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その手があったか!職場における余剰スペースの有効的な活用法

2022.11.18

リモートワークが浸透したことで、使われなくなったオフィスの余剰スペースのコストが課題になっている。エス・エー・アイが2022年2月に実施した、「企業テナントの有効活用」に関する調査では、休日や空きスペースを自社以外で有効活用ができていると答えた経営者は約3割に留まった。そのようななか、オフィスの余剰スペースを有効活用する動きが起きてきている。今回は、その有効活用方法を紹介する。

ワークスペース検索アプリ「droppin」でオフィスの余剰スペース利用も可能に

NTTコミュニケーションズは、スマートフォンで手軽に空いている近場のカフェやコワーキングスペースなどのワークスペースを検索・予約できるサービス「droppin」(ドロッピン)を提供している。そのサービス上で、2022年10月に企業が自らオフィスの余剰スペースを登録することで、droppinユーザーが他のワークスペースと同様に利用できる機能を追加した。

また、この機能の有効性を検証する実証実験を実施する予定があるという。複数社が参画し、各社の余剰スペースを相互に活用することで、コラボレーション創出に寄与する特定のユーザーとの雑談回数の測定や、本機能の利便性調査などを実施する。

この実証実験には、働き方の実証実験を行うプラットフォーム「Work Mock」を提供するフロンティアコンサルティングが協力。同社の執行役員 設計デザイン部 部長 兼 ワークデザイン研究開発部 部長 稲田晋司氏は協力の背景について次のように述べる。

「私たちはワークプレイス構築事業を通じ、ハイブリッドワークの普及が進むなかで、日々変わる出社率に応じてオフィス内に余剰空間を持て余す企業が少なくないことを目の当たりにしています。一方で、既存事業の発展や新規事業の創出に向けて、イノベーションに取り組む企業も多くあります。このことから、オフィスの余剰スペースをイノベーション創出のきっかけを生む、社内外の交流スペースとして活用できるのではないかと考えました。そこでまずは自社のオフィスをその効果検証の機会へ提供しようと思いました」

11月上旬からフロンティアコンサルティングと、NTTコミュニケーションズの2社間での利用による実証実験を開始するという。

「実証実験では、利用回数・時間・日時、アポ前後の利用による生産性向上の有無、アポ以外での雑談などの偶発的な交流回数、その他課題やニーズ調査などのデータ取得を目指しています」

余剰スペースをワークスペースとしてただ開放するだけでなく、イノベーション創出に役立てられれば、より有効活用につながりそうだ。

空きスペースをシェアできる「モノオク」で物置として活用

「モノオク」での保管イメージ

中小規模の企業であれば、シェアリングサービスを用いて個人向けにスペースを一部貸し出すという手段もある。

荷物を預けたいユーザーと余ったスペースを貸したいユーザーとをつなぐレンタル収納のシェアサービス「モノオク」は、2018年4月にサービス開始して以来、主に個人間のスペースシェアリングを提供してきた。このサービスでは、法人も登録できるので、持て余しているオフィススペースをモノオクを通じて貸し出すこともできる。近年、オフィススペースを提供するユーザーが増えていると、モノオクを提供するモノオク株式会社 CEO 阿部 祐一氏は語る。

「モノオクでオフィスの余剰スペースを有効活用しているケースは現在、約1割ほどです。通常、モノオクでは3LDKの子ども部屋など個人の空きスペースをご登録いただくケースが多いですが、オフィスをまるまる、あるいは一部を登録される法人の方ももいます。広い畳数になることが多いので、利用者の方に喜ばれています。不景気ということもあり、顕著ではないものの、オフィスの空きスペースの登録は増えてきていると感じます」

例えば、東京都中央区のオフィス内の空きスペース2~3畳を貸出している企業がある。全員リモートワークなので、普段、オフィスにいるのは一人だけということが多く、モノオクに登録したという。

また、大阪府堺市の音楽関係の教室を展開する企業は、教室内の1区画2畳分と1畳分を登録している。普段利用しているスペースの一部を貸し出すということも可能であるようだ。

平日はオフィス、土日はスクール「Swimmy」としての活用方法も

「Swimmy」教室イメージ

誰かに余剰スペースを貸し出すというアイデアからは一歩進み、スクールを開校するという方法もある。

株式会社エス・エー・アイが運営する子ども向けのプログラミング専門スクール「Swimmy」は、は現在フランチャイズ加盟店を拡大しており、土日にSwimmyを開校してオフィスやテナントの余剰スペースの有効活用をすることもできるという。

代表取締役の近藤 隆氏によれば、現在、Swimmyにおいて、オフィスの余剰スペースを有効活用しているケースは約3割にも上るそうだ。

例えば、平日はWEB制作事業のオフィスとして利用し、土日はSwimmyを運営。また他の会社は平日はレンタルスペース事業を行い、土日はSwimmyを運営。平日は士業事務所として利用し、土日はSwimmyを運営といったケースが実際にあるそうだ。

「プログラミングスクールを未経験で開校できるのか?」と不安になるが、教育事業やIT関連事業が未経験でも運営ができると近藤氏は言う。エス・エー・アイによる集客支援やマネージャー、メンターの採用サポートなども受けられるそうだ。

土日のオフィススペースの有効活用が可能であるだけでなく、今後求められる子どものプログラミング教育への貢献の一助となるというメリットも得られると考えられる。

持て余しているオフィススペースの有効活用法には、さまざまな方法がある。いかに生産的な利用に充てるかということも、企業の成長に関係してくるだろう。

【調査出典】
エス・エー・アイ「企業テナントの有効活用」に関する調査

取材・文/石原亜香利

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