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期待以上の成果を引き出す!「何のために」を相手にわかりやすく伝える方法

2023.01.10

「上手な説明には「コツ」があります」26万人超の登録者を擁するビジネス系YouTuberのハック大学 ぺそ氏は言います。
説明が下手な人は、なぜ、同じ失敗を何度も繰り返すのか? それは、根本的な「考え方」「思考」に欠陥を抱えているからで、「ちょっとしたテクニック」を身に付けて、上手に使い分けられるようになれば、誰だって説明力はぐっと上がるそうです。外資系金融機関に勤める現役ビジネスパーソンである同氏がビジネスの最前線で出会った「説明が上手い人」がどんな話し方をしているのかを観察し、導き出した著書『「説明が上手い人」がやっていることを1冊にまとめてみた』から「説明下手な人の特徴」を一部抜粋・再構成してお届けします。

ハック大学ぺそ著/アスコム
『「説明が上手い人」がやっていることを1冊にまとめてみた』

直属の部下に仕事を依頼するときに

[×]「来週までに〇〇の資料を作っておいてくれるかな?データについては〜〜を参考にまとめてくれればいいから。」

やってほしい作業の内容だけを相手に伝えたのでは、指示した内容〝以上〞の成果は期待できない。

[○]「新商品の販売促進に使いたいと思っているんだけど、来週までに〇〇の資料を作っておいてくれるかな?」

先に目的を説明すれば、相手から自分の知らない技術や情報を引き出せる可能性が高まる。

「何のために」を伝えないと相手はロボットになる

 上司への説明と部下への説明には決定的な違いがあります。上司であれば、相手は自分よりも能力が優れ、基本的には上司の命令に伴って説明をすることになります。一方、部下に対する説明は、自分よりも能力や経験の不足している人に、自分の意図を説明してうまく動いてもらうためにあるからです。

 つまり、部下への説明は、過不足なく指示を出し、適切な報告を求めるという表面的な目的以外に、最大限部下の力を引き出し、チームとしてできるだけ大きな成果を上げ、さらに部下自身も成長できるように誘導していく必要があるわけです。

 したがって、上司に対するやり方と同じようにしていては、問題が生じることもあります。特に上司から「鍛えられた」と感じている人ほど、部下にも同じように接してしまいがちです。本当にそれでいいのか、一度考えてみる必要はありそうです。

■期待以上の成果を引き出す説明とは?

 私は部下に指示を出すとき、常に「内容」よりも「目的」に比重を置いて説明することを心がけています。

 部下への指示は、「データを調べておいて」「資料を作っておいて」といった形になりがちです。「こういう手順でやって」というレベルまで指定することもあり得ます。しかし、そのデータや資料は、本来は何らかの目的があって必要になったはずです。私はまず、その「目的」から説明するようにしています。

 顧客であるA社に新製品への乗り換えを促したいためのデータであるとか、私の上司である役員に提出する四半期の売上をまとめた資料であることを、先に明らかにするのです。

 なぜなら、「○○をしておいて」という指示、それも手順まで指定した場合はなおさら、部下が最高のパフォーマンスを発揮しても、最高の結果は「指示通り○○が完成した」であって、それを越えることは100%ありません。むしろ、指示されていないことに時間を使うと叱責されるリスクがありますから、賢明な部下ほど、余計なことはしないほうがいいと考えるでしょう。そして最悪なのは、怒られることを恐れていったん「わかりました」と返事したものの、実はどうすればいいかわからず、期日ぎりぎりになってそれが発覚するようなパターンです。

 ところが、先に目的を説明すると、部下なりに考え始めるわけです。「最近こんないいデータが出たみたいです」「新発売のソフトを使うとすぐ処理できます」「××常務、最近老眼がきつくて、文字が大きい方が好みらしいです」なんて、私の知らない知識や情報が漏れ出てくることもあります。ある分野や技能に絞ると、私以上に部下が優秀なことも往々にしてあるわけです。

 そんなとき、私は部下の得意分野をできるだけ引き出して、役立ててくれるように仕向けます。「そうなんだ! 知らなかった。それでやってみてよ」と応じます。すると部下も、自分の考えが採用された、自分の得意分野や知識が生きたと思い、楽しく働き始め、指示だけされたケースよりもパフォーマンスはよくなります。同時に、部下ごとの得意・不得意も把握できてより効率よく担当を割り振りできますし、コミュニケーションが生まれるため、必要な部分についてはていねいに説明できます。

■部下にはむしろ気楽に話してもらう

 こういうやり方は、結局部下自身の力を伸ばすことに直結します。

 指示されたことだけをするのではなく、目的に応じて何をすればいいかを自ら考え、自ら学ぶ人が育ちます。一朝一夕には行きませんし、最初はていねいに時間をかける必要があるので、正直楽ではありません。しかし長期的に見た場合、上に立つ側としても、こうした説明を心がけることのメリットは大きいと思うのです。

 それによって多少時間的には非効率が出てしまうとしても、私はそれを見込んでスケジュールを立て、むしろ「時間をかけてミスをしてもらう」ことも許容する余裕を持ちたいと思っています。

 最近は、最初からわざと指示を説明しないこともあります。「新商品の○○の話、聞いた?」とか、もっと広く「どう? 最近?」なんて切り出し、まず部下に自由にしゃべってもらいます。すると、彼らの考え方や捉え方、現在の多忙度や、もっと一般的な悩み、問題点まで、情報収集できたりするのです。

☆ ☆ ☆

自らのビジネスへの向き合い方を再検証し、気づきとともに、正しいテクニックを学べば格段に身に付きやすくなるはず。筆者がビジネスの現場で「説明が上手い人」から学び、実際に試して確実に役に立つことを証明できたスキルだけを厳選した『「説明が上手い人」がやっていることを1冊にまとめてみた』。ぜひ「考え方」と「テクニック」の両方を学んで、ビジネスの荒波を乗り越える力を身に付けてほしい。

ハック大学ぺそ
ビジネス系YouTuber、1988年生まれ。主にYouTubeチャンネル「ハック大学」を通じて、仕事術、キャリア戦略などビジネスに役立つ情報を発信。チャンネル登録者数は25万人を超える。チャンネルにアップされた動画のなかでも、説明に関する動画は人気のコンテンツ。専業YouTuberではなく、普段は外資系金融機関に勤める現役のビジネスパーソンで、年収は約2000万円。著書に『行動が結果を変える ハック大学式最強の仕事術』(ソシム)、『「説明が上手い人」がやっていることを1冊にまとめてみた』(アスコム)がある。

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