今使っている健康保険証が2024年秋には廃止され、マイナンバーを保険証として全面的に利用するようになりそうだ。
保険証が2024年廃止に
現在の保険証は以下に分かれている。
①国民健康保険証(紙)
②後期高齢者医療保険証(紙)
③健康保険証(カード)
現在、普段病院で支払いの際に健康保険の適用を受ける場合には、受診時に上記いずれかの保険証、受診する病院の診察券を病院の受付で提示する。さらに、子どもの場合には「こども医療費受給者証」、高額療養費制度の適用を受ける場合にはその「認定証」、70歳以上の場合高齢受給者証などが必要になる。
一方、マイナンバーカードを健康保険証として利用する登録をマイナポータルまたはセブン銀行で行うと、マイナカードを保険証としても利用できる。
河野デジタル相の記者会見によれば、従来の紙やカードの保険証を2024年秋には廃止し、マイナ保険証に切り替えるとのことだ。これまで、希望によりどちらかを選択できるとしていたが、完全に2024年に切り替えするとのことだ。
(参考)日経新聞朝刊2022年10月13日「現行保険証 24年秋廃止」
マイナ保険証のメリット
現在、マイナ保険証を紙やカードの保険証の代わりに使用することで得られるメリットは以下の通りだ。
①健康保険証の確認が自動受付ででき待たずに済む
大きな病院では診察券を出して予約票を出すまでは自動受付機で可能だが、月に1回は健康保険証の確認が必要となる。その健康保険証の確認に時間がかかってしまうことがある。そこで、マイナ保険証があれば、受付すぐ横の顔認証付カードリーダーの自動受付機で確認することが可能で、待たずに済む。
オンライン資格確認の導入について(医療機関・薬局、システムベンダ向け) (mhlw.go.jp)
②健診結果や薬剤情報をデータで伝えることができる
2021年9月以降の健診結果(特定健診)や医療機関で受け取った薬剤情報を同意のうえ、医療機関や薬局はデータとして見ることができるため、正確な状況を医師や薬剤師に伝えることができる。口頭や記録し忘れのあるお薬手帳で伝えるよりも安心だ。
③高額療養費制度の利用が簡単
入院などで医療費が高額になると高額療養費制度の利用で、限度額以上は負担しなくて済むが、従来は窓口で入院前に事前申請が必要だった。マイナ保険証があれば、顔認証付カードリーダーで確認、情報提供の同意をすればすぐに認定される。
④医療費控除の申告が簡単
医療費控除とは、本人または同じ世帯の家族が年間一定以上の医療費を支払うと、その医療費の金額を所得から控除して、所得税を軽減できるものだ。従来、すべての領収書を保管し、エクセルなどに入力して自分で計算して申告しなければならなかったが、マイナ保険証で受診した医療費は、マイナポータルとe-TAXを連携すると自動で入力することができる。
⑤健康保険証の切り替えが不要
会社員はその会社の健康保険組合の保険証となるため、会社を退職、転職すれば、その度に申請して健康保険証を発行してもらう必要がある。マイナ保険証は転職等してもそのまま使用することができる。
⑥高齢受給者証が不要
70~75歳では、健康保険証と高齢受給者証が必要でしたが、高齢受給者証が不要になる。