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「一入」は何と読む?覚えておきたい語源と正しい使い方

2022.12.13

言葉自体は知っていても、漢字で見ると読み方が分からない言葉もあるでしょう。『一入』はその一例といえます。『一入』の表記と意味を理解するには、語源をたどるのも大切です。『一入』の意味を語源から解説するほか、実際の使い方も紹介します。

一入とは

まずは『一入』の読み方と意味を解説します。言葉の成り立ちにも触れて、現在の読み方と漢字になった流れを把握すれば、記憶に定着しやすくなるでしょう。

「一入」の意味

『一入』の読み方は『ひとしお』です。気持ちの大きさや激しさの度合いが、通常のケースと比べて増している状態を表します。

単に嬉しかったり懐かしかったりするだけのケースで、『一入』を用いるのは適切ではありません。苦しい時期を協力して乗り越えた経緯があったり、同窓会で昔のあだ名で呼んだりするなど、感情が強まるきっかけとなる出来事や状況があるときに『一入』を用いるのが適切です。

『喜びも一入だ』のように名詞として使われる場合もありますが、一般的には『一入嬉しい』のように副詞として使われます。両方の使い方を覚えておけば、どのようなシーンでも上手に気持ちを表現できるでしょう。

なぜ「ひとしお」と読むのか?

『入』は基本『しお』とは読むことがありません。言葉の意味を知っていても漢字表記を知らなければ、『一入』を初見で『ひとしお』と読める人はいないでしょう。『一入』と書いて『ひとしお』と読む理由は、『一入』の語源をたどれば理解できます。

『一入』には実は、染め物を一回染料に浸す意味もあり、こちらが『一入』の語源です。染物業では、染め物を染料に浸す回数を数える単位として『入(しお)』が使われています。染め物は染料に浸す度に色が濃くなることから、最初の状態よりも程度が増すことを表す意味になったのです。

類義語と関連語

ノートをとる

(出典) photo-ac.com

言葉を覚えるときは類義語や関連する表現も合わせて覚えておくと、記憶への定着度がアップします。『一入』の言い換え表現や『一入』を含む四字熟語を紹介します。

「一入」の言い換え表現

『一入』の言い換え表現としては、『格別』『格段』『殊更(ことさら)』『一段(いちだん)』『一際(ひときわ)』『一層(いっそう)』が挙げられます。

『格別』『格段』はほかと比べて大きく程度が違うことを表し、『一入』と同じように用いることが可能です。副詞として用いるときは『格別に』『格段に』とするほか、『殊更』『一段』も基本的には同じように使われます。また『一際』は専ら副詞として用いられます。

『一層』も『一入』と同様の意味を持ちますが、現在の気持ちの大きさを表すときには用いられず、将来の状態を示唆するときに用いられるのが一般的です。『より一層の精進に励みます』のように、前に『より』を付けるのが自然といえます。

「一入」を含む四字熟語「感慨一入」

『一入』は副詞や名詞として使うのに加えて、四字熟語として『感慨一入』とする表現もあります。『感慨一入』は特定の事柄に対して、通常よりも強く心に染みるさまを表現する四字熟語です。

『雨風に負けずそびえ立つ大樹の姿は、まさに感慨一入だ』のように用いられます。ただし『感慨一入』はあまり一般的に用いられることはなく、『感慨も一入だ』のように『感慨』と『一入』に分けて用いられるケースが多く見られます。無理して四字熟語を使うのではなく、使いやすい表現を用いるのがいいでしょう。

「一入」の使い方

作文

(出典) photo-ac.com

最後に『一入』の具体的な使い方を解説します。具体的な例文をいくつか紹介するほか、適切な表記方法にも触れます。

フォーマルな場で使える例文

『一入』は類義語の『格別』『殊更』と比べて、比較的くだけた表現です。基本的にビジネスの場などフォーマルなシチュエーションに適した言葉ではありません。ただし自分の率直な思いを伝えるのが効果的なときは、『一入』を用いると強い印象を残せるでしょう。

『一入』はポジティブな表現と合わせて用いるのが一般的です。例えば『自分の努力の結果として売り上げが上がったと思うと、喜びも一入です』のほか、『尊敬する人に会えて、感慨も一入です』のように使います。

「一入」と「ひとしお」どちらの表記が適切か?

文章を読んでいると、『一入』と書かれている場合もあれば、『ひとしお』と書かれているのを目にする場合もあるでしょう。『一入』と漢字で書いても『ひとしお』とひらがなで書いても、全く問題はありません。シチュエーションに応じてより適切な表記を選ぶのが重要です。

漢字とひらがなどちらの表記を選ぶか考えるとき、重要な基準となるのは読み手が誰かという点です。読み手の立場に立って、『一入』と書いたときに伝わらないと判断したなら、『ひとしお』と書くのがいいでしょう。

また文章全体の漢字とひらがなのバランスも判断基準の一つです。漢字の多い文章は堅いイメージになり、読みづらくなる傾向があります。一方で適度にひらがなも使われていると、スムーズに文章を読み進められます。文章全体として漢字が多くなりそうなら、『ひとしお』とひらがなで表記するのがおすすめです。

漢字表記の誤りに注意

『ひとしお』は『一入』と書くのをあらかじめ知っていなければ、正しく漢字で書くのは難しいものです。『ひとしお』という音だけを聞くと、『一塩』『一潮』と表記してしまう可能性があります。

しかし『一塩』はひとつまみの塩、『一潮』は月が満月から新月になるまで、または新月から満月になるまでの15日間という意味です。『一入』の意味を語源から理解していれば、同音異義語と混同する心配もなくなるでしょう。

構成/編集部

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