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「ムー」の編集長にスピリチュアルやオカルトとの上手な付き合い方を聞いてみた

2022.11.17

 1990年代に起こった癒やしブーム。この時、心を癒す手段としてヒーリングに注目が集まった。そして起こったのが日本におけるスピリチュアルブームと言われている。

 そして2005年、テレビ番組「オーラの泉」が大ヒット。これがきっかけで始まったのが第二次ブームだ。

 そして現在。「突然ですが占ってもいいですか?」や「占いリアリティーショー どこまで言っていいですか?」が注目され、10月からは「占いなんて信じない」もスタート。占い番組全盛の今は、第三次ブームとも言っても過言ではない状況だ。

 こうしたスピリチュアルが「ブーム」となることで懸念されるのが、オカルトに対する我々の心のガードが下がること。スピリチュアルという流行りの言葉に包まれているけど中身がゴリゴリの陰謀論、気づいたら盲信的なことになっているかもしれない。そこで今回は、オカルトとの上手な付き合い方を学ぶべく、月刊「ムー」の三上丈晴編集長に話を聞いた。

スピリチュアルに求められているのは「背中を押してくれること」

――占い番組人気で、最近はスピリチュアルブームと言われています。

「コロナで、社会のシステム、コミュニケーション、仕事のやり方が大きく変わりました。過去の歴史を見ると、世の中が大きく変わった時代は予言や占いが求められやすい。また占い師をリモート出演させるなど、番組の見せ方も今の時代っぽいもの。そう言ったことが占い番組の人気を後押ししたと思われます」

――やはり、占い番組が人気となったのが大きい。

「それは間違いないです。が、このブームの根底にあるものは昔からずっとあるもの。朝のテレビ番組の占いコーナーって、先祖の霊とか、目に見えない力といった理屈が一切ありませんよね。なんとなく見て、1位だったら嬉しいとか、ラッキーアイテムが出たら持って行こうかなみたいな。『占いなどのスピリチュアルなものが背中を押すきっかけに利用されること』は、ごく普通のことです」

――言われてみれば、確かにそうですね。

「私は長年男性読者が中心の雑誌に携わっているので、扱うテーマがオカルトなものでも、それなりの理屈『この説は正しい可能性があるかもしれない』ということを示して記事作りを進めています。ですが、占いが好きな方が読まれる記事をみると、理屈が示されているものなんてほとんどない。なんとなくラッキーであればそれでいい。例えば、少し前から人気のパワースポット巡り。あれを扱う特集には、明治神宮の清正井が紹介されていても、清正井の龍脈や陰陽の気のことについての細かな解説が省かれているものが多い。現在のスピリチュアルと呼ばれているものに興味を持つ人が一番求めているものは『背中を押してくれること』なのでしょう」

――そう言えば、パワースポットや御朱印集めは人気ですね。

「寺社仏閣巡りと言うとものすごく硬くなる。それを『パワースポット巡り』と表現することで、出かけるための心のハードルが下がり、旅に出かける背中を押してくれる。それと同じで『スピリチュアル』の言葉を使うことで、『オカルト』の持つ怪しいイメージが取り除かれて、心のハードルが下がります」

――「スピリチュアル」と「オカルト」の違いは?

「『スピリチュアル』の語源である『スピリチュアリズム』は、昔『心霊』とか『心霊主義』と訳されていました。つまりガチのオカルトです。それが日本では言葉が独自に進化して怪しい要素がなくなってしまいました。ただ、根っこの部分、例えば『オーラ』だったら、その大元には先祖の加護のような『オカルト』の要素があるので、心のガードを下げていると、ゴリゴリのオカルトにつけこまれる危険性があります」

 ブームの今だからこそ一層警戒しなければならない、スピリチュアルの中に潜むオカルトの危険性。回避するにはどうしたらいいのか。次回は三上氏にその心構えをうかがう。

1968年生まれ、青森県弘前市出身。 筑波大学自然学類卒業。1991年、学習研究社(学研)入社。『歴史群像』編集部3カ月を経て、入社1年目から『ムー』編集部。2005年に5代目編集長就任。趣味は翡翠採集と家庭菜園。

取材・文/渡辺雅史

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