、分量的に、「ポジティブな情報>ネガティブな情報」であることが絶対的な原則です。ネガティブな情報は、わざわざ入れるだけで十分なインパクトがあるからです。

 悪い情報を伝える「効果」は、本来ないはずです。たとえ意図的に入れたとしても、ネガティブなものはネガティブです。

 それでもネガティブ情報をあえて伝える人は、それによって「信頼」を得ているわけです。

 歯の浮いたことばかり言う人間ではない、相手に合わせてメリット、デメリットを検証してくれている人だ、採用後にもし何か問題が起きた場合でも真しん摯し に対応してくれそうだ……。

 プレゼン相手にこんな印象を与えることができれば、ネガティブ情報を与えることでかえって全体としては成功度が高まる、という仕組みになるわけです。

■ネガティブ情報の有効な使い方

 ネガティブな情報を伝える際は、いくつかの目的を念頭に置いておきましょう。

 まず、いわゆる法律上の「瑕疵(ぱっと見ではわからない不具合や欠陥など)」についてはマストです。欠点を伝えなければならない義務がある場合は、当然誠実に伝えます。

 次に、「ディスクレーマー(免責事項、留意事項)」の要素です。つまり、どこまではこちらで責任を負い、どこからが自己責任での判断になるかを明確にすることです。これもまた、誠実に伝えるべきでしょう。

 あるいは、こうした義務的な話がない場合でも、多少のネガティブ要素を入れ込むほうが有利になる場合もあります。

 実際の導入例においてうまく行かなかったケースと、それを解決したストーリーが入っていると、説明を聞いている側の不安がかえってうまく解消されます。

 うまく行ったケースとうまく行かなかったケースの間で、どこにどのような差があったのかについての研究や調査などが入っているのもおすすめです。ある一定のケースでは必ずネガティブな事象が起きてしまうのであれば、それは事前に伝えておく方が誠実ですし、聞き手としては自社がそのケースに該当するのであれば、費用や機会を無駄遣いせずに済みます。

 その結果、仮に今回のプレゼンが不採用だったとしても、次回以降の信頼度が大きく上がります。ウソをつかない人、信頼のおける企業としての扱いを受けるようになれるからです。

☆ ☆ ☆

自らのビジネスへの向き合い方を再検証し、気づきとともに、正しいテクニックを学べば格段に身に付きやすくなるはず。筆者がビジネスの現場で「説明が上手い人」から学び、実際に試して確実に役に立つことを証明できたスキルだけを厳選した『「説明が上手い人」がやっていることを1冊にまとめてみた』。ぜひ「考え方」と「テクニック」の両方を学んで、ビジネスの荒波を乗り越える力を身に付けてほしい。

ハック大学ぺそ
ビジネス系YouTuber、1988年生まれ。主にYouTubeチャンネル「ハック大学」を通じて、仕事術、キャリア戦略などビジネスに役立つ情報を発信。チャンネル登録者数は25万人を超える。チャンネルにアップされた動画のなかでも、説明に関する動画は人気のコンテンツ。専業YouTuberではなく、普段は外資系金融機関に勤める現役のビジネスパーソンで、年収は約2000万円。著書に『行動が結果を変える ハック大学式最強の仕事術』(ソシム)、『「説明が上手い人」がやっていることを1冊にまとめてみた』(アスコム)がある。

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