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だらだらと話をさせないために重要な、ざっくりと大枠を説明するテクニック

2022.12.19

「上手な説明には「コツ」があります」26万人超の登録者を擁するビジネス系YouTuberのハック大学 ぺそ氏は言います。
説明が下手な人は、なぜ、同じ失敗を何度も繰り返すのか? それは、根本的な「考え方」「思考」に欠陥を抱えているからで、「ちょっとしたテクニック」を身に付けて、上手に使い分けられるようになれば、誰だって説明力はぐっと上がるそうです。外資系金融機関に勤める現役ビジネスパーソンである同氏がビジネスの最前線で出会った「説明が上手い人」がどんな話し方をし
ているのかを観察し、導き出した著書『「説明が上手い人」がやっていることを1冊にまとめてみた』から「説明下手な人の特徴」を一部抜粋・再構成してお届けします。

ハック大学ぺそ著/アスコム
『「説明が上手い人」がやっていることを1冊にまとめてみた』

取引先であるA社の部長から急に電話がかかってきて

[×]「課長、ちょっとよろしいでしょうか。今、A社から急に電話がかかってきまして、いつもの担当者ではなくB部長からで、「今回が初めてじゃないぞ!」ってかなり怒ってらっしゃるんです。3年前にも同じようなミスがあって、それも未解決のままなのにと〜〜」

断片的かつ具体的、時系列も前後していて聞いている側は何の話なのかがわからず、内容の把握に手間どってしまう。

[○]「課長、急ぎのご相談なのですが……。今、A社のB部長から強い抗議の電話がありまして、課長に出ていただかないと収拾が難しそうです。今回起こったトラブルというのが〜〜」

説明の内容は「相談」であり、内容をひとまず「重大な抗議」と抽象化して伝えているので、相手は理解しやすい。

「ざっくりした大枠」があれば話がダラダラしない

 説明が下手だと指摘される人でも、必ずしも説明の内容が間違っているわけではなく、その内容自体は正しい場合もあります。

 ただ、説明する側が話している順序と、聞き手が内容を受け取りやすい、聞いていて理解しやすい順序にズレがある場合、聞き手の視点では「ダラダラと話している」「何を言っているのかわからない」と評価されてしまいかねません。

 説明の基本構造は、説明する側から聞き手への情報の流れです。時には説明の内容が詳細かつ具体的で、膨大な量になることもあります。

 いくら焦っていたとしても、例のように、急に具体的な話をピンポイントで始めても、相手はまず受け取れません。全体のストーリーの中でその話がどの位置にあるのか、どのくらいの重要性があるのかがわからないからです。かといって、ずっと概念的な話ばかりを続けるわけにもいきません。

 その際にうまく進めるテンプレになるのが、「抽象(ざっくりした大枠)から具体へ」という流れを守ること。さらに、「抽象→具体」と展開した流れを再び「抽象」に戻し、いわば往復することで、説明力をフックにして考える力までアップします。

■抽象度の高い情報を使って説明を整理する

「抽象→具体」の有用性は、メールの文面に置き換えればより理解しやすいでしょう。長く複雑で具体的な話を織り交ぜながら説明するなら、流れをつかみやすいよう段落を分け、見出しをつけますし、メール自体のタイトルも全体像をつかめるように工夫します。本当に長い場合は、冒頭に概略(ダイジェスト)をつけるのも効果的です。

 警察や消防に通報すると、まず相手から「事件ですか? 事故ですか?」「火事ですか? 救急ですか?」と聞かれるそうです。通報者は焦っていることが多く、見たままの状況を断片的に説明し始める場合が多いため、一刻一秒を争っているのに全体像を素早くつかめません。そこでまずは「事件か事故か」「火事か救急か」という抽象度の高い情報を聞き取り、その後の行動を絞り込むわけです。

 説明も全く同じです。「この場の説明テーマ」を共有したら、最初に何の話をし、次に何の話をして、最後に結論として……などと、具体的な説明に入る前に一通り抽象度の高い情報として整理しておくと、聞き手もわかりやすくなります。このテンプレは、常に役立ちます。

■「抽象↓ 具体↓ さらに抽象」でビジネスの実力も伸びる

 実はこのテンプレを身に付けると、ビジネスパーソンとしての能力そのものも鍛えられます。情報を整理して見出しをつけるような思考は、さまざまな具体的要素から、共通しているポイント、一般的な概念を見つけ出す訓練になり、ビジネスでも有効な大発見にもつながります。

 たとえば新製品・サービスの開発に関わっているとします。そのままでは抽象的ですが、いろいろと探ってみると、量販店の売上データではAが流行している、Bが最近SNSで叩かれている、Cという番組の視聴率が高い、Dという本がベストセラーになっている、当社のEという商品の注文が急増している……といった、多岐にわたる具体的な情報が集まりました。

 そこで、これらの具体を再び抽象化すると、世の中的には今こんな流れがきているといった背景が見えるようになるわけです。その結果を、具体的な施策にしていきます。こうした「具体→抽象→具体」という行き来、往復ができると、成功の可能性や再現性の高い仮説がどんどん生み出せます。これは、やがて大きな力の差になります。

「抽象→具体」、つまり具体化力は、アイデア出しのようなイメージです。集められるデータは入手するとしても、無限大に調べるわけにはいきません。そこで役立つのが「制約を作る」という手法です。「○○ではどうなっているか?」という方向で課題を探し、情報を探るテクニックが有効です。

「具体→さらに抽象」は、「抽象→具体」より難易度が高くなります。抽象化力を鍛えるには、お笑いでよく見る「謎かけ」が役立ちます。ランダムに選んだ、一見全く関連のなさそうな2つから、共通する特徴を探す思考を試みると、どこまで抽象化すれば共通点が見えてくるかが鍛えられます。ぜひ習慣づけてみてください。

☆ ☆ ☆

自らのビジネスへの向き合い方を再検証し、気づきとともに、正しいテクニックを学べば格段に身に付きやすくなるはず。筆者がビジネスの現場で「説明が上手い人」から学び、実際に試して確実に役に立つことを証明できたスキルだけを厳選した『「説明が上手い人」がやっていることを1冊にまとめてみた』。ぜひ「考え方」と「テクニック」の両方を学んで、ビジネスの荒波を乗り越える力を身に付けてほしい。

ハック大学ぺそ
ビジネス系YouTuber、1988年生まれ。主にYouTubeチャンネル「ハック大学」を通じて、仕事術、キャリア戦略などビジネスに役立つ情報を発信。チャンネル登録者数は25万人を超える。チャンネルにアップされた動画のなかでも、説明に関する動画は人気のコンテンツ。専業YouTuberではなく、普段は外資系金融機関に勤める現役のビジネスパーソンで、年収は約2000万円。著書に『行動が結果を変える ハック大学式最強の仕事術』(ソシム)、『「説明が上手い人」がやっていることを1冊にまとめてみた』(アスコム)がある。

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