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「ライブコンポジット」機能を徹底検証!花火を重ねて豪華な演出ができるOM SYSTEMのミラーレス一眼「OM-1」

2022.11.20

■連載/ゴン川野の阿佐ヶ谷レンズ研究所

コンピュテーショナル フォトグラフィとは

動物認識AFや高速連写機能に目が行きがちのミラーレスだが、それ以外の機能でも着実な進化を続けている。OM SYSTEMが提唱しているのが、コンピュテーショナル フォトグラフィである。本来は撮影後にPCの画像処理ソフトでおこなう合成技術をカメラ本体でやってしまおうというものだ。

OM-1」に搭載されたのは8000万画素を実現する「三脚ハイレゾ」、5000万画素で撮れる「手持ちハイレゾ」。明るい場所でスローシャッターが切れる「ライブND」、比較明合成ができる「ライブコンポジット」、被写界深度の深い画像が得られる「深度合成」、ダイナミックレンジを拡張する「HDR撮影機能」である。今回はライブコンポジットを使って花火大会で、撮影をおこなった。花火の撮影は、シャッター速度をマニュアルで決める必要があり、時間が長すぎると白飛びする心配があり、またフレーム内に花火を収めるとか、初心者にはなかなか敷居が高い。これがライブコンポジット機能を使えばカンタンに解決できた! 私の中では花火を撮るならOM SYSTEMの一択だ。

ライブコンポジットに欠かせないのがNDフィルターとリモートレリーズ、そして広角レンズ。今回は超広角ズームの「LEICA DG VARIO-ELMARIT 8-18mm / F2.8-4.0 ASPH.」を使用

暗くても素早く変更できるように、ライブコンポジットの設定はカスタムモードにまとめて登録した

ライブコンポジット設定はお任せで完了

ライブコンポジット撮影をおこなうには、三脚とリモートレリーズが欠かせない。実は手ブレ補正が効くので手持ちでも撮れるかもしれないが、花火は撮影時間が長いので三脚とレリーズでじっくり撮りたい。さらに絞り込み過ぎると回折現象で解像度が下がるため、絞りをF8に固定するためND8のNDフィルターを使用。理想は可変型のNDフィルターで花火の明るさによってフィルターの暗さを変えたい。ISO感度はなるべく低くしたいのでISO200、ホワイトバランスは3800K固定、フォーカスはMF固定、手ブレ補正はOFFにしてある。シャッター速度をBにするとLiveCompositeが選択できる。これで準備完了。最初にシャッターボタンを押すとノイズリダクション用の画像取得画面が表示され、その画像が取り込まれた後で撮影可能になる。このタイムラグがあるため、連写はできない。

モードダイヤルのBを選択すると、LiveCompが選択可能になる

シャッターを押してもすぐには撮影できない、ノイズリダクション用の画像取得画面になる

画面がブラックアウトして数秒後にコンポジット撮影可能画面が表示される

比較明合成の秘密

それではライブコンポジットとは何なのかをカンタンに説明しておこう。Photoshopなどの画像処理ソフトには画像を重ねて1枚にまとめる機能がある。カメラで言えば多重露光である。カメラの場合、問題になるのは、何度もシャッターを切ると露出オーバーになってしまうこと。これを解決するのが比較明合成で露光時間が長くなっても明るい被写体だけを選択して合成してくれる。シャッターボタンを押すと指定した露光時間で自動的に連写を開始する。初期設定は1/2秒で花火の場合はこのままで良い。あとはモニター画面を見て、花火の重なりがいいと思ったら、もう一度、シャッターボタンを押すと撮影完了。自動的に100枚以上の画像を重ねてくれ、その経過をモニターで目視できる。これで失敗の心配ナシ。単発花火もどんどん重ねることで画面を花火で一杯にできるのだ。

Photoshopを使った比較明合成の作例をお目にかけよう、これが元の画像になる

元画像をコピーして適当に配置すれば豪華な花火が完成、この合成機能をカメラ内でおこなえる。カメラで合成するのは連写した画像で、実際に目で見た花火に近いイメージで花火が重なっていく

140コマの画像を重ねて完成した画像、種類の違う花火が1画面に収められる
LEICA 8-18mm/F2.8-4.0 ASPH. OLYMPUS OM-1 1/2sec(140コマ撮影)、F8、ISO200

こちらも高さの違う花火を1画面に収めている。露出オーバーしなくても位置が重なると白飛びと同じ現象が起きるので適当なタイミングで撮影を終わらせよう
LEICA 8-18mm/F2.8-4.0 ASPH. OLYMPUS OM-1 1/2sec(60コマ撮影)、F8、ISO200

打ち上げ花火は早めにシャッターを押すと一直線の光跡「昇り」も撮影できる
LEICA 8-18mm/F2.8-4.0 ASPH. OLYMPUS OM-1 1/2sec(62コマ撮影)、F7.1、ISO200

短時間で多くの花火が上がるスターマインはライブコンポジット向きで他のカメラの追従を許さない
LEICA 8-18mm/F2.8-4.0 ASPH. OLYMPUS OM-1 1/2sec(402コマ撮影)、F10、ISO200

こちらもスターマインで横並びに花火が上がったが、左端は木にさえぎられた
LEICA 8-18mm/F2.8-4.0 ASPH. OLYMPUS OM-1 1/2sec(98コマ撮影)、F10、ISO200

横幅700mの花火ファンタジア、打ち上げ数が多いので早めに撮影を終了させている
LEICA 8-18mm/F2.8-4.0 ASPH. OLYMPUS OM-1 1/2sec(20コマ撮影)、F10、ISO200

写真・文/ゴン川野

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