今年7月のアップル製品総値上げによって、M1チップ搭載の現行品の値段が急上昇した。少しでも安く買いたい人の救世主が中古品だ。ハイスペックな機種ほど差額が大きく狙い目になる。
「『MacBook』を購入するなら、今さら、Intel搭載モデルを買うのはナンセンスだと思いますよ」
「Macの場合、Windowsのようにメーカーの選択肢がないため、現時点で使える、スペックが整った中古モデルは、Apple認定整備済製品、中古ショップ共通で、新品に比べても値下げ幅は低い印象です。少しでも安く買いたい、あるいは目当てのモデルの入荷が数か月先になり困っているといった方には向いています。短期利用と割り切れるならIntel CPU搭載機種もいいですが、将来性を考えれば、M1チップを搭載する2020年10月以降にリリースされた機種がおすすめです。映像編集を行なうようなクリエイター以外は、メモリー8GB以上、ストレージはSSD256GBを選ぶと大抵は事足ります」
PCライター 平澤寿康さん
ネットメディアや雑誌などでスマホやPCなどの執筆を行なうフリーライター。テクニカルな記事から一般目線のレビュー記事までわかりやすい解説にも定評がある。
【 M1チップとは?】
2020年に登場したアップルがMacのために設計した初めてのチップ。従来のチップに比べCPU性能は最大3.5倍、GPU性能は最大6倍に達する。
【選びのポイント】
● M1チップ搭載以降のモデルを選ぶ
● Intel搭載モデルは短期利用に限る
● まずはApple認定整備済製品をチェック
完成度が高いMacは前世代でも見劣りなし
発売時の定価10万4800円 → 中古平均価格12万254円
Apple『13インチMacBook Air(M1、2020)』
2020年11月に発売。USB 4のThunderboltポートを2基搭載し、Wi-Fi 6にも対応するなど、最新型と比べても見劣りはしない。最大15時間のバッテリー駆動を実現しモバイルでも活躍する。8コアCPU、7コアGPU、8GBメモリー、256GB SSD。
〈 ここが狙い目!〉現行モデルには最新のM2チップを搭載し価格は6万円アップに。M1チップ搭載の中古なら十分な性能を備えつつアンダー10万円でも購入できる。
M1 Pro搭載に加え仕事効率の向上機能が充実
発売時の定価27万4800円 → 中古平均価格22万2420円
Apple『14インチMacBook Pro(M1、2020)』
8コアCPU、14コアGPU のM1 ProとミニLEDディスプレイを搭載した現行モデル。ノッチの採用で表示領域が広く、最大120Hzのリフレッシュレートでの表示も可能。急速充電にも対応する。HDMIやSDスロット、MagSafe充電も復活。
〈 ここが狙い目!〉発売時の価格は23万9800円だったが、円安の影響か、今年の7月に3万5000円値上げされた。旧価格との比較でも20万~21万円台ならお得だ。
クリエイターモデルも中古なら手が届く
発売時の定価33万8800円 → 中古平均価格25万7980円
Apple『16インチMacBook Pro(M1、2020)』
10コアCPU、16コアGPU、16GBメモリー、512GB SSDと、左の14インチモデルよりややスペックは上がっているが、基本性能や搭載される機能はほぼ同格。動画編集メインで購入するのであれば、画面の広い16インチをおすすめする。
〈 ここが狙い目!〉この夏の値上げで販売価格が約4万円上昇した。M2チップより高速なM1 Maxチップと4TB SSD搭載の中古品は61万1800円だった。
コストを抑えたいならM1チップ搭載の『Mac mini』を選ぶのも手!!
発売時の定価8万80円 → 中古平均価格8万3316円
Apple『Mac mini (M1、2020)』
M1チップ搭載のMacで最も手頃なモデル。縦横19.7cmの筐体サイズは変わらず、前世代モデルに比べ、8コアCPU の性能は最大3倍、高速グラフィックスは最大6倍になった。
〈 ここが狙い目!〉M1チップモデルは旧価格ベースでは高めの相場だが、値上げ後の現行価格9万2800円に比べると割安感がある。
取材・文/安藤政弘
※掲載の中古品は2022年9月26日現在の情報です。商品の売り切れ、価格の変更の可能性があります。