毎年12月17日は飛行機の日とされ、ライト兄弟が成し遂げた歴史的な出来事に由来しています。飛行機が関係するその他の記念日も、由来とともに確認しましょう。飛行機・航空技術を見て体験して学べる施設も紹介します。
飛行機の日は毎年12月17日
飛行機の日は毎年12月17日とされています。この日に定められたのは、ある歴史的な出来事がその由来です。12月17日が飛行機の日と定められた理由を解説します。
ライト兄弟の世界初の偉業が由来
飛行機の日は1903年12月17日、アメリカ・ノースカロライナ州のキティーホークという町で、ライト兄弟(兄ウィルバー、弟オーヴィル)が世界で初めて動力付き飛行機の有人飛行に成功したことに由来しています。
このときの挑戦では、オーヴィルが操縦するフライヤー号が飛行時間12秒間・飛行距離36mの飛行を達成しました。その後、ライト兄弟は4回の飛行挑戦を実施し、4回目で飛行距離およそ256mという結果を残しています。
飛行機に関連するその他の記念日
飛行機の日以外にも、飛行機に関連する記念日があります。特に日本人に関係する出来事が由来となる、二つの記念日を確認しましょう。
日本人初飛行の日(12月19日)
12月19日は、『日本人初飛行の日』とされています。1910年12月19日に、陸軍軍人だった徳川好敏(よしとし)が日本で初めて動力付き飛行機の飛行に成功したことが、その由来です。
初飛行が行われたのは、現在の代々木公園(東京都渋谷区)で、当時は代々木錬兵場と呼ばれていました。フランス製のアンリ・ファルマン式複葉機という飛行機で挑み、飛行時間4分・飛行距離3,000m・最高高度70mという記録を残します。1974年12月には、代々木公園に「日本初飛行の地」の碑が建立され、徳川好敏などの胸像が設置されました。
空の日(9月20日)
『空の日』は『航空日(9月20日)』(1940年制定)を起源とします。
『航空日』の第1回目は1940年9月28日に開かれました。戦時中でしたので挙国一致の協力の下、航空大会・航空功労者表彰式・講演会など、さまざまな行事が行われました。関係省庁の協議の結果、第2回以降は9月20日に変更されます。
戦後、民間航空再開40周年にあたる1992年に、より多くの国民に航空への理解と関心を高めてもらえるよう、親しみやすいネーミングに改称されたのが「空の日」です。
空の日に合わせて開催されるイベント
『空の日』に合わせて、さまざまなイベントが全国各地で開催されます。
羽田空港では、利用者にもっと空港を身近に感じてもらうことを目的として、『空の日』を記念したイベントを毎年開催しています。普段は見学できない施設が公開されるなど、イベントに合わせてさまざまな取り組みが行われてきました。
2022年には、9月17日に『羽田空港「空の日」フェスティバル2022』が開催されました。当日は、JAL折り紙ヒコーキ教室・ ANA体験教室・東京税関音楽隊演奏などの催しが開かれました。
関西国際空港では、2022年11月3日に3年ぶりに『関西国際空港「空の日」フェスティバル2022』が開催されました。当日は空港や航空会社など関係各社が一堂に会し、制服着用体験・特殊車両の展示・普段は立ち入り禁止エリアの見学ツアーなどが実施されたようです。
飛行機を見て学べる関東地方の3施設
日本各地には、実際に飛行機を見ながら航空に関して学べる施設がいくつもあります。関東地方にある三つの施設を、見どころも含めて確認しましょう。
所沢航空発祥記念館(埼玉県所沢市)
『日本の航空発祥の地』とされる埼玉県所沢市にある所沢航空発祥記念館は、航空発祥の地を記念して建てられました。所沢航空発祥記念館では、航空の歩み・空に関わる科学技術発展の歴史などが学べます。
記念館内には、九一式戦闘機・ ノースアメリカンT-6G・川崎KAL-Ⅱなどの機体の実物が展示されています。また、フライトシミュレーターや低重力体験装置「スペースウォーカー」などを使って、体験を通して学ぶことも可能です。
所沢航空発祥記念館 _ 日本で初めて飛行場ができた場所。所沢航空発祥記念館。
航空科学博物館(千葉県芝山町)
航空科学博物館は、成田空港の開港に関連して1989年8月に成田国際空港の隣接地に開設されました。特に青少年に航空に関する科学知識を広く知ってもらうことにより、最終的には日本の航空発展に貢献することを目的とした施設です。
YS-11・セスナ195・FA-300などの飛行機の実機が展示されているほか、ジャンボジェットの愛称で知られる「ボーイング747」の機首部分の実物(747 セクション41)も展示されています。B737-MAX・B777のシミュレーターもあり、実際に操縦体験が可能です。
東京都立産業技術高等専門学校 科学技術展示館(東京都荒川区)
東京都立産業技術高等専門学校の科学技術展示館では、前身の都立航空工業高等専門学校時代から教材として使用されてきた計13機(飛行機・ヘリコプター・航空用エンジンなど)が展示されています。
東洋航空フレッチャーFD-25A軽攻撃/練習機など、同校が所有するコレクションの一部は、財団法人日本航空協会の「重要航空遺産」として認定されるほどの貴重な品々です。
一般公開日は限定されるので(2022年度は年に8日)公式サイトでの確認が必要です。飛行機の日に合わせて、2022年12月16日は一般公開予定日となっています。
科学技術展示館(荒川キャンパス) _ 東京都立産業技術高等専門学校
構成/編集部