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日本におけるカジノ法制の現在地、IR整備法の成立後どうなっている?

2022.11.18

2018年7月20日に、カジノ施設を含むIR施設の整備に関する「特定複合観光施設区域整備法」(IR整備法)が国会で可決・成立しました。

IR整備法の成立後、すでに4年以上の期間が経過していますが、実際のIR施設の整備はどこまで進んでいるのでしょうか?

今回は、カジノ解禁などで注目されているIR施設について、法制度の内容や整備の現状などをまとめました。

<凡例>
法:特定複合観光施設区域整備法
規則:カジノ管理委員会関係特定複合観光施設区域整備法施行規則

1. 「IR(integrated resort)」とは

「IR(integrated resort)」とは、さまざまな施設が一体となった複合観光施設です。日本語では「統合型リゾート」と訳されます。

IRに含まれる施設は、国際会議場や展示施設、さらにホテル・ショッピングモール・レストラン・劇場・映画館・アミューズメントパーク・スポーツ施設・温泉・カジノなどです。

2. IR整備法で認められた「カジノ事業」について

日本では、現行法上禁止されているカジノの解禁により、外国人観光客の誘致などを目指す「特定複合観光施設区域整備法」(IR整備法)が、2018年7月20日に国会で可決・成立しました。

2-1. IR施設において認められる予定のカジノ行為

IR整備法に基づき、IR施設において認められる予定のカジノ行為は、以下のとおりです(法2条7項、規則3条1項)。

(1)バカラ
(2)トゥエンティワン(ブラックジャックなど)
(3)ポーカー
(4)カジノウォー
(5)クラップス
(6)シックボー
(7)ルーレット
(8)マネーホイール
(9)パイゴウ
(10)電子ゲーム(オンラインスロットなど)

2-2. カジノ行為専用スペースは、IR施設全体の3%以内

IR施設内でカジノ事業を行う場合、カジノ管理委員会の免許を受けなければなりません(法39条)。

カジノ事業の免許を受けるためには、運営者の体制や事業の内容などを、免許基準に適合させる必要があります。この免許基準の一つとして、専らカジノ行為の用に供される区画の床面積の合計が、IR施設全体の床面積の3%以内であることが定められています(法41条1項7号、令6条)。

前述のとおり、IR施設はさまざまな施設が一体となった複合観光施設です。日本でカジノ事業の免許を受けるには、カジノ行為専用スペースを施設全体の3%に収めなければなりません。

2-3. カジノ行為区画の入場料

IR整備法に基づくカジノの解禁は、外国人観光客の誘致を主たる目的としています。そのため、日本国内に住居を有しない外国人については、カジノ行為区画の入場料が無料とされています(法176条1項、177条1項)。

これに対して、日本人および日本国内に住居を有する外国人は、カジノ行為区画に入場する際、6,000円の入場料を支払わなければなりません(内訳:国に3,000円、都道府県または政令指定都市に3,000円)。

3. 日本のIR施設・カジノ開業はいつになるのか?

現在のところ、IR施設の開業候補地は大阪と長崎の2か所で、2027年から2029年ごろの開業が目指されています。しかし、まだIR施設の整備計画は未確定の状況です。

3-1. IR施設・カジノを開業できるまでの流れ

カジノを含めたIR施設を開業できるまでには、以下のプロセスを経る必要があります。

(1)国土交通大臣による基本方針の策定

国土交通大臣が、IR施設の整備のための基本方針を定めます(法5条1項)。基本方針は2020年12月18日に決定されており、以下の観光庁ウェブサイトから確認できます。

参考:IR整備法に基づく基本方針の決定等について|国土交通省観光庁

(2)都道府県または政令指定都市による実施方針の策定

IR施設の設置区域を整備しようとする都道府県または政令指定都市が、整備の実施方針を定めます(法6条1項)。開業候補地となっている大阪府・大阪市と長崎県は、すでに実施方針を決定しており、各ウェブサイトにて公表しています。

参考:実施方針の確定 ※令和3年(2021年)3月19日|大阪府

参考:九州・長崎特定複合観光施設区域整備実施方針の公表について|長崎県

(3)民間事業者の選定

都道府県または政令指定都市が、実施方針に即して、IR施設の整備に関わる民間事業者を公募により選定します(法8条)。

大阪府・大阪市および長崎県は、いずれも民間事業者を選定済みです。

参考:設置運営事業予定者の選定結果の公表 ※令和3年(2021年)9月28日|大阪府

参考:九州・長崎特定複合観光施設設置運営事業に係る設置運営事業予定者(優先交渉権者)の選定について|長崎県

(4)区域整備計画の認定

都道府県または政令指定都市が、選定した民間事業者と共同で、IR施設の区域整備計画を作成し、国土交通大臣の認定を申請します(法9条1項)。

国土交通大臣は審査を行い、区域整備計画が基準に適合していると判断した場合に限り、3つの地域を上限として計画の認定を行います(同条11項)。

大阪府・大阪市および長崎県は、いずれも区域整備計画の認定を申請済みで、現在国土交通大臣による審査が行われます。

参考:大阪・夢洲地区特定複合観光施設区域の整備に関する計画の認定の申請について|大阪府

参考:九州・長崎特定複合観光施設区域整備計画案の公表について|長崎県

(5)実施協定の締結

区域整備計画の認定を受けた後、都道府県または政令指定都市と民間事業者は、実際のIR施設の整備に関する実施協定を締結します(法13条1項)

(6)IR施設の着工・竣工・開業

区域整備計画・実施協定に従って、IR施設の着工・竣工・開業と順に進みます。なお、IR施設でカジノ事業を行う場合、開業までにカジノ管理委員会の免許を受けなければなりません(法39条)。

上記のとおり、IR施設の開業候補地である大阪府・大阪市と長崎県は、いずれも区域整備計画の認定手続き中です。実際のIR施設の着工は、区域整備計画の認定および実施協定の締結後、2023年中と見込まれています。

取材・文/阿部由羅(弁護士)
ゆら総合法律事務所・代表弁護士。西村あさひ法律事務所・外資系金融機関法務部を経て現職。ベンチャー企業のサポート・不動産・金融法務・相続などを得意とする。その他、一般民事から企業法務まで幅広く取り扱う。各種webメディアにおける法律関連記事の執筆にも注力している。東京大学法学部卒業・東京大学法科大学院修了。趣味はオセロ(全国大会優勝経験あり)、囲碁、将棋。
https://abeyura.com/
https://twitter.com/abeyuralaw


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