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VポイントとTポイントが統合すると消費者にはどんなメリットがある?

2022.11.19

2022年10月にVポイントとTポイントの統合が正式発表された。この統合で得することはあるだろうか。

VポイントとTポイントとは?

Vポイントは、三井住友FGのサービスの利用で貯まるポイントで、特に三井住友カードの利用で貯まる。三井住友カードは、三井住友銀行利用者が多いことを背景に、2021年には5,239万人に上っている。カード利用時200円ごとに1ポイント貯まり、ポイント還元率は0.5%となる。ポイントは1ポイント→1円でキャッシュバック、ネットショッピング、三井住友銀行の振込手数料、SBI証券の投資信託購入代金に充当することができる。さらに、アプリでVポイントから1ポイント→1円でチャージしたものをVISA加盟店で使える。

一方、Tポイントは、TUTAYAを運営するカルチュア・コンビニエンス・クラブが開始したポイントで、現在TUTAYAだけでなく、コンビニ、レストランなどあらゆる店舗でポイントを貯めたり、使用したりすることができる。YAHOO!(Zホールディングス)でも、クレジットカード、YAHOO!ショッピング、PayPay、ソフトバンクでTポイントの付与、使用ができたが、2022年3月末で終了しその付与、使用ができなくなり、Tポイントの貯める機会がヤフーサービスではなくなってしまった。

VポイントとTポイントが統合することでどんなシナジーが起きる?

Vポイントは、三井住友カードの発行量を背景に会員数を延ばしているが、Vポイント自体の知名度が低く、クレジットカードの決済自体では貯まるが、カードを提示するだけで貯まったり使用できたりするというようなTポイントや楽天ポイントの持つメリットがない。

一方、Tポイントは知名度が高く、貯まる加盟店も多いが、YAHOO!を展開するzホールディングスとソフトバンクグループの提携解消が非常に痛い。

そんな状況から、2022年10月3日にVポイントとTポイントが統合することに合意したことが正式発表された。

(日経新聞10月4日朝刊をもとに筆者作成)

統合が成立すると、①Pontaポイント②楽天ポイント③dポイント④Vポイント・Tポイント⑤PayPayポイントの5つに分かれることになる。

これまでメインでポイントを貯めるポイントして、楽天経済圏かTポイント経済圏かで分かれていたが、Tポイントの牙城がYAHOO!離脱で崩された。

一方、楽天の方でも、携帯事業への新規参入により、設備への先行投資、当初無料としていたための収益悪化のため、楽天グループ全体での赤字が続いている。採算悪化から、最近では以下のようなポイント付与の改悪がされている。

・お買い物マラソンでの上限ポイントが1万ポイントから7,000ポイントに
・楽天ゴールドカードで楽天市場での買い物決済が+4倍から+2倍に
・最大16倍のポイント付与が最大14倍に
・公共料金の支払いは還元率1%から0.2%に
・楽天証券での投資信託積立の楽天カード決済によるポイント還元率が一部1%→0.2%に

楽天グループの赤字は2019年12月期から2022年も入れると5年連続で、2023年12月期予想も赤字、さらに自己資本比率が5.5%で利益剰余金はマイナスだ。

利益剰余金は▲512億円で資本金2,926億円とすぐに債務超過になることはないが自己資本比率10%以下は危険水域で、改悪は続きそうだ。

一方、三井住友FGは国内2位の巨大銀行グループで、売上規模が小さいTポイント運営のカルチュア・コンビニエンス・クラブにとっては大きな手助けとなる可能性がある。

ポイント会員数やポイント加盟店を増やすには、「ポイント2倍!」などのキャンペーンが必要となるが、それには安定した経済基盤が必要だ。

統合後どうなるか分からないが、統合直後は三井住友の強力なバックアップでポイントアップの大きなキャンペーンが期待できる。

ポイント投資にも期待

現在ポイント投資では、楽天証券が一強だ。投資信託の積立で楽天カード決済で楽天ポイントが決済額の1%貯まり、そのポイントで投資信託を1ポイント→1円分購入できる。

まず、カード決済で投資信託を購入できる証券会社は少なく、決済額に対してポイントが貯まるため、通常の現金から投資するよりはかなりお得になる。また、ポイント還元率の高さ、加盟店の多いことから付与されたポイントに使い勝手の良さから、楽天証券での投資信託積立は伸びている。

ここで、ネット証券第1位のSBI証券も投資信託積立のクレジットカード決済が可能となった。クレジットカード決済可能なのは三井住友カードだが、貯まるポイントであるVポイントは知名度が低い。このVポイントがTポイントと統合すれば、クレジットカード決済で貯まるポイントの魅力は楽天証券に並ぶことになるだろう。

文/大堀貴子

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