車・バイク・自転車など車両がライトを点灯しない「無灯火」は、自ら危険な状況を作り出しているといっても過言ではありません。今回は、無灯火で走行する危険性やライトをいつ点灯すれば良いのかなど、ライトの点灯について解説します。
秋から冬の夕方から夜にかけて多発する事故
日が傾きはじめた夕方から夜の時間帯は、ライトを点灯していない車(無灯火の車両)を見かけることが多くあります。この無灯火での走行は、交通違反であり、事故のリスクも高まる危険な行為です。
警察庁が公開している「薄暮時間帯における死亡事故に係る分析」によると、17時台〜19時台(薄暮時)に死亡事故が最も多く発生していることがわかります。また、月別の薄暮時間帯における交通死亡事故件数は、7月から増えはじめ、10月〜12月がピークとなり、1月から減少していくという傾向がみられます。つまり、日が沈む時間が早くなると共に交通事故の件数が増え、日照時間が延びると交通事故の件数が減るといえるでしょう。
薄暮時と言われる夕方から夜の時間帯は、買い物や帰宅ラッシュの時間と重なり、歩行者・自転車・バイク・車などの交通量が多くなる時間です。また、日中の仕事や用事などによる疲れによって集中力が切れやすく、運転中の危険な状況の発見が遅れることがあります。さらに、日が沈んで周囲が暗くなると視界が悪くなり、歩行者・自転車やバイクなどの発見も遅れやすくなります。つまり、薄暮時は、交通事故が発生しやすい状況がいくつも重なっている時間帯なのです。
車両の運転者は、日が傾き周囲が暗くなり始めたら、ライトを点灯しなければなりません。ライトを点灯せずに走行すると「無灯火違反」となり、違反点数1点、反則金6,000円(普通車の場合)となります。
このように無灯火で走行すると、交通違反になるだけでなく、事故の危険性が高まるため、周囲が暗くなり始めたらライトを点灯することが事故を防ぐために重要なことだといえるでしょう。
なぜ無灯火は危険なのか?
なぜ無灯火で走行することが危険なのでしょうか。それは、自分の存在を周囲に認識してもらえないためです。
ライトを点灯していない車両の運転者は、街頭や他の車両のライトなどにより、周囲の状況が見えるため、自分が無灯火だと気づかないまま走行し続けてしまうことがあります。一方、周囲の車両からは、無灯火の車両が見えていないことが多いです。そのため、交差点や進路変更(車線変更)など、さまざまな交通場面で危険な状況になってしまいます。
この無灯火による危険は、自動車だけではなく、原付を含む二輪車や自転車も同じです。