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プレゼンする時にスティーブ・ジョブズになってはいけない理由

2023.02.20

「上手な説明には「コツ」があります」26万人超の登録者を擁するビジネス系YouTuberのハック大学 ぺそ氏は言います。
説明が下手な人は、なぜ、同じ失敗を何度も繰り返すのか? それは、根本的な「考え方」「思考」に欠陥を抱えているからで、「ちょっとしたテクニック」を身に付けて、上手に使い分けられるようになれば、誰だって説明力はぐっと上がるそうです。外資系金融機関に勤める現役ビジネスパーソンである同氏がビジネスの最前線で出会った「説明が上手い人」がどんな話し方をしているのかを観察し、導き出した著書『「説明が上手い人」がやっていることを1冊にまとめてみた』から「説明下手な人の特徴」を一部抜粋・再構成してお届けします。

ハック大学ぺそ著/アスコム
『「説明が上手い人」がやっていることを1冊にまとめてみた』

プレゼンの冒頭で話をうまく切り出すには

[×]「私たちはなぜ、○○というサービスに魅力を感じるのでしょうか?

(じっくりと間を空けて││)

○○が持つ、人を魅了する力その力の源泉が〜〜」

ジョブズのスタイルをまねしているつもりだが、見ている側は果てしなく「痛い」。

[○]「本日は、○○に関する当社の新しい技術につきまして、お時間をいただきました。ご説明したい点は3つです。まず、○○の新技術の概要について、次に、新技術のデモとデータの分析、最後に、御社に採用された場合の予測です。」

奇をてらわず、オーソドックス。もったいをつけない簡潔な説明は、聞く側に安心感を与える。

スティーブ・ジョブズになってはいけない

 プレゼンの天才と聞いて多くの人が想像するのは、アップルの創業者、故スティーブ・ジョブズかもしれません。

 いつも同じ服を着て、少し神経質に動き回りながら、独特の身振り手振り、シンプルなメッセージと「間」を駆使した口調で新製品やサービスの内容と意義を語る……。存命中は、多くの顧客や業界関係者が、彼の発表に聞き入り、魅了されました。

 しかし、私は声を大きくして言いたいのです。

「だからといって、皆さんは、スティーブ・ジョブズを目指してはいけません!」

 決して、あのスタイルをまねしないでほしいのです。

 あまり大きな声では言いにくいのですが、世の中には今もなお、ジョブズのスタイルをまねて自社の新製品などを発表している経営者がいます。

 一見して慣れていないとわかるカジュアルな服装に身を包み、プロンプターを頼りながらゆっくりと台本を棒読みしているような姿を見て、どう思いますか? たぶん私と同じ感想でしょう。「スベってる」「正直痛い」「見ているこっちのほうが恥ずかしくなる」……共感性羞しゆう恥ち 、とでも言うのでしょうか。大事な発表のはずなのに、その姿ばかりに目が行って、内容はほとんど頭に入ってきません。単純な話、その時点でプレゼンとしては失敗だと思います。

■プレゼンスタイルをまねることには危険が潜む

 それでも、ついスタイルをまねしたくなってしまう理由は、大舞台で会社の今後を左右するかもしれないプレゼンを、大勢の関係者やマスコミを前に行う以上、何らかの工夫が必要だと考えるからでしょう。

 私たちのするプレゼンは、幸いそこまで大規模ではないでしょうし、全世界がアッと驚く新商品、新サービスの発表でもありません。

 そして、それ以前に、私たちは決してジョブズではありません。他人のスタイルをいくらまねしても、自分の思考から自然に出てきていない以上、自分のプレゼンには合わなくて当たり前なのです。

 しかし、中には自分のプレゼンの経験値のなさを、成功したスタイルをまねることでカバーできると誤解している人がいます。ただ、それはよくてスタイルの模倣に終わるだけ、下手をすればコントのように見えてしまいます。要するに、プレゼンではなく演劇です。

 あえて、私も皆さんも「凡人」だと決めてしまえば、凡人には凡人のやり方があります。それはすごくシンプルですが、案外言葉で説明するのは難しいもので、そこには訓練と経験が必要です。

■プレゼンのメインはあくまで「内容」

 凡人のプレゼンは、結論を言えば「普通」でいいのです。

 しっかりと資料を用意する。伝えたい重要なメッセージを、シンプルなスライドで構成する。資料が100%だとしたら、説明の内容は50%くらいを目指す。ごくごくオーソドックスですが、この本でご紹介する説明力の正しいスタイルをしっかり身に付けることが先決です。

 なぜなら、ジョブズのような有名人ではない人間が行うプレゼンでは、「私という人間」や「私自身の発表スタイル」が注目されているのではなく、「発表する内容」にこそスポットが当たるべきだからです。

 しゃべり方に特徴をつけるにはどうしたらいいか。服装は奇をてらった方がいいか。全体のデザインをどう見せるか……、こうした悩みは、数々の実績を積み上げた結果、自分がブランド化された後で考えれば十分です。それまではセオリー通りに、発表内容自体の意義や驚き、競争力などに見る人を誘導できるよう考えましょう。

 見ている人の感情をいきなり刺激するようなやり方も危険です。芝居がかったプレゼンになりがちで、どうしても聞き手はそちらに気を取られ、内容が頭に残りにくくなってしまいます。

☆ ☆ ☆

自らのビジネスへの向き合い方を再検証し、気づきとともに、正しいテクニックを学べば格段に身に付きやすくなるはず。筆者がビジネスの現場で「説明が上手い人」から学び、実際に試して確実に役に立つことを証明できたスキルだけを厳選した『「説明が上手い人」がやっていることを1冊にまとめてみた』。ぜひ「考え方」と「テクニック」の両方を学んで、ビジネスの荒波を乗り越える力を身に付けてほしい。

ハック大学ぺそ
ビジネス系YouTuber、1988年生まれ。主にYouTubeチャンネル「ハック大学」を通じて、仕事術、キャリア戦略などビジネスに役立つ情報を発信。チャンネル登録者数は25万人を超える。チャンネルにアップされた動画のなかでも、説明に関する動画は人気のコンテンツ。専業YouTuberではなく、普段は外資系金融機関に勤める現役のビジネスパーソンで、年収は約2000万円。著書に『行動が結果を変える ハック大学式最強の仕事術』(ソシム)、『「説明が上手い人」がやっていることを1冊にまとめてみた』(アスコム)がある。

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