ヘッダー情報は、インターネットを利用してさまざまな情報のやり取り行う上で非常に重要な役割を果たしています。「HTTPヘッダー」と「メールヘッダー」の二つの観点から、その意味や役割、確認方法、そしてエラーメッセージの対処法まで解説します。
HTTPヘッダー情報とは
私たちが日頃当たり前のようにさまざまなWebコンテンツを閲覧できるのは、コンテンツ情報がWebブラウザとWebサーバー間でやり取りされる仕組みである『HTTP通信』によるものです。このHTTP通信に不可欠なHTTPヘッダー情報の意味と役割、ヘッダーの確認方法について解説します。
Webコンテンツに関する情報
HTTPヘッダー情報とは、HTTP通信でやり取りされる情報の一部分です。メッセージ前半部分の制御情報が記された部分を指します。
ブラウザからサーバーへ送る『リクエスト』と、リクエストに対してサーバーが返答を送る『レスポンス』のそれぞれにヘッダー情報が含まれています。ヘッダー情報に記されているのは、以下のような情報です。
【リクエストヘッダー情報】
- 送信先のドメイン名・ポート番号(Host)
- リクエストが生じたページのURL(Referer)
- ブラウザに保存されたサイトデータ(Cookie)
【レスポンスヘッダー情報】
- Webサーバーの識別名(Server)
- データの種類(Content-Type)
- データの最終更新日時や更新チェック情報(Last-Modified/ETag)
HTTPヘッダー情報を確認する方法
HTTPヘッダー情報は、Webブラウザの開発者ツールで確認することが可能です。開発者ツールは、Windowsであれば「F12」、Macであれば「command + option + i」のショートカットで開けます。
Google ChromeでもMicrosoft Edgeでも同様で、上記ショートカットで開く方法のほかに、対象のページ上で右クリックし、「検証」を選択しても開発者ツールを開けます(Edgeは「開発者ツールで調査する」)。
開発者ツールを開いたら、「Network」タブを選択し、要求テーブルの「Name」列に表示されているURLを選択します。
選択したURLの右側に表示されたテーブルから「Headers」を選択すると、閲覧しているページのHTTPヘッダー情報を確認できます。
メールヘッダー情報とは
メールのやり取りにもヘッダー情報は不可欠です。先述のHTTPヘッダー情報とメールヘッダー情報には、どのような違いがあるのでしょうか。メールヘッダー情報の意味と役割、ヘッダーの確認方法について解説していきます。
メールに関する情報
メールヘッダー情報とは、受信したメールがどこの誰から、どのようなルートを経て届いたかという情報を指し、以下のような情報が記されています。
- 送信元・送信先のメールアドレス(From/To)
- メールの送信時刻(Date)
- メールの配送ルート(Received)
- メールの識別番号(Message-ID)
- 送信元のメールソフト(X-Mailer)
メールヘッダー情報は主に、なりすましメールやスパムメールなどの被害に遭った際、送信元や送信ルートの解析に用いられます。
メールヘッダー情報を確認する方法
メールヘッダー情報は、メールソフトから簡単に確認することが可能です。Outlookでは、対象メールを開いた状態で「ファイル」タブをクリックし「プロパティ」を選択すると、「インターネットヘッダー」ボックスにヘッダー情報が表示されます。
Gmailでは、対象メールを開いた状態で縦の三点リーダーアイコン(黒点が縦に三つ並んでいるアイコン)をクリックし、「メッセージのソースを表示」を選択します。
「元のメッセージ」という表示画面右下の「クリップボードにコピー」をクリックし、Gmailと別に「Messageheader」ツールを開き、コピーしたヘッダー情報を貼り付けます。
最後に「上記のヘッダーを分析」をクリックすれば、メールヘッダー情報が表示されるでしょう。
エラーメッセージの原因と対処法
オンライン上で何らかのアクションをとったとき、ヘッダー情報に関するエラーメッセージが表示される場合があります。代表的な二つのエラーメッセージを例に、表示される原因と対処方法について解説します。
「ヘッダー情報は変更しないでください」
「ヘッダー情報は変更しないでください」のメッセージは、CSVファイルをアップロードする際のエラーメッセージとして表示されるケースが多いものです。昨今はクリックポストサービスの利用時に見られる機会が増えています。
クリックポストは日本郵便が提供している発送サービスの名称で、フリマアプリやオークション利用者などが商品を発送する際に利用するケースが多いサービスです。
クリックポストの発送先のCSVデータを専用サイトにアップロードする際、データに何らかの不備を感知すると、このエラーメッセージが表示されます。
原因は、「余分な空白」と「機種依存文字」であることがほとんどですが、加えて文字コードの相違も、アップロードエラーが発生する原因です。
文字コードの相違はデータファイルのエンコードがうまくいっていないことが原因と考えられるため、クリックポストであればCSVの文字コードを「Shift_JIS」にそろえる必要があります。
特にMacを使っている場合、デフォルト文字コードは「UTF-8」であるため、Windowsで作成されたファイルを扱う際は文字コードの違いに注意しましょう。
「ヘッダー情報を変更できません-ヘッダーはすでに送信されています」
このエラーメッセージは主に、スクリプト言語のPHPを用いたアプリケーションやWordPressでのサイト制作時に発生が多く見られます。
エラーメッセージの原因の中でも頻繁に見受けられるのが、PHPの記述に誤りがあったというものです。
functions.phpにおいて、余分な余白や改行が入っていたことでエラーとなるケースが多いため、このエラーメッセージが表示された際は、必ず確認しましょう。
構成/編集部